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COLUMN コラム詳細

IT投資 生かせぬ日本──IT投資をムダにしない!成功するシステム導入のポイント

「動くシステム」ではなく「成長するシステム」を!失敗しない投資戦略

2025-02-17

多くの企業がシステム導入に多額の投資を行っていますが、思ったような成果が出せていないケースが後を絶ちません。その主な原因は、業務フローの見直し不足や要件定義の甘さ、システムのブラックボックス化などです。

本コラムでは、IT投資をムダにしないために、システム導入を成功させるための重要なポイントを解説します。

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【記事の要約】IT投資と業務改革の遅れが生産性低迷を招く

日本企業のIT投資は増加しているが、生産性向上にはつながっていない。日銀の調査によると、2023年度のソフトウェア投資額は2018年度比39%増の7.4兆円に達したが、多くの企業は既存業務の維持・運営に資金を投入し、新たな施策への投資は限定的である。

原因は2つある。1つ目は、システム導入後も従来の業務フローを維持し、IT化による効率化を実現できていない点だ。部門ごとの改善にとどまり、企業全体の働き方改革には至っていない。2つ目は、IT投資の大半が既存システムの改修に充てられ、経営革新に活かされていないことだ。

また、エンジニアの転職によるノウハウの喪失や、システムのブラックボックス化も問題視されている。欧米企業はERP導入を通じて業務改革を進め、労働生産性を向上させているが、日本は遅れをとっている。今後は、システム更新と並行して業務の抜本的な変革が求められる。

出典:日本経済新聞「IT投資 生かせぬ日本 変わらぬ業務フロー、革新生めず」2025年2月1日付朝刊

ポイントをひとことで

日本企業のIT投資が期待した成果を生まない最大の理由は、「業務改革」と「システム導入」が切り離されていることです。現場の業務フローを見直さずに新システムを導入すれば、従来の非効率な業務がそのまま残り、結果としてITのメリットが活かされません。また、要件定義の曖昧さやブラックボックス化も、長期的な運用を阻害する要因です。成功の鍵は、システム導入を単なるツールの刷新ではなく、全社的な業務最適化と事業成長の戦略と位置づけることにあります。

システム導入が失敗する主な原因とは?

日本企業では、IT投資が増加しているにもかかわらず、生産性向上や業務改革につながっていないケースが多く見られます。その主な原因は以下の3つです。

① 既存の業務フローをそのままにしてしまう

システム導入の目的は業務の効率化ですが、従来の業務フローを変えずにシステムを導入しても、効果は限定的になります。

▼失敗の例

  • 紙の書類やハンコ文化が残り、デジタル化が進まない
  • 旧来の業務フローに合わせてシステムをカスタマイズしすぎ、運用が複雑化

▼解決策

  • システム導入前に業務の棚卸しを行い、不要なプロセスを削減する
  • システムに業務を合わせるのではなく、業務をシステムに適応させる

② 要件定義が曖昧なままプロジェクトを進める

システム導入の成功には、適切な要件定義が不可欠です。しかし、多くの企業は「何を解決するためにシステムを導入するのか」が曖昧なままプロジェクトを進めてしまいます。

▼失敗の例

  • システム完成後に「現場のニーズと合わない」と判明する
  • 機能追加が続き、プロジェクトのスコープが膨らむ

▼解決策

  • 事業部門とIT部門が連携し、明確な要件定義を行う
  • MVP(Minimum Viable Product)の考え方を取り入れ、小規模なリリースと改善を繰り返す

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③ システムのブラックボックス化が進む

システム導入後、開発に関わったエンジニアが退職すると、ノウハウが失われ、システムの改修が難しくなるケースがあります。

▼失敗の例

  • 開発者が転職し、誰もシステムの仕様を理解していない
  • ドキュメントが整備されておらず、改修やトラブル対応に時間がかかる

▼解決策

  • システムの設計・仕様をドキュメント化し、引き継ぎしやすい環境を整える
  • 社内で技術的な知識を蓄積し、外部ベンダーに依存しすぎない体制を構築する

IT投資を成功させるための3つのポイント

システム導入を成功させるためには、以下の3つのポイントを意識することが重要です。

① システム導入と業務改革をセットで考える

  • 既存業務の見直しを行い、無駄なプロセスを排除する
  • システムを導入するだけでなく、業務フローも最適化する

成功事例:ある企業では、業務のデジタル化と並行してペーパーレス化を進めた結果、書類作成時間が50%削減されました。

② 「コスト削減」だけでなく「事業成長」の視点でIT投資を行う

  • システム導入の目的を「業務効率化」だけでなく、「売上向上」や「新規顧客獲得」に広げる
  • データ分析やAI活用など、ビジネスに直結するIT投資を検討する

成功事例:ある小売業では、CRM(顧客管理システム)を導入し、データ分析に基づいたマーケティング施策を実施。その結果、リピート率が20%向上しました。

③ 長期的な視点で運用・改善を行う

  • システム導入後も継続的にデータを分析し、業務改善を進める
  • IT人材の育成を行い、社内でシステムを適切に運用できる体制を作る

成功事例:ある製造業では、IoT技術を活用し、工場の稼働データを可視化。データを基に設備の最適化を行い、年間の生産コストを15%削減しました。

まとめ

システム導入を成功させるためには、単に新しいツールを導入するだけではなく、業務改革とセットで進めることが重要です。特に、以下の3つのポイントを意識することで、IT投資を最大限に活かせます。

  1. 業務フローの見直しとセットでシステム導入を行う
  2. 「コスト削減」だけでなく「事業成長」を目的にする
  3. 長期的な視点で継続的な改善を行う

多くの企業がIT投資を増やしている中、導入後に期待した成果が得られないケースが後を絶ちません。成功するためには、システムを単なる「ツール」と捉えるのではなく、企業の競争力を高める「戦略的な投資」として活用することが不可欠です。

作って終わりではない成長するシステムを導入したいという企業のご担当者さまは、下記よりお気軽にご相談ください。

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<著者プロフィール>
フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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