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COLUMN コラム詳細

紙の決算書2100万枚から考える、業務デジタル化の本当の価値

データ活用できていますか?紙業務がDXを阻む3つの理由と解決策

2025-02-26

企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が叫ばれる中、多くの業務で未だに紙文化が根強く残っています。日本経済新聞の「岐路の地銀(中)旧弊に映る営業手法 DX阻む手続き文化」(2025年2月20日付朝刊)では、地方銀行(地銀)が年間約2100万枚もの紙の決算書を扱っていることが指摘されました。紙の運用はコストと手間を増やし、業務の非効率化を招きます。本コラムでは、紙の決算書が生む課題を整理し、業務デジタル化の本当の価値について考えます。

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【記事要約】地銀のDX遅れ、伝統的手続き文化が障壁に

地方銀行(地銀)では、旧来の営業手法や手続き文化がDX推進の妨げとなっている。例えば、多くの地銀は未だに決算書を紙で受領しており、年間約2100万枚の紙を使用。データ活用により業務効率化が可能だが、従来の手続き文化が変革を阻んでいる。また、地銀自身のDX遅れに加え、中小企業へのDX支援も十分に機能していないとの指摘がある。DXによる生産性向上を進めなければ、地銀の競争力低下のみならず地域経済の発展も困難になる。

出典:日本経済新聞「岐路の地銀(中)旧弊に映る営業手法 DX阻む手続き文化」2025年2月20日付朝刊

ポイントをひとことで

紙の決算書2100万枚という数字は、単なるコストや環境負荷の問題ではなく、企業のDX停滞を象徴しています。紙業務が残ることで、データの活用が遅れ、業務効率が低下し、意思決定のスピードも鈍ります。デジタル化の本質的な価値は、単なるペーパーレス化ではなく、「業務フローの最適化」と「データ活用による競争力向上」にあります。成功の鍵は、小さく始め、システムを活用しながら徐々に拡大すること。そして、業務プロセスの変革こそが、真のDXへの第一歩です。

紙の決算書がもたらす3つの非効率

地銀の決算書運用の現状から見えてくるのは、多くの企業にも共通する「紙業務の非効率」です。

コストの増加

紙の決算書を扱うには、印刷、郵送、保管といったコストが発生します。野村総合研究所の試算によれば、地銀全体で紙の決算書に使用されるA4用紙は年間約2177万3000枚。これに関連するコストは膨大で、デジタル化すれば削減できる経費も大きいでしょう。

業務の遅延

紙ベースの業務は、データの入力や管理に手間がかかるため、処理に時間を要します。例えば、銀行が企業の決算書を審査する際、紙の書類を回覧し、手入力でデータ化することが一般的です。このプロセスがデジタル化されれば、業務スピードが格段に向上します。

データ活用の困難さ

紙の情報は検索や分析が難しく、経営判断のためのデータ活用が進みません。企業のDX推進において、紙のデータをデジタル化し、活用できる形にすることが不可欠です。

業務デジタル化がもたらす本当の価値とは?

紙の業務をデジタル化することで得られるのは、単なる効率化やコスト削減だけではありません。本質的な価値は、「企業の競争力向上」にあります。

業務スピードの向上と生産性アップ

ペーパーレス化を進めることで、情報共有が迅速になり、業務のスピードが向上します。例えば、決算書を電子データで共有すれば、銀行や取引先とのやり取りがスムーズになり、意思決定の迅速化につながります。

データ活用による経営の高度化

紙の書類では難しいデータ分析も、デジタル化すれば可能になります。業績の予測やリスク管理の高度化が実現できます。

環境負荷の軽減と企業価値の向上

紙の使用量削減は、環境負荷を軽減するだけでなく、企業のESG(環境・社会・ガバナンス)評価向上にも貢献します。持続可能な経営を目指す上で、デジタル化は重要な取り組みの一つです。

デジタル化を成功させるために企業がすべきこと

業務デジタル化を成功させるには、単なるシステム導入ではなく、業務フロー全体の見直しが不可欠です。

小さく始めて徐々に拡大する

一度に全業務をデジタル化しようとすると、現場の負担が大きくなり、定着しにくくなります。まずは決算書の電子化やペーパーレス会議の導入など、小さな施策から始めるとスムーズに移行できます。

クラウドの活用で柔軟な業務環境を実現

クラウドストレージや電子契約システムを活用することで、ペーパーレス化をより実践しやすくなります。特に、テレワークや多拠点展開を進める企業にとって、クラウドの導入はDX成功の鍵となります。

社員の意識改革と研修の実施

システムを導入するだけではDXは進みません。社員の意識を変え、デジタルツールの活用を促すための研修やサポート体制を整えることが重要です。

まとめ:デジタル化は企業の競争力向上につながる

地銀の事例からも分かるように、紙業務が残ることで発生する非効率は企業にとって大きな課題です。しかし、デジタル化は単なる効率化にとどまらず、業務スピードの向上、データ活用による経営の高度化、環境負荷の軽減など、多くの価値をもたらします。

貴社のDX推進においても、まずは「紙業務をなくすこと」から始めてみてはいかがでしょうか?ペーパーレス化の第一歩を踏み出すことで、DXの大きな可能性が広がるはずです。

最後になりますが、フレシット株式会社では、DXに関する伴走型のシステム開発の提供を行わせていただいておりますので、下記よりお気軽にご相談ください。

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<著者プロフィール>
フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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