損保ジャパンのDX戦略に学ぶ!【脱エクセル】データが点在する“情報のサイロ化”を解決するには?
データ管理の最適解とは?エクセル運用が引き起こす情報の分断を防ぐ
2025-03-05

DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が求められる中、多くの企業が直面している課題のひとつが「情報のサイロ化」です。特にエクセルを使ったデータ管理は、各部門や担当者ごとに異なるフォーマットでデータが点在し、情報の分断を引き起こす原因となります。
損保ジャパンは、従来エクセルで行っていた企業向け保険の契約管理を、専用システムへ移行することで、業務の効率化と透明性の向上を実現しました。本コラムでは、情報のサイロ化が生じる要因とそのリスクを整理し、効果的な解決策について解説します。
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目次
【記事要約】損保ジャパン、DXで企業向け保険契約をオンライン完結へ
損害保険ジャパンは、企業向け保険の契約業務において、従来のエクセルベースの手続きから脱却し、オンラインの専用システムを導入する。これにより、保険料計算や契約手続きの効率化を図り、ミスや不正の防止を目指す。同システムは東芝デジタルソリューションズと共同開発され、代理店は契約手続きをすべてオンライン上で完結できる。業界全体でもDXが進んでおり、AIを活用した営業支援や事故対応の自動化など、業務のデジタル化が加速している。
出典:日本経済新聞「損保ジャパン、脱エクセル 企業向け保険、ウェブで契約完結 作業効率高めミス防止」2024年10月24日付朝刊
ポイントをひとことで
このコラムは、エクセル運用による「情報のサイロ化」がDX推進の障壁となる点を指摘し、その解決策を具体的に示しています。エクセルは手軽な管理ツールですが、部門ごとにデータが分散し、非効率やデータ不整合を招くリスクがあります。DXの成功には、データの一元管理、システム連携、ガバナンス強化が不可欠です。特に、企業独自の業務フローに最適化されたシステムを導入することで、業務の透明性と効率性を大幅に向上させることが可能になります。
情報のサイロ化とは?
情報のサイロ化とは、企業内の異なる部門やチームが、それぞれ独立したシステムやエクセルファイルでデータを管理することにより、情報共有が困難になる状態を指します。この問題が発生すると、以下のような課題が生じます。
- データの重複や不整合が発生
- 意思決定のスピードが低下
- 部門間の連携が困難になり業務効率が低下
- 最新データへのアクセスが制限される
特にエクセルを活用した業務運用では、ファイルが個人PCに保存されることが多く、情報が分断されがちです。これが組織全体のDX推進を阻害する要因となります。
なぜエクセル運用で情報のサイロ化が起きるのか?
エクセルは手軽で柔軟性が高いツールですが、企業のデータ管理を行う上では、いくつかの問題点を抱えています。
ファイルが乱立し、統一管理が難しい
各部門や個人がそれぞれ異なるエクセルファイルでデータを管理するため、統合が困難。
データの更新がリアルタイムで共有されない
最新情報が即座に反映されず、異なるバージョンのファイルが複数存在する。
アクセス権限の管理が難しい
誰がどのデータを更新・閲覧できるかの管理が複雑化し、セキュリティリスクが発生する。
手作業が多く、入力ミスのリスクが高い
人為的なミスが増え、データの正確性に問題が生じる。
これらの問題を放置すると、データ活用の妨げとなり、DXの取り組みが停滞する要因となります。
エクセル依存を解消し、情報のサイロ化を防ぐ方法
情報のサイロ化を解決するためには、エクセル依存から脱却し、データを統合管理できる仕組みを導入することが重要です。そのための具体的な方法を紹介します。
1. データを一元管理できるシステムを導入する
損保ジャパンが企業向け保険の契約管理システムを導入したように、組織全体でデータを一元管理できるシステムを構築することが解決策の第一歩です。クラウド型のデータベースやERP(統合基幹業務システム)を活用することで、リアルタイムでのデータ共有が可能になります。
2. 各部門間のデータ連携を強化する
エクセルから脱却するだけでなく、部門間でデータをシームレスに共有できる仕組みを整えることも重要です。APIを活用したシステム連携により、異なる部門のシステム間でデータを自動で同期させることができます。
3. データガバナンスを強化する
統一したデータ管理ルールを設け、アクセス権限やデータ入力の標準化を図ることで、情報のサイロ化を防ぐことができます。また、データ品質の維持に向けた定期的な監査も有効です。
まとめ:エクセル運用を見直し、DXを成功へ導く
エクセルによるデータ管理は手軽な反面、情報のサイロ化を引き起こしやすく、企業全体の業務効率や意思決定のスピードを低下させる要因となります。損保ジャパンの事例からも分かるように、データの一元管理とシステム連携の強化がDX成功のカギとなります。
情報のサイロ化に課題を感じている企業担当者の方は、自社のデータ管理のあり方を見直し、適切なシステム導入を検討してみてはいかがでしょうか。
最後になりますが、フレシット株式会社では、フルスクラッチ(オーダーメイド)で貴社独自の業務フローに最適化されたシステムを構築する伴走型開発の提供を行わせていただいております。
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<著者プロフィール>
フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。