to TOP
無料で相談する 資料を請求する

COLUMN コラム詳細

「仕様凍結」なきプロジェクトは破綻する? 成功するシステム開発の分岐点とは

システム開発を最適化するための ‘仕様凍結’ の考え方

2025-03-21

システム開発において、仕様凍結が重要であることはよく知られています。しかし、「仕様を決めたのに、なぜかプロジェクトが迷走する」「開発途中で新しい機能を追加したくなり、結果として納期が遅れる」といった事態は後を絶ちません。

本コラムでは、フルスクラッチ開発を成功に導くための仕様凍結の役割とポイントについて解説します。

>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら

【記事要約】旭川医大とNTT東の裁判、仕様凍結後の追加開発要望が争点に

 電子カルテを含む病院情報管理システムの開発失敗を巡る訴訟で、札幌高裁は一審判決を覆し、旭川医科大学に全責任があると判断した。プロジェクト開始後、医大側は大量の追加開発を要求。NTT東は625項目を受け入れた後、仕様凍結に合意したが、その後も171項目の要望が続いた。高裁は、仕様凍結の合意が開発要望の拒否に相当すると認定し、NTT東のプロジェクトマネジメント義務違反を否定。契約解除時点でシステムはほぼ完成していたとし、旭川医大に約14億円の賠償を命じた。ユーザー企業には、開発ベンダーの説明を受け、プロジェクトを適切に管理する責任があることが改めて示された。

出典:日経コンピュータ「失敗の全責任はユーザー側に、旭川医大とNTT東の裁判で逆転判決」2017年9月29日

【記事要約】旭川医大とNTT東、仕様凍結後の追加開発が訴訟に発展

 旭川医科大学とNTT東日本の病院情報管理システム開発は、仕様の追加・変更が続いたことで開発遅延に陥り、最終的に契約解除と訴訟に発展した。当初2009年9月の稼働予定だったが、仕様変更が相次ぎ、2009年7月に仕様凍結を決定。しかし、その後も171項目の追加要望があり、NTT東は136項目を受け入れたが、開発はさらに遅延した。2010年4月、旭川医大は契約を解除し、NTT東は23億円の損害賠償を請求。裁判では、仕様凍結後の追加開発が争点となり、旭川医大の協力義務違反が指摘された。ユーザー企業には、仕様を適切に管理し、開発ベンダーと協力する責任があることが改めて示された。

出典:日経コンピュータ「システム開発の失敗を巡り裁判に至るまで、旭川医大とNTT東の2010年」2010年10月13日号

ポイントをひとことで

仕様凍結はシステム開発の生命線です。本コラムが示すように、仕様が確定しないまま開発が進むと、無制限な追加要望が発生し、納期遅延やコスト増大を招きます。特にフルスクラッチ開発では、要件定義の精度がプロジェクトの成功を左右します。仕様凍結後も必要に応じた変更管理の仕組みを整え、関係者間での認識統一を徹底することが不可欠です。成功のポイントは、事業会社が主体的に仕様を管理し、システム開発会社と連携して計画的に進めることにあります。

仕様凍結とは?

仕様凍結とは、システムの要件や設計内容を確定させ、それ以降は原則として変更しないことを指します。これは、システム開発の工程をスムーズに進め、品質や納期を守るために不可欠なプロセスです。特にフルスクラッチ開発では、仕様が曖昧なまま進行すると、開発途中での変更が頻発し、結果的に大幅なスケジュール遅延やコスト超過につながります。

仕様凍結が必要な理由

  1. 開発の方向性を明確にする 仕様が定まっていないと、システム開発会社と事業会社の間で認識のズレが生じやすくなります。仕様凍結を行うことで、開発の方向性を統一し、無駄な修正を減らすことができます。
  2. 開発のスケジュールとコストを管理しやすくする 仕様が頻繁に変わると、開発スケジュールが大きく遅れ、コストも増加します。仕様凍結を行うことで、開発計画を確実に遂行し、予算管理を容易にします。
  3. 品質の向上につながる 仕様が変わるたびにコードの修正が発生すると、バグの発生リスクも高まります。仕様凍結により、開発の安定性が増し、品質の高いシステムを構築しやすくなります。

仕様凍結が守られなかった事例

仕様凍結の重要性を理解するために、実際に仕様変更が頻発し、開発が失敗した事例を見てみましょう。

ある医療機関では、病院情報管理システムをフルスクラッチで開発しようとしました。当初、仕様を決めてプロジェクトが進行していましたが、現場の医師から次々と追加開発の要望が出され、システム開発会社も対応せざるを得ない状況になりました。

仕様凍結後も追加機能の要望が続き、開発スケジュールは度重なる延期。結果として、システムの納品が遅れ、契約解除に至る事態となりました。この事例は、仕様凍結を徹底しなかったために発生した典型的なプロジェクトの失敗例といえるでしょう。

仕様凍結を成功させるためのポイント

  1. 仕様決定の段階で関係者全員の合意を得る システム開発会社だけでなく、発注する事業会社の各部門から関係者を集め、仕様を明確に定義し、合意を得ることが重要です。
  2. 変更管理プロセスを明確にする どうしても仕様変更が必要になった場合に備え、変更管理のプロセスを事前に定めておくことが重要です。たとえば、「仕様変更の申請は○○までに提出し、承認が必要」といったルールを設けることで、無計画な変更を防ぐことができます。
  3. 仕様の確定後は原則として変更を加えない 仕様確定後に「やっぱりこの機能も追加したい」という声が上がることは少なくありません。しかし、仕様凍結後の追加開発は、開発全体のスケジュールや品質に大きな影響を与えるため、慎重に判断する必要があります。

まとめ

仕様凍結は、フルスクラッチ開発を成功させるために不可欠なプロセスです。開発の方向性を明確にし、スケジュールやコストを適切に管理し、品質を向上させるためには、仕様凍結のルールを徹底し、適切な変更管理を行うことが求められます。

フルスクラッチ開発を検討している事業会社の皆さまにとって、本コラムが仕様管理の重要性を再認識するきっかけとなれば幸いです。

フルスクラッチ開発において、仕様凍結の適切な管理はプロジェクト成功の鍵となります。しかし、仕様の決定や変更管理を適切に行うのは容易ではありません。フレシット株式会社では、豊富な開発経験と高いプロジェクトマネジメント力を活かし、お客様の要件を的確に整理しながら、スムーズな仕様凍結と確実な開発進行をサポートします。

私たちは、単なる開発会社ではなく、お客様のビジネスを成功へと導くパートナーとして、初期の要件定義から納品後の運用支援まで一貫して対応いたします。プロジェクトの方向性を明確にし、スケジュール・コスト・品質を適切に管理しながら、最適なシステムを提供いたします。

理想のシステムを、確実にカタチにする」──フルスクラッチ開発をお考えなら、ぜひフレシット株式会社にご相談ください。

>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら

<著者プロフィール>
フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

CONTACT お問い合わせ

フルスクラッチのシステム開発会社フレシットへのお問い合わせ

REQUEST 資料請求

フルスクラッチのシステム開発会社フレシットへの資料請求