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COLUMN コラム詳細

なぜDXに“標準機能”だけでは足りないのか? 〜PaaS時代に再評価されるフルスクラッチ開発〜

業務に最適なシステムを設計するための、もうひとつの選択肢

2025-03-30

DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める企業にとって、「コストを抑えて、スピーディにシステムを導入する」ことは大きな命題です。こうしたニーズに応える存在として、SalesforceなどのPaaS(Platform as a Service)は大きな注目を集めています。

PaaSは、あらかじめ用意された“標準機能”を活用することで、短期間での構築が可能となる反面、使い方を誤ると大きな落とし穴に繋がることもあります。

本コラムでは、PaaS導入の限界と、それを踏まえたうえでの「フルスクラッチ開発」の合理性について解説します。

>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら

【記事要約】文化シヤッター訴訟にみるDXの落とし穴、PaaS活用失敗で日本IBMに賠償命令

文化シヤッターの販売管理システム刷新において、日本IBMはPaaS「Salesforce1 Platform」での開発を請け負ったが、カスタム開発が想定の20%から95%に膨張し、開発は頓挫。東京地裁は、同社がPaaSの技術的制約を軽視しプロジェクト管理義務を怠ったと認定し、19.8億円の賠償を命じた。DX推進には、標準機能の活用と業務プロセス改革の両立が不可欠である。

出典:日経コンピュータ、2022年8月4日号 pp.104-106「販売管理システムの開発が頓挫 日本IBMに19.8億円の賠償命令」

【記事要約】文化シヤッター訴訟確定、DX失敗の責任問われ日本IBMに約20億円の賠償命令

文化シヤッターのDX推進の一環で始まった販売管理システム刷新が頓挫し、日本IBMに約20億円の賠償が確定した。最高裁は2025年1月、双方の上告を棄却。PaaS「Salesforce1 Platform」の制約やカスタム開発の過剰による構築失敗が主因とされ、プロジェクト管理の不備がDX失敗に直結した。本件は、クラウド活用における適切な設計と標準機能重視の重要性を浮き彫りにしている。

出典:日経クロステック「文化シヤッターのシステム開発訴訟の判決が確定、日本IBMに20億円の賠償命じる」2025年1月15日

ポイントをひとことで

このコラムは、PaaSの標準機能を前提に開発を進めた結果、業務実態にそぐわない箇所の仕様変更が重なり、カスタム比率が想定を大きく超えてしまった事例を通じて、設計初期の判断がDXの成否を左右することを示しています。特に、業務要件を深く理解せずにPaaSありきで進めると、コスト・納期・運用負荷のすべてに悪影響が及びます。業務特性に応じた手法選定が重要であり、フルスクラッチ開発はその柔軟性ゆえに、再評価されるべき選択肢といえるでしょう。

標準機能中心のはずが、なぜカスタムが増え続けるのか

PaaSの活用においては、基本的に「標準機能を中心に活用し、必要最小限のカスタマイズで対応する」という方針が前提です。しかし、現実には以下のような理由で、当初の想定を超えてカスタム開発が膨らんでいくケースが少なくありません。

  • 自社独自の業務フローに標準機能が合わない
  • 現場からの要望が複雑・細分化しており、柔軟な設計が必要
  • 既存システムとの連携要件が多く、標準機能だけでは対応困難

その結果、「標準機能で8割対応できると思っていたが、最終的にカスタムが9割以上になった」というような事態も珍しくありません。設計段階での見込みが甘いと、開発工数・コスト・品質に深刻な影響を及ぼします。

実例に学ぶ:PaaS開発が破綻するパターン

象徴的な事例として、文化シヤッターと日本IBMの販売管理システム開発プロジェクトがあります。

 当初はSalesforceのPaaSをベースに、標準機能80%、カスタム20%で設計されていたプロジェクトでしたが、最終的にはカスタム開発が95%に膨張。結果として、技術的な制約、コスト超過、不具合の多発によりプロジェクトは頓挫し、裁判にまで発展しました。

この事例は、標準機能で済ませられる前提で進めた開発が、いかに危ういものかを如実に物語っています。

PaaSの強みと限界を見極める視点が必要

PaaSの魅力は、プラットフォームが持つ拡張性と即時性です。

特にCRMや営業支援などの分野では、標準機能を活用するだけでも一定の効果を得ることができます。
しかし、業務プロセスが複雑だったり、独自性が高い領域では、PaaSの標準機能に業務を無理に合わせようとすることで、かえって破綻を招くリスクが生まれます。

重要なのは、「システムを導入すること」自体ではなく、自社の業務に本当にフィットする仕組みを、柔軟かつ確実に作ることです。

フルスクラッチ開発という選択肢が再評価される理由

こうした背景から、近年では最初からフルスクラッチ(オーダーメイド)でシステムを構築するというアプローチが再評価されています。フルスクラッチ開発には以下のような特長があります。

  • 業務に最適化されたシステム設計が可能
  • 拡張性と柔軟性を確保しやすい
  • 外部制約(ライセンス・仕様変更など)に左右されにくい
  • 長期的なコスト管理・データコントロールがしやすい

一見すると初期費用は高く感じられるかもしれませんが、後からカスタムを追加するよりも合理的で安定的な運用ができる点で、中長期的には大きなメリットを生みます。

まとめ:PaaSか、フルスクラッチか。その答えは業務次第

DXを成功させるために重要なのは、「標準機能でどこまで対応できるか」ではなく、「自社の業務や目的に、どの手段が最適か」という視点です。

もし、複雑な業務フローを抱え、柔軟かつ長期的な運用を見据えたシステム開発を検討されているのであれば、フルスクラッチ開発という選択肢を、今一度真剣に検討する価値があります

“PaaSありき”ではなく、“業務最適ありき”の視点で、開発方針を見直してみてはいかがでしょうか。

そこで重要になるのが、業務に本当にフィットするシステムを、一から柔軟に設計できる開発体制です。

フレシット株式会社は、フルスクラッチ(オーダーメイド)専門のシステム開発会社として、貴社の業務に深く入り込みながら、DXの本質的な価値を引き出すシステムをご提案しています。現場との丁寧な対話を通じて、無理なく業務に最適化されたシステムを構築し、開発後の成長や変化にも対応できる拡張性のある設計を実現します。

“システムを合わせる”ではなく、“業務と共に進化する”――そんな開発パートナーをお探しであれば、ぜひフレシットにご相談ください。

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<著者プロフィール>
フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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