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COLUMN コラム詳細

【ETCシステム障害が示した教訓】トラブルは避けられない──それでも止めないための“設計力”と“運用力”

システム障害の影響を抑えるために必要な“設計の余白”とは

2025-04-18

2025年4月に発生したETCシステムの大規模障害は、東京や愛知を含む広範なエリアに影響を与え、社会インフラの脆弱性を浮き彫りにしました。原因の一つは、継ぎはぎ的な改修によるシステムの複雑化に加え、トラブル発生時に迅速な「切り戻し」ができなかった点にあります。システム障害が完全に避けられない以上、重要なのは“止めないための設計と運用”です。

本コラムでは、切り戻しを想定した構成設計やテスト環境の整備がなぜ重要なのかを解説し、企業が取り組むべき持続可能なシステム体制について考察します。

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【記事要約】ETC障害が浮き彫りにしたDXの課題──複雑化する基幹システムと「2025年の崖」

中日本高速道路のETC障害は、継ぎはぎ的なシステム改修による複雑化が主因で、DX推進の遅れが浮き彫りとなった。基幹システムの老朽化と技術者不足が重なる「2025年の崖」が迫る中、多くの企業がブラックボックス化したシステムを抱え、改修のたびに障害リスクが高まっている。DXを進めるには、抜本的な再設計と障害時に備えた「切り戻し」体制の整備が不可欠である。

出典:日本経済新聞「ETC障害、システム複雑化が弱点 応急復旧で再開」2025年4月8日付朝刊

ポイントをひとことで

このコラムは、「障害は避けられない」という現実を正面から捉えたうえで、止めないシステムを実現するためには“設計段階からの備え”が重要であることを明確に伝えています。特に、切り戻しや段階的リリース、検証環境の整備といった設計上の“余白”は、トラブル発生時の業務継続性を左右する重大な要素です。これらは後付けではなく、開発初期からの構想が求められる領域であり、だからこそ、柔軟な設計が可能なフルスクラッチ開発の価値があらためて浮き彫りになります。

障害は想定外ではなく必ず起きる前提で考える

多くの企業では、リリース後の障害を“イレギュラー”として扱いがちです。しかし、複雑な業務要件や多層的なシステム構成を持つ現代の基幹系システムにおいては、障害のリスクを完全にゼロにすることは困難です。実際、今回のETC障害でも、深夜割引システムの追加にともなう上位層での不具合が、想定を超える範囲に波及しました。

こうした現実を踏まえると、トラブルは起きるという前提で設計・運用を行うことこそ、DX時代の危機管理として必須といえるでしょう。

設計に余白がないと、復旧に時間がかかる

トラブル対応に手間取る背景には、システム設計そのものに「戻る前提」が組み込まれていないケースが多くあります。たとえば、更新プログラムを適用した後に不具合が起きた場合、迅速に前バージョンに切り戻せる構成(=ロールバック体制)が整っていないと、復旧は困難になります。

加えて、テスト環境と本番環境の差異が大きいほど、事前検証の信頼性も下がります。運用に耐えるシステムとは、切り戻しを含めた余白のある設計整備された検証環境がセットで成立するのです。

フルスクラッチ開発なら、柔軟なリスク対策が可能に

既存のパッケージやレガシーな基幹システムでは、構造上“戻る設計”が想定されておらず、障害時の柔軟な対応が難しいケースが多くあります。そこで注目されるのがフルスクラッチによるオーダーメイド開発です。

スクラッチ開発であれば、開発初期から切り戻し・フェールオーバー設計・段階的リリース戦略を盛り込むことができるため、トラブル発生時にも業務を止めずに対応できます。加えて、開発段階からシステム開発会社と連携しながら、自社の運用体制やリスク許容度に合わせた設計が可能になる点も大きなメリットです。

まとめ

システム障害は“起こってから対応するもの”ではなく、“起きる前提で備えるもの”です。ETCのように社会インフラレベルのシステムであっても、障害が起これば信用や業務に甚大な影響を及ぼします。

そのリスクを最小化するには、切り戻し可能な構成設計と整備されたテスト環境、そしてそれらを実現できる柔軟な開発体制が不可欠です。システムの“止めない力”は、構築フェーズから生まれます。フルスクラッチ開発を視野に入れ、自社に最適な運用体制を整えることが、これからの安定運用とDXの土台となるでしょう。

こうした“止めないための設計と運用”を実現するには、単に技術力があるだけでなく、業務理解力とリスク視点を兼ね備えた開発パートナーの存在が不可欠です。

フルスクラッチ開発を専門とするフレシット株式会社では、業務要件のヒアリングから将来的な運用設計、切り戻しや段階導入といったリスク対策までを一貫して支援いたします。もし、今のシステムに少しでも不安があるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。安定性と柔軟性を両立した、貴社専用の最適なシステムをご提案いたします。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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