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COLUMN コラム詳細

【ETCシステム障害に見る限界】システムは“育てる”もの──小手先の改修から脱却する、持続可能な開発戦略とは?

事業成長に寄り添う“育てる設計”という選択肢

2025-04-24

2025年4月に発生したETCシステムの障害は、レガシーシステムに継ぎはぎ的な改修を重ねてきた結果のリスクを改めて浮き彫りにしました。新たな割引制度の導入をきっかけに広域障害が発生し、復旧には時間を要しました。この背景には、「一時的な対応」を繰り返してきたことで構造が複雑化し、“育てる”視点のないシステム運用が続けられていたことがあります。

本コラムでは、成長する事業に合わせて進化できる“育てるシステム”をどのように設計すべきか、持続可能な開発戦略の考え方をご紹介します。

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【記事要約】ETC障害が浮き彫りにしたDXの課題──複雑化する基幹システムと「2025年の崖」

中日本高速道路のETC障害は、継ぎはぎ的なシステム改修による複雑化が主因で、DX推進の遅れが浮き彫りとなった。基幹システムの老朽化と技術者不足が重なる「2025年の崖」が迫る中、多くの企業がブラックボックス化したシステムを抱え、改修のたびに障害リスクが高まっている。DXを進めるには、抜本的な再設計と障害時に備えた「切り戻し」体制の整備が不可欠である。

出典:日本経済新聞「ETC障害、システム複雑化が弱点 応急復旧で再開」2025年4月8日付朝刊

ポイントをひとことで

このコラムは、短期的な改修を繰り返す“継ぎはぎ型”の開発では、もはや事業成長に追いつけないという現実を突きつけています。システムは作って終わりではなく、変化するビジネス環境に応じて“育てる”べき資産です。そのためには、初期設計から将来の拡張や連携を見据えた柔軟な構造が必要であり、技術的負債を避ける中長期視点の開発戦略が欠かせません。DX時代の持続可能な成長を支えるために、システムもまた進化し続ける前提で構築すべきです。

継ぎはぎ改修がもたらすシステムの限界

多くの企業が、短期的なコストや業務の即応性を優先し、既存システムに対して小手先の改修を重ねてきました。しかしこの方法では、時間の経過とともに構造が複雑化し、全体像を把握できない“ブラックボックス化”が進行します。

ETCの事例に見られたように、一部機能の追加で全体が不安定になるのは、システムが“育てられてこなかった”ことの象徴です。将来の事業成長や環境変化に対応できない“限界システム”に、企業の重要な基幹業務が依存しているという事実は、無視できないリスクです。

システムは作って終わりではなく、育てるもの

本来、システムは企業活動とともに成長し、変化に対応しながら進化していくべき存在です。新しい事業モデルへの転換、業務プロセスの改善、ユーザー体験の向上など、DX推進のあらゆる取り組みにおいて、それを支える基盤が“変化に強い構造”でなければなりません。

つまり、システムには「育てる」という視点が必要なのです。そのためには、安易な場当たり的改修ではなく、将来の拡張・連携・置換といった変化を見据えた、柔軟なアーキテクチャの設計が欠かせません。

持続可能な開発戦略とは?

“育てるシステム”を実現するための持続可能な開発戦略として、以下のようなポイントが重要です:

  • 将来を見据えたアーキテクチャ設計
    機能追加や連携の拡張を前提とした疎結合構造を採用することで、改修の柔軟性を確保します。
  • 技術負債をため込まない開発体制:
    短期的な“場当たり的対応”を避け、技術的な健全性を維持するための中長期視点を持つことが重要です。
  • システム開発会社との長期的なパートナーシップ:
    一時的な開発だけでなく、運用・保守・改善フェーズまで継続的に関与してもらうことで、成長に寄り添った開発が実現します。

これらは、単なる改修ではなく、フルスクラッチ開発や長期視点での再設計によって初めて成立する取り組みです。

まとめ

システムを“作って終わり”と捉える時代はすでに終わりを迎えています。今後は、変化し続ける事業環境に対応できる育てられるシステムこそが、企業の競争力を支える基盤となります。継ぎはぎによる延命ではなく、将来を見据えた持続可能な開発戦略を持つことが、真に強いシステムの条件です。

そのためには、最初から「育てること」を前提に設計・構築ができる体制と、それを実現するパートナー選びが重要となります。目先の改修ではなく、将来の進化を見据えたシステムづくりへと、いまこそ舵を切るときです。

将来にわたり柔軟に“育てていける”システムを構築するためには、単に要件を満たすだけではなく、事業の変化や成長スピードに対応できる設計思想と、それを実現できるパートナーの存在が不可欠です。

フルスクラッチ開発を専門とするフレシット株式会社では、貴社の業務やビジョンに深く向き合い、将来の拡張・改善を前提とした柔軟なアーキテクチャ設計をご提供しています。小手先の改修に限界を感じている方こそ、ぜひ一度、私たちにご相談ください。“育てられるシステム”を一緒に実現いたします。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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