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COLUMN コラム詳細

開発現場の“すれ違い”を未然に防ぐ!期待値を揃えるヒアリング&ドキュメント術

フルスクラッチ開発を成功に導く、対話と記録の技術

2025-05-18

仕様通りに開発が進んでいるはずなのに、納品後に「思っていたものと違う」という不満が発生する――。システム開発では、こうした“すれ違い”がプロジェクトの質や信頼関係に大きく影響します。
期待値のズレは、開発の技術的な問題ではなく、認識の可視化・共有の不十分さから生まれることが多いものです。

本コラムでは、開発現場でのすれ違いを未然に防ぐために有効な、ヒアリング・ドキュメント・モックアップ・レビューの実践的な活用術をご紹介します。

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【記事要約】クレジットHD解散の背景に見るシステム開発のリスク管理不足

クレジットHDは、大手金融機関との提携を機に開発規模が急拡大し、要件定義やリソース計画の甘さからプロジェクトが破綻。初期段階で開発の規模・品質に関する合意形成が不十分だったことや、ジョイントベンチャー化など費用分担の工夫を欠いた点が解散の要因となった。スタートアップにとって、システム開発の戦略設計と契約形態の選定は極めて重要である。

出典:日本経済新聞「有望フィンテック解散 大手との提携で暗雲、開発費膨張 スタートアップ 清算に学ぶ㊤」2024年11月11日付電子版

ポイントをひとことで

システム開発における期待値のズレは、多くの場合、初期の対話不足やドキュメントの曖昧さから生じます。本コラムが示すように、ヒアリングやレビューを通じた認識の可視化、モックアップの活用、記録としてのドキュメント整備は、発注側と開発会社の共通理解を築くうえで極めて重要です。特にフルスクラッチ開発では仕様の自由度が高い分、言語化されない期待がトラブルの火種になります。だからこそ「見える化されたコミュニケーション」が成功の鍵となるのです。

ヒアリングは質問より翻訳

要件のすれ違いは、ヒアリング段階から始まります。発注者が語る「使いやすさ」「効率化」「柔軟な対応」といった言葉は、開発者側の認識とは異なることが少なくありません。
重要なのは、言葉をそのまま受け取るのではなく、業務フローやユーザー像を掘り下げながら「本当に必要なこと」を翻訳して整理する力です。

業種や業務特性に関する理解を深めるために、現場担当者へのインタビューやヒアリングシートの活用も効果的です。

要件定義書は合意文書として機能させる

多くの開発現場で、要件定義書が単なるチェックリスト化しているケースが見られます。
しかし、本来の役割は「認識のズレを防ぐための合意文書」です。要件は単に機能の羅列ではなく、「何のために」「誰が」「どのように使うのか」を明確に記述することが求められます。

業務フロー図や画面遷移図、機能ごとの入力出力例などを添えることで、発注者と開発会社の認識を一致させやすくなります。

モックアップは確認のためのプロトタイプ

口頭や文書で説明されても、実際に画面を見なければ判断できないことは多々あります。
そのため、画面モックアップの活用は非常に効果的です。デザイン完成前の簡易なワイヤーフレームでも、「どこに何があり、どう動くのか」を共有することで、早期にズレを修正できます。
とくに非エンジニアの担当者にとっては、具体的な視覚情報が意思決定の助けになります。

レビューは開発後ではなく開発中にこそ意味がある

期待値のズレは、完成間近で気づいても手遅れになる場合があります。
そのため、システム開発会社との間で「途中レビュー」の機会を定期的に設けることが重要です。フェーズごとの進捗を小まめに確認し、認識にズレがあればその場で調整する。
この継続的な確認プロセスこそが、完成後の満足度を高める最大のポイントです。

ドキュメントは伝えるだけでなく残すためのもの

ヒアリングやレビューの内容を口頭だけで進めると、後から「言った・言わない」の問題が起きやすくなります。
会議の議事録、レビュー時の注記、仕様変更履歴などを丁寧にドキュメント化して残しておくことが、将来的なトラブル回避につながります。
ドキュメントの粒度は必要十分にとどめ、誰が見てもわかる構成を意識することが大切です。

まとめ

期待値のズレは、発注側とシステム開発会社との間における“認識の非対称”から生まれます。これを防ぐには、ヒアリングの質を高め、ドキュメントやモックアップ、レビューを通じて認識の可視化と共有を図ることが不可欠です。

開発をスムーズに進めるためにも、「伝えたつもり」ではなく「伝わったかどうか」を意識したコミュニケーションの仕組みを、プロジェクト初期から整えていきましょう。

こうした期待値のズレを未然に防ぐには、対話とドキュメントを通じた「共通理解の構築」が欠かせません。フレシット株式会社では、業務の背景や目的を深く理解する丁寧なヒアリングと、具体的なモックアップや設計資料による可視化を重視し、システム開発における“すれ違い”を最小限に抑える体制を整えています。

フルスクラッチだからこそ実現できる柔軟な対応と高精度なすり合わせで、貴社の課題解決を確かな形にしていきます。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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