アキッパが始めたチケット販売とSNS連携に学ぶ、顧客体験を軸としたDXの進め方
顧客起点で描くDX戦略──サービスを“体験”として再構築する視点
2025-05-19

駐車場シェアサービスを展開するアキッパが、音楽フェスのチケット販売とSNS機能を組み合わせた新サービスをスタートさせました。単なるチケット販売にとどまらず、ファン同士の交流や駐車場予約までを一体化した取り組みは、「顧客体験(CX)」を起点としたDXの好例といえます。
本コラムでは、このような“体験設計”の重要性と、それを支えるフルスクラッチ開発の役割について解説します。
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目次
【記事要約】アキッパ、DXでチケット販売に参入 SNS連携や駐車場予約で利便性向上
駐車場シェアリング事業を展開するアキッパが、DX戦略の一環としてオンラインチケット販売事業に参入。2025年5月18日の音楽フェスを皮切りに展開し、将来的には駐車場とのセット予約やSNS機能でサービスを差別化。ファンはライブ感想の共有やアーティスト登録も可能で、イベント体験の一体化を図る。
出典:日本経済新聞「アキッパがチケット販売 フェスなど 駐車場セット予約も」2025年5月1日付朝刊
ポイントをひとことで
顧客体験を中心に据えたDXは、単なる機能追加ではなく、顧客の行動や心理を深く理解した上で、サービス全体を一体として設計する発想が求められます。このコラムは、アキッパの事例を通じて、チケット販売・駐車場予約・SNS機能を連携させることで、顧客にとって自然でストレスのない体験がいかに価値を生むかを示しています。フルスクラッチ開発だからこそ実現できる、業務とUXの一体設計の重要性が改めて浮き彫りになります。
顧客体験がDXの出発点になる理由
デジタル化=DXと捉えられることは多いですが、真のDXは業務効率化だけではなく、顧客にとっての体験価値をいかに向上させるかが鍵となります。アキッパのように、「チケットを買う」「現地に向かう」「イベントを楽しむ」「思い出を共有する」といった一連の流れを一体化させることで、ユーザーはより深い満足感を得ることができます。
これらの体験がスムーズに連続し、煩わしさを感じさせないことが、サービスへの再利用意欲やファン化へとつながります。顧客体験を起点に設計されたDXは、結果として集客力やLTV(顧客生涯価値)の向上にも寄与します。
なぜフルスクラッチ開発が必要なのか
このような複合的な体験設計を実現するには、既存のテンプレートやパッケージでは限界があります。たとえば、「チケット予約と駐車場の紐付け」「参加履歴に応じたSNS投稿の最適化」など、サービス特有の仕様や導線設計を柔軟に形にするには、フルスクラッチ開発が有効です。
既成の仕組みに合わせてサービスを変えるのではなく、自社のサービス戦略にフィットした設計をゼロから構築することで、ユーザーの期待を超える体験を提供できます。DXの真価は、こうした柔軟性と独自性にこそ宿ります。
一体設計がもたらすビジネス効果
アキッパが導入したSNS機能のように、ユーザー同士が自由に発信・交流できる場を持つことは、ブランド体験の共有を促進します。これは広告以上に信頼性の高い口コミ効果を生み出し、サービス全体の価値を押し上げます。
また、ユーザーが“使いやすい”“心地よい”と感じる体験は、リピーターを増やし、イベントへの参加頻度や関連商品の購入へとつながります。単なる導入施策としてのDXではなく、「体験の全体最適」を意識することが、競合との差別化にも直結します。
まとめ
チケット販売、駐車場予約、SNSによる交流――アキッパの取り組みは、顧客体験の一体設計がいかに重要かを示しています。デジタル化の手段は多様化していますが、目的は「ユーザーの感動を創り出すこと」にあります。だからこそ、自社ならではの体験価値を実現するDXには、戦略的な設計と柔軟なフルスクラッチ開発の検討が不可欠です。
こうした体験価値の最大化を目指す取り組みを成功に導くには、サービスごとの構想や目的に応じた柔軟なシステム設計が不可欠です。フレシット株式会社では、要件定義から開発、運用まで一貫して伴走し、既存の枠にとらわれない“ゼロからのものづくり”で、貴社ならではの価値提供を形にします。オーダーメイドのシステム開発を通じて、顧客体験を中心に据えたDXを実現したいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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著者プロフィール
フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。