アキッパが始めたチケット販売に見る、今なぜ“自社サービスにSNS機能”を組み込むべきか?
サービス内コミュニティが生む、新たなロイヤルティ構築モデル
2025-06-01

空き駐車場シェアリングのアキッパが、音楽イベントのチケット販売とSNS機能を一体化した新サービスを開始しました。XやInstagramなどの外部SNSに頼らず、自社サービス内にコミュニティ機能を持たせることで、ユーザーとの継続的な関係構築を図っています。
本コラムでは、SNS機能を自社サービスに組み込む意義や導入の成功パターンについて、フルスクラッチ開発の視点から考察します。
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目次
【記事要約】アキッパ、DXでチケット販売に参入 SNS連携や駐車場予約で利便性向上
駐車場シェアリング事業を展開するアキッパが、DX戦略の一環としてオンラインチケット販売事業に参入。2025年5月18日の音楽フェスを皮切りに展開し、将来的には駐車場とのセット予約やSNS機能でサービスを差別化。ファンはライブ感想の共有やアーティスト登録も可能で、イベント体験の一体化を図る。
出典:日本経済新聞「アキッパがチケット販売 フェスなど 駐車場セット予約も」2025年5月1日付朝刊
ポイントをひとことで
顧客ロイヤルティを高める上で、SNS機能の内製化は極めて有効な手段です。外部プラットフォームでは得られない独自のデータを活用し、サービス体験全体を設計できる点に大きな価値があります。本コラムでは、単なる“機能追加”ではなく、ユーザーの行動導線や関係構築を意識したコミュニティ設計の重要性が示されています。こうした柔軟な設計を実現するには、やはりフルスクラッチ開発による対応が最も現実的で効果的といえるでしょう。
顧客との“つながり”が重視される理由
サービスの差別化が難しくなる中、ユーザーのロイヤルティや継続的な利用をどう確保するかが、多くの事業会社にとって課題となっています。機能や価格ではなく、“共感”や“体験の共有”が選ばれる理由になる時代において、SNS機能は顧客との接点を深める重要な手段です。
外部SNSに依存した情報発信はリーチ獲得に優れている一方で、アルゴリズムや仕様変更に左右されやすく、フォロワーとの関係性を自社でコントロールしにくい側面もあります。これに対して、自社サービス内にSNS機能を内製すれば、ユーザーの行動ログや興味関心を軸としたコミュニケーション設計が可能となります。
内製SNSによる顧客体験の深化
アキッパのように、チケット販売に加え、参加したイベントへの感想投稿やアーティストのフォロー機能を備えたSNSを導入することで、単発の購買行動を“継続的な参加”に変える仕組みが生まれます。
こうした内製SNSの強みは、ユーザーのアクションとコンテンツがシームレスにつながっている点にあります。たとえば、チケット購入後に自動でSNSへの参加を促したり、特定のイベントに参加したユーザー同士をつなげたりする設計も、フルスクラッチ開発であれば柔軟に対応できます。
さらに、蓄積されたユーザーデータをもとにレコメンド機能や限定コンテンツ配信などの施策も展開可能となり、よりパーソナライズされた体験価値を提供できます。
成功のポイントは“自社に最適な設計”にあり
SNS機能の導入で重要なのは、単に投稿機能を付けることではなく、「誰が」「いつ」「なぜ使うのか」という目的設計です。業種や事業モデルによって最適な導線やインターフェースは大きく異なります。
フルスクラッチ開発であれば、既存のテンプレートに制約されることなく、自社のサービス戦略やユーザー像に合わせたSNS設計が可能です。たとえば、専門性の高いBtoBサービスであれば、ユーザー同士の知見共有を促すスレッド機能を強化するなど、業界特化型の機能拡張も視野に入ります。
まとめ
自社サービスにSNS機能を組み込むことは、ユーザーとの接点を深め、継続的なエンゲージメントを生み出すうえで有効な施策です。XやInstagramだけに頼らない“内製コミュニティ”を育てることで、サービスそのものの価値を高める道が開かれます。顧客ロイヤルティを戦略的に高めたいと考える企業にとって、SNSの内製化は今後さらに重要なテーマとなっていくでしょう。
このように、SNS機能の導入にはサービス特性やユーザー行動に応じた緻密な設計が求められます。フレシット株式会社では、クライアントごとのビジネスモデルや目的に合わせたフルスクラッチ開発を通じて、単なる機能追加にとどまらない“つながりを育てる仕組み”を一から構築することが可能です。内製SNSの立ち上げを検討されている企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
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著者プロフィール
フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。