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システム開発の巻き取りについて | プロが徹底解説します

2025-05-23

システム開発の巻き取りについて | プロが徹底解説します

「他社に依頼した開発がスムーズに進んでおらず納期に間に合いそうにない」「デスマーチの発生によりメンバーが疲弊しモチベーションが低下している」などのさまざまな理由により、途中まで進んでいるシステム開発を巻き取らなければならないケースは少なくありません。その際は、適切な体制を新たに構築した上、正しいステップで巻き取りを進めないと、状況がより悪化することもあるため注意が必要です。

本コラムでは、そもそもシステム開発の巻き取りとは何か?といった疑問に答えながら、システム開発の巻き取りを成功させるポイントや注意点、巻き取りを依頼するシステム開発会社の選定方法などについて詳しく解説します。システム開発の巻き取りが成功した事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

なぜシステム開発で巻き取りが発生するのか?

システム開発の巻き取りが必要となる代表的な状況は、依頼したシステム開発会社が続行を断念するというケースです。システム開発会社の技術力が不足しており、進捗が一向に進まない場合や、主力メンバーの退職などによって開発チームの維持が困難になった場合などに発生します。

また、自社内で開発を行っていた場合にも、メンバーの退職や異動などにより安定した開発体制の持続が困難となり、外部のシステム開発会社に巻き取りを依頼するケースなどが考えられるでしょう。

いずれにせよ、現状の開発体制でシステム開発を進めていても完成が見えない、あるいは大幅な納期遅延の発生が目に見えている、といった状況に陥った際に、システム開発の巻き取りが発生するといえます。

システム開発の巻き取りを成功させるポイントや注意点

システム開発の巻き取りを成功させるには、次のようなポイントや注意点に留意する必要があります。

  • システムの内容や要件をしっかりと共有する
  • 現状の課題やトラブルを洗い出す
  • 開発にあたっての知見やノウハウを引き継ぐ
  • 巻き取りの内容をドキュメントにまとめておく

以下、それぞれについて順に解説します。

システムの内容や要件をしっかりと共有する

これまでに作成した要件定義書や各種設計書、業務フロー図、システム構成図など、システムの内容や要件に関するものはすべて旧担当者と新担当者の間でしっかりと共有し、抜け漏れのないようにしましょう。

もちろん、ドキュメントの受け渡しが行われたらそれで終わりではなく、関係者間で綿密な打ち合わせを何度も重ねることで、システムの内容や要件について新担当者が確実に理解することが重要です。

また、通り一遍に共有するだけではなく、特に大事なポイントや注意すべき事柄については繰り返し擦り合わせを行った上で、詳細まで把握しておく必要があります。

現状の課題やトラブルを洗い出す

現状の課題やトラブルを洗い出し、新担当者がしっかりと把握しておくことも重要です。巻き取りが発生する以上、決して小さくない課題やトラブルが発生していると考えられます。それらを洗い出すことで、今後のシステム開発の方向性や、円滑に進めるためのポイントを明らかにすることが可能です。

なお、数多くの課題やトラブルが存在する場合には、関係者間で議論しながら優先順位を付与した上、上位のものを中心に解決を目指していくと良いでしょう。

開発にあたっての知見やノウハウを引き継ぐ

システム開発の巻き取りにあたっては、上述したようなシステムの内容や要件といった基本情報だけではなく、開発にあたっての細かな知見やノウハウを確実に引き継ぐことも大切なポイントの1つです。

巻き取りが必要となる状況に陥ってしまったとはいえ、旧担当者がこれまで開発を進めてきた中で、少なからず知見やノウハウが蓄積されていると思われます。それらを引き継ぐことで、ゼロから習得するよりも効率的にシステム開発を進められるでしょう。

巻き取りの内容をドキュメントにまとめておく

システム開発の巻き取りにあたって新担当者に共有された内容については、確実にドキュメントとしてまとめておくことも重要です。特に、巻き取り後、開発に着手した初期の段階では体制が安定せず、メンバーの入れ替えなどが発生するケースも考えられます。

そのような状況においても、巻き取りの内容がドキュメントとしてしっかりとまとまっていることによって、必要な情報を効率的に把握することが可能となり、円滑に開発を進められるでしょう。

システム開発の巻き取りステップ

システム開発の巻き取りは、次のようなステップに沿って進めるのが基本です。

  • 新たなシステム開発会社を探す
  • システムの内容や要件を共有する
  • 課題やトラブルについて方向性を検討する
  • 明確なスケジュールを立てる

以下、順に解説します。

新たなシステム開発会社を探す

まずは、巻き取りを依頼するための新たなシステム開発会社を探さなければなりません。システムの品質が確保できなかったり、再び巻き取りが必要となるような状況に陥ったりしないよう、専門的な知見や高い技術力をしっかりと持ち合わせたシステム開発会社を探すことが重要です。

WEBサイトの情報など、一般に公開されている内容を参考にするだけではなく、必要に応じて直接問い合わせの上、綿密なヒアリングを行いながら慎重に吟味することをおすすめします。

なお、システム開発の巻き取りを依頼するシステム開発会社の選定方法については、後述の章で詳しく解説します。

システムの内容や要件を共有する

巻き取りを依頼するシステム開発会社が決定したら、旧担当者との綿密なコミュニケーションを図りながら、対象システムの内容や要件を共有します。

前述の「システム開発の巻き取りを成功させるポイントや注意点」の章で触れた通り、要件定義書やシステム構成図といった各種ドキュメントはもちろん、重要なポイントや注意すべき事柄など、詳細までを確実に共有することが大切です。同時に、これまでの開発作業で得られた知見やノウハウについても、旧担当者から引き継いでおくと良いでしょう。

課題やトラブルについて方向性を検討する

前述した通り、システム開発の巻き取りを成功させるには、現状の課題やトラブルを洗い出し、それらを把握しておくことも重要です。

その上で、実際の開発に着手する前に、現状の課題やトラブルの解決に向けた方向性を検討しておきます。こうすることで、今後、同様の課題やトラブルが発生した際にも、的確に対応しながら開発作業への影響を最小限に食い止められるでしょう。

明確なスケジュールを立てる

前ステップまでの流れの中で、システムの内容や要件、課題やトラブルに対する方向性などが確認できたら、それらを基にシステム完成・納品までの明確なスケジュールを作成します。

巻き取りが行われる状況になっている時点で、すでに納期遅延が発生する恐れが大きいと思われるため、必要に応じて納期の延長も視野に入れる必要があるでしょう。場合によっては、業務フローの整理や要件定義からやり直さなければいけない状況も考えられます。

なお、巻き取ったあとしばらくは、疑問や不明点を迅速に解決するために旧担当者と連絡が取れるような状態を確保しておき、スケジュールが遅延しないよう配慮することも大切です。

システム開発の巻き取りが成功した事例

システム開発の巻き取りが成功した事例として、他社が開発を断念した業務システムを引き継いだケースを紹介します。

A社では、外部のシステム開発会社に依頼した業務システムの開発がスムーズに進んでいないことに頭を悩ませていたところ、開発続行を断念する申し出があったため、新たなシステム開発会社に巻き取りを依頼することになりました。

実際の巻き取りフェーズでは、旧システム開発会社と新システム開発会社とで綿密なコミュニケーションを図りながら、「連絡のレスポンスが悪かった」「そもそもの開発計画に問題があった」といった課題を浮き彫りにした上、それらの解消と新たな開発方向性の見極めが行われました。

その後、プロジェクトマネジメントやテクニカルディレクションを含め、開発工程全体の指揮を新しいシステム開発会社が主体的に担うことで、最終的には無事に完成することができました。

システム開発の巻き取りを依頼するシステム開発会社の選定方法

他社が開発を断念するケースでは、当該システムの構築において、相応の技術力や専門性が必要な状況であると推測できます。そのため、システム開発の巻き取りを依頼する際は、十分な専門知識や高度な技術力を持ったシステム開発会社を選定することが大切です。

また、上述した成功事例からも分かる通り、システム開発の巻き取りにおいては綿密なコミュニケーションが極めて重要である上、システム開発会社が専門性を発揮しながら、主体的に進めることがポイントとなります。これらを理解し、実現してくれるシステム開発会社を選ぶこともカギといえるでしょう。

なお、「他社が開発を断念したプロジェクトもお任せください!」などのキャッチコピーを謳い、実際にシステム開発の巻き取りを得意としているシステム開発会社も存在します。そのようなシステム開発会社を探してみることもおすすめです。

まとめ

以上、システム開発の巻き取りとは何か?といった基本知識や、システム開発の巻き取りを成功させるポイント・注意点、基本的なステップ、巻き取りを依頼するシステム開発会社の選定方法などについて解説しました。

要件定義から設計、開発、テストまで、綿密な計画の下で行われるシステム開発は、十分な専門性と技術力を持った体制により終始一貫して進められるのが理想です。

つまり、そもそも巻き取りが発生することは、システムの品質やパフォーマンスに鑑みても芳しくない状況といえます。まずはそのことを念頭に置き、いわゆる「マイナススタート」となる現実を理解することが重要です。

その上で、本コラムで紹介した巻き取り成功のためのポイントや注意点を参考にしながら、基本的なステップに沿って慎重に進めることをおすすめします。

巻き取りプロジェクトを成功させるためには、単なる「作業の引き継ぎ」ではなく、状況の理解と整理、そして再構築の視点が不可欠です。

フレシット株式会社では、これまで数多くのシステム開発巻き取り案件を支援してきた実績があり、技術面だけでなく、対話・設計・運用保守フェーズを含めた全体最適の観点で対応します。「この状態からでも巻き直せるのか」とお悩みの際は、ぜひ一度ご相談ください。事業継続とシステム品質の両立を支えるパートナーとして、最適なご提案をいたします。

監修者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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