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COLUMN コラム詳細

【川重の造船現場で見えたDXの適用余地】“繰り返し業務”こそDXの好機──汎用化できるプロセスの見極めとシステム設計のヒント

【川重の造船現場で見えたDXの適用余地】“繰り返し業務”こそDXの好機──汎用化できるプロセスの見極めとシステム設計のヒント

2025-06-04

DXというと複雑で高度な業務に導入すべきというイメージを抱きがちですが、実は“繰り返し業務”こそ、最も効果が出やすい対象です。川崎重工業の造船所では、同型船の連続建造を通じて工程の汎用化が進み、システムによる効率化が実現しやすい環境が整いました。

本コラムでは、反復作業の中に潜むDXの可能性と、その見極めポイント、さらにはフルスクラッチによる最適なシステム設計の考え方をご紹介します。

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【記事要約】川崎重工、造船所のDX推進で水素時代に備える

川崎重工は、造船所のデジタル化を通じて船舶建造の効率化を図っている。部品表や工程表の統合管理、3D計測やシミュレーションの導入により、熟練作業の形式知化と作業の可視化を実現。LPG/アンモニア運搬船の大量受注による収益を基に設備投資を進め、次世代の水素運搬船の建造体制を整備中。DXにより製造現場の生産性と品質を両立し、脱炭素社会への対応を強化している。

出典:日本経済新聞「川重、造船所をデジタル化 エネルギー運搬船を大量受注 建造効率高め『水素』へ」2025年5月20日付朝刊

【記事要約】日本造船業、DXと次世代船舶で巻き返しへ

世界の新造船需要は2030年代にかけて約6割増加が見込まれる中、日本の造船業は中国・韓国勢にシェアで後れを取っている。両国は早期からデジタル技術を導入し、コストと効率を両立。一方、日本は液化水素運搬船など高難度な次世代船舶で主導権を狙う。政府も「Kプログラム」を通じDXを支援し、AIやデータ連携による工期短縮を目指す。造船所のDX化と法令順守の徹底が今後の成否を左右する。

出典:日本経済新聞「中韓勢に後れ 日本、巻き返し狙う」2025年5月20日付朝刊

ポイントをひとことで

繰り返し業務は一見単調に見えますが、DXの観点からは最も“伸びしろ”のある領域です。作業が反復されるということは、標準化・自動化の前提が揃っているということ。だからこそ、その構造を正しく整理・可視化し、ムリ・ムダ・ムラを排除したプロセス設計を行うことで、生産性と品質を同時に引き上げることが可能になります。特にフルスクラッチ開発は、現場特有の繰り返し構造に対して柔軟に設計できる点で、大きな効果を発揮します。

繰り返し業務はDXとの相性が良い

同じ工程を日々繰り返す業務は、一見すると変化が少なく、自動化やシステム化の優先度が低く見えるかもしれません。しかし、反復性が高いということは、それだけルール化・標準化がしやすく、システムに落とし込みやすいということでもあります。

川崎重工業の坂出工場では、同じタイプの船舶を連続で建造することで、設計から調達、製造に至る一連の流れを汎用化することが可能となりました。この“繰り返し構造”があったからこそ、業務の最適化とデジタル化が同時に進めやすくなったのです。

業務整理がDX成功の第一歩

こうした汎用化の恩恵を受けるには、まず現状の業務を丁寧に棚卸しする必要があります。日々繰り返している作業を洗い出し、どこにムダや属人性が潜んでいるかを見極めることが重要です。特に、ルールが曖昧な作業や、担当者の裁量に依存しているフローは、DXにおける改善の余地が大きいポイントです。

業務整理の段階で意識すべきなのは、「将来的に再現性のある業務プロセス」にすること。属人化されたノウハウを形式知化し、誰が担当しても同じ品質で成果が出せるような設計が、安定運用につながります。

フルスクラッチの柔軟性を活かす

業務の繰り返し構造が明確になったら、次に必要なのはそれに最適化されたシステムの構築です。このとき、汎用的なパッケージソフトでは現場の実態とミスマッチが起きやすく、逆に効率を下げてしまう恐れもあります。

フルスクラッチであれば、業務の特性や工程の流れを反映した設計が可能で、余計な機能がなく、使いやすく、拡張性にも優れたシステムを構築できます。繰り返し業務だからこそ、最初の設計段階で“いかにシンプルに整えるか”が、長期的な運用コストの削減にもつながります。

まとめ

繰り返し業務の中には、DXの起点となるヒントが数多く隠れています。業務を標準化・形式知化し、それを支える柔軟なシステムを設計することで、継続的な業務改善と効率化が可能になります。日々の当たり前の作業にこそ、デジタル化の突破口があるのです。DXの成果は、地道な業務整理と、それを支える仕組みの選び方にかかっています。

こうした繰り返し業務に最適化された仕組みを構築するには、現場の実情に即した柔軟な設計が欠かせません。フレシット株式会社では、業務の特性を丁寧に整理した上で、一つひとつのプロセスに最適な形でフィットするフルスクラッチ(オーダーメイド)開発を行っています。定型的な業務にこそ真の効率化を実現したいとお考えのご担当者さまは、ぜひ一度ご相談ください。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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