DXを推進するためのシステム開発についてプロが解説
2025-06-14

近年、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化が加速する中で、業務効率化や新たな価値創出を目的としたシステム開発のニーズが高まっています。
しかし、「DXを推進するために自社に合ったシステムを開発したい」と考えても、どのようなシステム開発会社に依頼すればよいのか、何から始めればいいのか悩む企業も少なくありません。
そこで本コラムでは、DXを成功に導くためのシステム開発について、プロの視点からわかりやすく解説していきます。
「そもそもDXとは何か?」といった基本的な事項から、実際の成功事例、DXを成功させるための具体的なステップまで幅広くご紹介します。DX推進をお考えの企業の担当者の方は、ぜひ参考になさってください。
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目次
DX化とは?
DXとは「デジタルトランスフォーメーション」の略語です。
またデジタル技術を活用し、ビジネスや組織の仕組みを変革することで、競合他社に対する競争力を高めることをDX化といいます。
DX化とデジタル化は似た言葉に思えますが、少し意味合いが異なります。
デジタル化とは、これまでアナログで行っていた作業をITツールに置き換えることで効率化を図る取り組みのことを指します。例えば、訪問営業をオンライン商談ツールに切り替えるといった対応です。
一方、DX化は効率化にとどまらず、デジタル技術を活用して組織全体を変革していく取り組みのことを指します。例えば、訪問営業をオンライン商談ツールに切り替えた結果、移動が不要になり1日対応できる商談件数が増えるのであれば、これはDX化といえるのです。
DXの対象となるシステム
DXは、企業によって向き不向きがあります。
例えば、以下のような業務や仕組みは、ITでの改善や変化が目に見えてわかりやすく、DXのシステムの対象に向いています。
- 電話やFAXでの注文受付
- 紙書類でのやりとり
- 社員証を使った勤怠管理
これらはどの業務もITを使って改善出来る可能性が高く、DX化するには最適といえるでしょう。
主に、紙を使った業務や古いシステムなどに注目すると改善点が見えてくることが多いため、自社でIT化出来る部分はあるのか、まずは検討してみることが大切です。
もし「どこから手をつければいいか分からない」「まずは話を聞いてほしい」といったお悩みがありましたら、お気軽に下記よりお問い合わせください。
DXシステム開発の成功事例と失敗事例
冒頭にお伝えしたように、DXを推進するためにシステム開発を行う企業は少なくありません。
しかし、DX化を進めた企業の中には、成功した企業もあれば、失敗した企業もあるのです。
ここからは、実際のDXシステム開発の成功事例や失敗事例を解説していきます。
成功事例:日本郵便
日本郵便は配送業務の負担軽減を目指し、配達ルートの作成をAIがおこなうようにしました。
また、ドローンでの配達活動の実験がおこなわれており、配送業務の時間短縮や労働負荷の軽減に成功し、サービスや品質の向上に繋がっています。
失敗事例:大手小売業
某大手小売企業は、ECサイトを全面的にリニューアルし、デザインや機能を刷新しましたが、新しいサイトデザインや機能が、ユーザーにとっては使いづらい形となってしまったのです。
結果的に、売上が減少しています。
DXを進める上で企業が抱える課題とは?
DX化の実現に向けて多くの企業が取り組んでいますが、さまざまな課題を抱えているのも事実です。
主な課題は以下の通りです。
- 経営層からの理解が得られない
- 業務フローが大きく変化するので、現場の動きが遅くなってしまう
- ITに関する知識のある社員が不足している
- 目的が不明確
DX化は単に一部がIT化するわけではなく、企業全体が変化していきます。
そのため、経営層からの理解が得られなかったり、現場がDX化についていけなくなってしまうケースも多いのです。
DXを成功させるためのシステム開発7ステップ
ここからは、DXの導入方法のステップを解説していきます。
具体的な導入の流れや、それぞれのポイントについても記載しています。
①現状の課題を洗い出す
まずは業務の中で手間のかかっていることや非効率なことをリストアップします。
リストアップの際には、現場の声を多く取り入れると良いでしょう。
実際に活用していくのは現場ですので、より具体的な課題が見つかります。
②DX化する目的やゴールを明確にする
「何を、どういう理由で、どう変えたいのか」を明確にします。
なぜなら目的を明確にしないと、DX化自体がゴールになってしまうからです。
目的やゴールがはっきりしていれば、本来の目的を忘れることなくプロジェクトを開始することができます。
③具体的な改善方法を選定し、計画を立てる
DX化する課題を決定し、開発の計画を立てます。
システム開発の手法によって計画の立て方が異なるため、自社にあった手法に合わせて計画を立てていきましょう。
また、DX化は組織全体の改革となるため、上司や経営陣にはこの時点で報告し、理解を得ておくのも大切です。
予算や日程についても、このタイミングで相談しておくと良いでしょう。
④システム開発をおこなう
計画を元に、システム開発をおこないます。
課題や自社にあった手法で、計画的に進めていきましょう。
定期的に進捗状況も報告すると、より受け入れてもらいやすくなります。
⑤業務に導入し、試験運用をおこなう
初めから全体に導入するのではなく、まずは一部のみに導入し試験運用をおこないます。
この試験運転が今後の改善につながるため、非常に重要な役割です。
実際に試験運転をおこなう部署や人員も、検討していきます。
⑥ヒアリングし、改善する
実際に活用し、良かった点と悪かった点を洗い出し、改善していきます。
現場の声をよく聞いて、改善の参考にしましょう。
システム開発は1回で終了ではなく、④~⑥を繰り返しおこなう場合が多いです。
⑦本格導入を開始する
いよいよ、システムを導入します。
対象となる従業員には、説明会を開くなど丁寧に対応しましょう。
いくら性能の良い新システムがあっても、使いこなせなければ意味がありません。
また、導入後のサポートも必要不可欠です。
DX化の計画から本格導入まで、1回で全て終わることはほぼありません。
本格導入後もヒアリング作業は定期的におこない、より自社に合う形に継続して進化させていくことが大切です。
DXシステム開発におけるセキュリティとルール
DXシステム開発をする際、同時に考えなければいけないのが、セキュリティとルールです。
セキュリティとルールについて、それぞれ解説していきます。
セキュリティとは?
DXシステム開発におけるセキュリティとは「情報を守るための仕組み」を指します。
DX化が進むほど、データ量や管理する種類が増えていき、業務の効率化や利便性が向上する反面、情報漏えいやウイルス感染などのリスクが高まります。
そのためDX推進を進める際には、システム開発と並行してセキュリティ対策が必要不可欠です。
ルールとは?
DXシステム開発におけるルールとは「システムやツールを正しく運用するための取り決めを設け、適切に管理すること」を指します。
特に、ツールを利用する人数が多くなるほど、運用ルールを明確に定めておくことが重要です。ルールが曖昧なままだと、誤操作やトラブルの原因にもなりかねません。
最適なDXシステム開発会社を選ぶための5つのポイント
DXシステムは自社で開発することも可能ですが、ほとんどの場合で専門業者に頼む形となるでしょう。
ここからは、最適なDXシステム開発会社を見つける5つのポイントをご紹介します。
システム開発会社を見つける際の参考になさってください。
- 自社の業種や開発したいシステムに詳しい
システム開発会社を探す際には、どの業種に詳しい会社かチェックしましょう。
専門知識がある会社に依頼することで、より現場の課題に合ったシステムを開発してもらえる可能性が高まります。 - 口コミや評判が良い
システム開発会社を検討する際には、口コミや評判が良い会社を選びましょう。
評判が悪い会社を避けるのはもちろんですが、口コミや評判が全くない会社も注意が必要です。 - 開発だけでなく、目的や課題の決定から携わってくれる
システム開発の部分だけでなく、目的や課題決定のときから一緒に考えてくれる会社を選びましょう。
丁寧にヒアリングし、こちらの要望をしっかりと理解してくれる会社が理想です。 - 開発方法や進め方をしっかりと説明してくれる
会社を選ぶ上で、開発の手法や進め方など、わかりやすく丁寧に説明してくれるかどうかはとても大切です。
専門用語ばかりではなく、わかりやすい言葉で説明してくれる会社がおすすめです。 - 開発後も運用サポートをしてくれる
開発が完了したら終わりではなく、開発後の運用もサポートしてくれるかどうか確認しましょう。
特にシステム導入直後はトラブルがつきものです。
使用方法の相談やトラブル対応もしてくれる会社選びが大切です。
まとめ
現代社会においてDX化は必要不可欠な取り組みとなっています。
自社の課題や目的に合ったシステムを開発し、最適な形で運用していくことが重要です。焦らず丁寧に進めることで、納得のいくDX化を実現できることでしょう。
DX推進において重要なのは、単なるシステム導入ではなく、自社に最適化された“使い続けられる仕組み”を構築することです。
フレシット株式会社では、業務の本質や組織課題を丁寧にヒアリングし、経営視点に立ったフルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発を行っています。
開発初期の構想段階から運用フェーズまで一貫して伴走いたしますので、DXに本気で取り組みたい企業さまは、ぜひ一度ご相談ください。
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監修者プロフィール
フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。