to TOP
無料で相談する 資料を請求する

COLUMN コラム詳細

【川重が進める“部品表と工程表の見える化”】「どこで、何が、どう使われるか」──複雑業務を見える化するためのシステム設計戦略

その確認作業、システムが代わりにやります

2025-06-16

複数の部門をまたいで進行する業務では、「情報がつながっていない」ことがボトルネックとなり、確認作業や伝達ミス、調達遅延などが生じやすくなります。川崎重工業の造船所における「部品表と工程表の連携」からは、こうした課題の本質と、それを解消するための情報設計のあり方が見えてきます。

本コラムでは、複雑な業務をスムーズに運用するための“見える化”の考え方と、フルスクラッチ開発によるシステム設計のポイントをご紹介します。

>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら

【記事要約】川崎重工、造船所のDX推進で水素時代に備える

川崎重工は、造船所のデジタル化を通じて船舶建造の効率化を図っている。部品表や工程表の統合管理、3D計測やシミュレーションの導入により、熟練作業の形式知化と作業の可視化を実現。LPG/アンモニア運搬船の大量受注による収益を基に設備投資を進め、次世代の水素運搬船の建造体制を整備中。DXにより製造現場の生産性と品質を両立し、脱炭素社会への対応を強化している。

出典:日本経済新聞「川重、造船所をデジタル化 エネルギー運搬船を大量受注 建造効率高め『水素』へ」2025年5月20日付朝刊

【記事要約】日本造船業、DXと次世代船舶で巻き返しへ

世界の新造船需要は2030年代にかけて約6割増加が見込まれる中、日本の造船業は中国・韓国勢にシェアで後れを取っている。両国は早期からデジタル技術を導入し、コストと効率を両立。一方、日本は液化水素運搬船など高難度な次世代船舶で主導権を狙う。政府も「Kプログラム」を通じDXを支援し、AIやデータ連携による工期短縮を目指す。造船所のDX化と法令順守の徹底が今後の成否を左右する。

出典:日本経済新聞「中韓勢に後れ 日本、巻き返し狙う」2025年5月20日付朝刊

ポイントをひとことで

システム開発において、業務フローに即した「見える化」の設計は、単なる可視化機能にとどまらず、部門間連携や判断の迅速化、属人化排除といった本質的な業務改革に直結します。部品表や工程表の連携によって「どこで・何が・どう使われるか」が明確になれば、情報の流れが一本化され、調達・製造・管理といった複数部門の動きが同期されます。業務を横断的に捉え、仕組みで支えるためには、既存システムへの妥協ではなく、業務にフィットする設計思想が求められます。

業務の分断が生む見えない非効率

製造業をはじめ、複数部門が関与する業務では、ひとつの部品や工程に関する情報が各部門で断片的に管理されていることが少なくありません。設計部門が作成した図面をもとに、製造部門が現場で部品を探し、調達部門が必要数を計算するというように、情報の流れが連携されていない状態では、無駄な確認作業や手戻りが発生します。

川崎重工に見る情報のひも付けの威力

川崎重工業の坂出工場では、船舶製造において「部品表(BOM)」と「工程表」を連携させ、部品がいつ・どこで・どの工程で使われるかを可視化しました。これにより、現場では都度図面から読み解く必要がなくなり、確認作業の時間短縮と管理精度の向上が実現したといいます。

システム設計は業務の流れから始める

このような仕組みを自社に取り入れるには、まず「業務の流れに即したシステム設計」が欠かせません。特定の業務プロセスにフィットしないパッケージソフトを無理に導入するのではなく、実際の業務フローを丁寧に棚卸しし、それに応じたデータ設計・画面設計を行う必要があります。

部門間連携を支える情報構造とは

特に、部門をまたぐ情報の流れでは、「いつ・誰が・何のために・どの情報を使うのか」という観点から業務を分解し、部品や工程ごとのタイミングを正確に記録・共有できる構造を構築することが重要です。フルスクラッチ開発であれば、こうした業務特有の要件に合わせた柔軟な設計が可能です。

まとめ

情報の断絶が複雑業務の足かせになる今、業務フローに即したシステム設計はDX推進の基盤ともいえる存在です。部品や工程といった細かな情報を一元的に管理し、「どこで・何が・どう使われるのか」を可視化することで、現場の判断力と生産性は大きく向上します。見える化は単なる便利機能ではなく、業務全体の品質を底上げするための戦略的アプローチなのです。

こうした複雑な業務構造に対応するには、既製のシステムでは対応しきれない場面も多く存在します。フレシット株式会社では、お客様の業務フローを一から丁寧に可視化し、それぞれの現場や組織に最適化されたフルスクラッチ(オーダーメイド)開発を行っています。業務の全体像と細部をつなぎ、情報の流れを妨げない仕組みを構築したいとお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら

著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

CONTACT お問い合わせ

フルスクラッチのシステム開発会社フレシットへのお問い合わせ

REQUEST 資料請求

フルスクラッチのシステム開発会社フレシットへの資料請求