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COLUMN コラム詳細

整理・整頓が品質と効率を高める──業務改善から始めるシステム開発の思考法

整った業務プロセスが、開発成功の前提条件になる

2025-06-22

中国のEV大手・BYDは、工場運営において日本発祥の「2S(整理・整頓)」を取り入れ、品質向上と安全管理の両立を実現しています。単なる清掃や整頓の習慣にとどまらず、それは効率と再現性のある業務運営に直結する重要な要素です。

このコラムでは、BYDの事例を起点に、業務や情報の“整理・整頓”を出発点としたフルスクラッチ開発の考え方について解説します。

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【記事要約】BYDの自動化戦略、8割自動化で生産効率と投資回収を実現

中国のEV大手BYDは、常州工場において生産工程の8割弱を自動化し、特に危険性の高い溶接工程では自動化率95%を達成。高コストとされるレーザー溶接も導入し、事故リスク低減と安全性向上を両立した。初期投資は大きいが、生産効率の向上によって回収可能と判断。自動化によるコスト削減と品質維持が、世界首位EVメーカーへと躍進する原動力となっている。

出典:日本経済新聞「全工程の8割自動化 中国BYD『テスラ超え』の源泉」2025年6月8日付朝刊

ポイントをひとことで

整理・整頓は単なる物理的な片づけではなく、業務プロセスや情報の流れを最適化するための基本思想です。このコラムは、BYDの工場管理に見る「2S」の実践が、品質と効率を高める起点となっていることを示しています。システム開発においても同様で、業務の実態を可視化し、構造的に整理された設計を行うことで、無駄のない運用と拡張性のある仕組みを実現できます。整えることから始める──それが持続可能な開発の第一歩です。

業務の散らかりは、見えないコストを生む

多くの企業では、業務が場当たり的に拡張され、情報の流れや意思決定プロセスが属人化してしまっているケースが少なくありません。こうした“業務の散らかり”は、生産性の低下だけでなく、品質のバラつきや対応遅延など、さまざまな形でコストを生んでいます。

BYDが導入した「2S」は、単にモノを整えることではなく、業務プロセスや役割を可視化し、現場での判断のばらつきをなくす手法として機能しています。この考え方は、システム開発においても大いに応用できるものです。

システム開発は整理から始まる

フルスクラッチでのシステム開発を行う際、最初に必要なのは「何を、どのように整えるか」という視点です。これは仕様を固める前の段階で、既存の業務を棚卸しし、どの情報が本当に必要か、どこでムダが発生しているかを見極める作業にあたります。

情報が整理されていないまま開発に入ると、本来不要な機能まで組み込まれたり、使われない管理画面が乱立する原因になります。反対に、情報の整理・整頓を丁寧に行えば、必要最小限で最大効果を生むシステム設計が可能になります。

きれいに整った現場が運用のしやすさを生む

BYDの工場は、整理・整頓に加えて清潔・安全・しつけといった6Sの思想を取り入れ、事故リスクを減らしながら品質を高めています。これは業務システムでも同じです。どこに何の機能があるかが直感的にわかる構成、ログの蓄積場所が明確であること、役割ごとに表示項目が最適化されていること──こうした「整った状態」が、業務の流れをスムーズにし、ミスの削減や教育コストの低減にもつながります。

まとめ

BYDが実践する2Sの哲学は、単なる工場管理のノウハウではなく、「整理・整頓された環境が品質と効率を支える」という普遍的な原則に基づいています。システム開発においても同様に、情報と業務を丁寧に整えることが、長く使える仕組みの土台をつくります。見えにくい部分を丁寧に整えることこそ、真の品質向上につながる第一歩です。

こうした「整理・整頓」による業務の見える化と構造化を起点にした設計思想は、フルスクラッチ開発において非常に重要なアプローチです。フレシット株式会社では、業務の実態を丁寧に紐解き、不要な複雑さを排除しながら、本当に必要な機能だけを設計・実装していきます。業務と情報の整流化から始めることで、将来的にも運用しやすく、継続的に価値を生み出すシステム構築を支援しています。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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