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COLUMN コラム詳細

【三菱UFJのリテール戦略に学ぶ】UI改善は“現場の観察”から始まる──継続的に育てるフルスクラッチ設計

業務の変化に追従するUIは、仕様書ではなく現場の声から生まれる

2025-06-19

金融業界で進むリテールのデジタル再構築において、スマートフォンアプリのUI(ユーザーインターフェース)に求められるのは、「つながる入り口」としての役割だけではありません。ユーザーの満足度に直結するUIは、導入後も業務の変化や現場のニーズに応じて絶えず改善されることが求められます。業務システムにおいても同様に、現場を見つめ、使われ方を観察しながら育てていくUI設計の重要性が高まっています。

本コラムでは、仕様書だけに頼らないUI改善のあり方と、それを実現する開発体制について解説します。

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【記事要約】三菱UFJUI強化と膨大な顧客データ活用でリテール事業を再構築へ

三菱UFJフィナンシャル・グループは、ネット証券や後払い決済などのM&Aによるサービス拡充を経て、リテール戦略を再構築中。鍵となるのは、利便性を左右するスマホアプリのUI改善と、約6000万人分の顧客データを活用した最適提案。ID共通化やデジタルバンクの構想も進行中で、金融サービスのフルライン提供とLTV最大化を狙う。

出典:日本経済新聞「リテール再構築(上)三菱UFJ、M&A収穫期に ネット証券など自前でフルライン システム統合で反攻体制」2025年6月18日付朝刊

ポイントをひとことで

UIは単なる見た目や使いやすさだけではなく、業務の実態とどれだけ合致しているかが重要です。このコラムが示すように、現場の運用に寄り添い、導入後も改善を続けられるUI設計が業務システムの成否を左右します。仕様書に書ききれない“現場の知恵”を汲み取り、反映する仕組みがあるかどうかが、定着率や業務効率に直結するのです。フルスクラッチ開発による柔軟性と、現場と向き合う姿勢が、今後ますます求められていくといえるでしょう。

業務にフィットするUIは、最初から完成していない

業務システムの開発において、初期要件だけで全てを定義しきることは困難です。なぜなら、業務の流れや担当者のオペレーションは実運用を通じて変化し、見えてくる課題も変わっていくからです。UIは、その業務の変化に柔軟に追従できる設計であることが望まれます。にもかかわらず、従来のように開発初期の仕様書を絶対視してしまうと、実際の現場に適応しないUIが生まれやすくなります。

たとえば「必要な情報が複数画面に分かれていて非効率」「項目の並び順が現場の作業手順と合っていない」など、ちょっとした使いづらさが積み重なり、業務負荷やエラーの原因になることもあります。こうした課題は、導入後の現場観察を通じて初めて顕在化するものです。

フィードバックループがUI改善を支える

有効なUI改善の前提となるのが、現場との「フィードバックループ」です。システム開発会社が導入後も現場の運用状況を継続的に観察し、ユーザーからの意見や使い方の傾向を収集することで、UI改善の方向性を見出すことができます。

このプロセスでは、現場担当者との定期的な対話や、利用ログ・クリックヒートマップといったデータの分析も重要です。単に「使いにくい」といった感覚的な声ではなく、どの機能でつまずいているのか、どの画面の離脱が多いのかといった具体的な情報をもとに改善策を検討することで、改善の精度が高まります。

フルスクラッチ開発が持つUI改善の柔軟性

こうした継続的なUI改善を前提とした設計には、フルスクラッチ開発のアプローチが適しています。既製のパッケージシステムやテンプレートでは柔軟に対応できないレイアウトや機能の調整も、フルスクラッチであれば業務に合わせて自在に設計・改修することが可能です。

特に、画面ごとに業務ロジックが複雑に絡むようなシステムでは、「一見すると地味な変更」が、現場の効率に大きな影響を与えることがあります。こうした細部の最適化を丁寧に繰り返していく姿勢こそが、ユーザーにとって“使い続けたくなるシステム”を実現する鍵となります。

まとめ

UIは、一度つくって終わるものではありません。実運用の中で使われ方を観察し、フィードバックを受け取りながら、継続的に育てていく設計が求められます。そのためには、現場と密接に連携し、改善のための仕組みを開発体制の中に組み込むことが不可欠です。業務の変化に寄り添いながら、進化し続けるUIを実現するためには、仕様書の枠を超えた柔軟な開発アプローチが必要とされているのです。

こうした“使いながら育てていく”UIを実現するには、業務内容や現場の運用フローに深く入り込み、柔軟に設計・改修できる体制が欠かせません。

フレシット株式会社では、業務特性に最適化されたフルスクラッチ開発を通じて、導入後の改善や現場の声を反映したUIの進化を継続的に支援しています。機能単位ではなく、業務全体の流れに寄り添ったシステム設計を重視されるご担当者さまにとって、きっと頼れる開発パートナーとなれるはずです。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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