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COLUMN コラム詳細

意外と見落としがち?いますぐできるシステム品質の基本チェック3選

2025-06-25

意外と見落としがち?いますぐできるシステム品質の基本チェック3選

どんなに大規模な試験を行っていても、実際の利用環境でのトラブルはなかなかゼロにはなりません。特に、開発者が想定していなかった使われ方や操作パターンは、品質課題として後から顕在化しやすく、ユーザーの信頼を損ねる原因にもなります。

本コラムでは、特別なツールや深い専門知識がなくても、いますぐ確認できる「3つのチェックポイント」を紹介します。どれも基本的な観点ながら現場で見落とされる可能性があり、実害に直結するリスクを含んでいるものばかりです。

忙しいプロジェクトの合間でも手軽に確認できる内容となっていますので、ぜひご活用ください。

チェックポイント① 古い端末・古いブラウザでの表示確認

システム開発では、つい「自分たちの開発・検証環境=ユーザーの利用環境」と思い込んでしまいがちです。
しかし、実際の利用現場には古いスマートフォンやOS更新が止まった業務端末、古いPCブラウザなどが混在していることも珍しくありません。

特に、予算や管理ルールの都合で端末更新が進まない組織や現場では、モダンな技術に対応していない環境で使われる可能性があります。
こうした環境でレイアウト崩れやJavaScriptの不具合が発生すれば、業務への支障やユーザーの離脱につながりかねません。

古い端末・古いブラウザでの表示確認

開発現場では限られたスマートフォン環境であることが多いですが、以下のようなクラウドで実機操作が可能なサービスを活用することで、端末を購入することなく多種多様な端末で検証をおこなうことができます。
Remote TestKit

また、ブラウザやOSのシェア率については以下のサイトで確認することができます。以下サイト内の「Edit Chart Data」から「Region」を「Japan」にすることで、日本国内のデータを確認することができますので、合わせてご活用いただくことでより効果的・効率的なチェックに繋げることができます。
Statcounter Global Stats

※上記サイトは世界で150万にも上るWebサイトのアクセスデータを解析した情報であり、日本の官公庁においてもデータの出典元として活用されることがあります。


シェア率をどこまでカバーすれば良いのかは非常に悩ましい問題です。2025年5月のJapan(mobile)のAndroid OSシェア率を例に考えてみましょう。

OSバージョンごとのシェア率とシェア率累計を以下にグラフ化しました。対象のシステムやソフトウェアの性質にもよりますが、一般的には80%カバーできていれば十分と考えられています。

以下のグラフからシェア率が80%カバーできるポイントを確認すると、Android OS12が79.92%とほぼ80%であることがわかります。Android OS12を含めて、Android OS15、Android OS14、Android OS13と合計4つのOSで確認をすることで、費用対効果のバランスが取れたカバー内容になります。

OSバージョンごとのシェア率とシェア率累計

チェックポイント② エラーハンドリングの実態確認

エラーメッセージや例外処理は、設計上“例外”として後回しにされがちですが、現場では「想定外の使い方」が日常的に起こります。

通信不良やセッション切れ、サーバーエラー、入力ミス…。それらへの対応が不十分だと、画面が止まる、フリーズする、意味不明なエラーが出るといった“信頼性を損なう体験”につながります。

特に怖いのは、開発者が気づいていないままリリースされることです。
ユーザーが不具合に直面して初めて発覚するようなケースを事前に防ぐためにも、基本的なエラー動作の確認は欠かせません。

エラーハンドリングの実態確認

チェックポイント③ セッション管理の基本的な動作確認

セッション管理は、ユーザーの識別と状態の維持を担う重要なセキュリティ基盤です。

ここに問題があると、「ログアウト後に再アクセスできてしまう」「一定時間放置してもログイン状態が維持されている」など、不正利用や情報漏洩のリスクに直結します。

また、複数タブの操作や想定外の画面遷移に対する動作は見落とされやすく、リリース後にトラブルとして顕在化する典型的なポイントでもあります。

セッション管理の基本的な動作確認

まとめ

”品質を守る”というと大がかりな試験や専門的な技術を思い浮かべがちですが、“今この瞬間からできる確認”にも大きな価値があります。

特に、今回取り上げた3つの観点は、現場での使われ方に即した“見落としがちなリスク”をあぶり出す力があります。限られた工数の中でも、こうした確認を少しずつ積み重ねていくことが、実使用に耐える品質=本当の安心感へとつながっていきます。

ぜひ、今この瞬間からのチェックにご活用ください。

監修者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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