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COLUMN コラム詳細

“使われないシステム”の落とし穴──DXは現場が主役、“使われるシステム”に共通する3つのポイント

業務に定着するシステム設計の鍵は、現場との対話にある

2025-06-27

DXが経営課題として語られる一方で、実際に導入された業務システムが「使われない」「現場に定着しない」といった問題は少なくありません。2025年、パナソニックホールディングスが業務プロセス改革の遅れを認めた背景には、現場との乖離があるシステム運用が一因とされています。

本コラムでは、現場に根付き、業務の改善につながる“使われるシステム”の共通点を、開発アプローチとともにご紹介します。

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【記事要約】パナソニックHD楠見氏、労働生産性の低さに「20年前の作業プロセス」を指摘

パナソニックHDの楠見CEOは、低い労働生産性の要因として「作業プロセスが20年前から変わっていない」と述べ、在庫管理にも未だエクセルを用いている現状を明かした。デジタル化の遅れが構造改革の遅延につながり、企業競争力の低下を招いたと自省。「改革への着手が遅れたことは認めざるを得ない」とし、DXの必要性を強く示唆した。

出典:日本経済新聞「楠見CEO『退任も考えた』パナHD、1万人削減・事業整理」2025年5月18日付朝刊

ポイントをひとことで

業務システムは導入しただけでは意味がなく、現場で実際に使われて初めて価値を発揮します。多くの失敗事例に共通するのは、設計段階で現場の声が取り入れられていないことです。業務に即していない操作性や、実務フローとの乖離は、現場の反発や形骸化を招きます。本コラムは、現場視点での業務設計・改善がDX成功の鍵であることを明確に示しています。属人性を排し、再現性と運用継続性を重視する姿勢が、今後のシステム導入には求められます。

現場との乖離が招く「使われないシステム」

システムは導入しただけでは効果を発揮しません。現場に定着せず、結局エクセルや紙に戻ってしまうケースは少なくないのが実情です。その原因の多くは、設計段階で「現場の声」が十分に反映されていないことにあります。

経営層や企画部門が主体となって進めた結果、現場の実態とズレた設計になり、「入力が面倒」「情報が活用されない」「誰のための仕組みかわからない」といった不満が生まれます。こうした状態では、せっかくのシステムも形骸化し、むしろ業務の非効率を助長する恐れがあります。

使われるシステムに共通する3つのポイント

1.現場の業務フローに自然に組み込まれていること
業務システムは、現場の流れの中で無理なく使えることが重要です。新しいツールを強制的に使わせるのではなく、既存の業務の延長線上に自然に導入できるような設計であれば、抵抗感なく定着します。

2.情報の入力と活用が一致していること
「入力して終わり」ではなく、入力された情報がその場で可視化され、次のアクションにつながる設計が求められます。例えば、入力された在庫情報がすぐに出荷判断や仕入れ計画に反映される仕組みであれば、現場は情報活用の意義を実感できます。

3.システムの改善余地が開かれていること
運用が始まった後も、現場からのフィードバックをもとに改修や調整ができる体制があることが理想です。導入して終わりではなく、継続的に現場と対話しながら育てていくシステムこそ、長く使われ続ける土台になります。

現場を理解した開発アプローチの重要性

これらのポイントを実現するには、画一的なパッケージソフトでは限界があります。業務ごとの特性や業種の慣習に寄り添い、現場の声を直接反映できる開発手法が必要です。

システム開発会社が初期段階から現場の担当者と対話し、業務の本質を理解したうえで構築を進めることで、「現場に馴染むシステム」は生まれます。フルスクラッチ開発はその自由度の高さから、こうした現場主導の設計を可能にします。

まとめ

業務システムが機能するかどうかの鍵は、現場で実際に“使われるかどうか”にかかっています。現場と乖離したシステムは、どれだけ高機能でも形だけの存在になりかねません。真に機能するDXのためには、現場の声を起点に設計し、運用と改善を一体で考えるアプローチが不可欠です。システムは現場のためにある──その原点に立ち返ることが、業務改革成功の第一歩となります。

こうした“使われるシステム”を実現するには、現場の業務や課題を深く理解した上で、柔軟に設計・開発できるパートナーの存在が不可欠です。フレシット株式会社は、ヒアリングから設計、開発、運用までを一貫して手がけるフルスクラッチ開発に強みを持ち、現場のリアルに根ざしたシステム構築を得意としています。汎用的な仕組みではフィットしない複雑な業務こそ、私たちが価値を発揮できる領域です。現場が主役となるシステムづくりをご検討の際は、ぜひご相談ください。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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