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COLUMN コラム詳細

予約ツールの限界とシステム内製化という選択肢

「LINE予約では足りない」企業が直面する現場の課題とは

2025-07-02

LINEやカレンダー連携型の予約ツールは手軽で導入も早く、多くの企業や施設で活用されています。しかし、業務が複雑化する中で「どうしても対応できない」「柔軟に変えられない」といった限界に直面するケースも増えています。

本コラムでは、予約システムにおける汎用ツールの制約と、それを超えて“自社仕様の仕組み”を構築するための内製化の考え方について、産後ケア分野の事例をもとに解説します。

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【記事要約】DXで産後ケアをもっと身近に──予約簡略化で利用促進

産後ケアの利用促進に向け、官民がDXを活用した取り組みを加速している。グッドバトンが提供するネット予約サービス「あずかるこちゃん」では、スマホから施設検索・予約が可能となり、従来の煩雑な手続きを簡略化。これにより自治体職員の業務負担も大幅に削減された。利便性向上を通じ、誰もが平等に受けられる“ユニバーサルサービス”としての定着が期待されている。

出典:日本経済新聞「『産後ケア』便利に、お気軽に 利用1割どまり、官民で活用後押し」2025年4月30日付朝刊

ポイントをひとことで

予約システムにおける「LINEで十分」という判断は、業務の複雑性が低い場合に限られます。本コラムが示すように、サービス内容や利用条件が多岐にわたる現場では、汎用ツールでは対応できない仕様・業務フローが必ず存在します。予約は単なる受付機能ではなく、業務全体の入口であり、顧客体験と直結する重要な接点です。その特性を踏まえた上で、現場にフィットする設計と運用を実現するには、業務起点で設計できるフルスクラッチ開発が最適な選択肢となります。

汎用予約ツールの簡単さが足かせになる瞬間

LINEやGoogleカレンダーと連携した予約ツールは、少人数運営や単純な来店管理には非常に便利です。すぐに導入でき、利用者の操作ハードルも低く、ある種の“万能ツール”として扱われがちです。

しかし、現場の業務が複雑になると、「できないこと」の多さが目立ってきます。たとえば次のような課題が見られます。

  • サービスや顧客属性によって予約項目や手順を変えたい
  • スタッフや設備の空き状況と連動した可変的な予約管理をしたい
  • 利用回数や履歴に応じて個別にメッセージや制限を出したい
  • 施設ごとのルールや条件に応じた自動処理を組み込みたい

これらは汎用ツールの設定範囲を超える要求であり、無理に適用すると運用が現場依存になったり、情報の二重管理が発生したりするなど、新たな非効率を生み出してしまいます。

産後ケア事業に学ぶ、柔軟な設計の重要性

新潟県糸魚川市が導入した産後ケア予約システム「あずかるこちゃん」は、まさにこうした背景から開発された仕組みです。市民がスマホから施設検索、予約、キャンセルまで一貫して操作できるだけでなく、施設側・行政側の運用も考慮して設計されています。

従来、電話と紙で行われていた予約管理では、ヒューマンエラーや時間的負荷が大きく、予約確定までに複数回のやり取りが発生していました。この仕組みを一新するために必要だったのは、業務フローと現場の要件をゼロから整理し直す“設計の自由度”でした。

つまり、どんな施設にも共通する機能を詰め込むのではなく、「この場所、この業務、このユーザー」にフィットするよう、構造そのものを組み立て直すアプローチが求められたのです。

フルスクラッチで“完全自社仕様”を実現するメリット

こうした背景を踏まえると、あらかじめ用意された型に業務を当てはめるのではなく、業務に合った型を一から設計するフルスクラッチの開発は非常に有効です。

主なメリットは次の通りです。

  • 現場の業務フローに自然に溶け込むUI/UXが設計できる
  • 利用者ごとの条件分岐やカスタム処理が組み込める
  • 拡張性が高く、将来的な仕様変更や追加機能にも柔軟に対応できる
  • 外部システムや既存の社内ツールとも連携しやすい

予約という一見シンプルな業務でも、顧客体験や業務効率、スタッフの負荷に直結する以上、細部まで“自社に合っているか”が問われます。その点、フルスクラッチで構築したシステムは、定型的な業務にとどまらず、企業の競争力を支える戦略的な基盤にもなり得ます。

まとめ

予約ツールの導入はDXの入口として手軽に始められる一方で、業務の複雑化とともに“汎用性の限界”に直面するケースは少なくありません。LINE予約やカレンダー連携といった既成ツールが対応しきれない領域に踏み込むには、自社の業務や顧客に合わせて一から設計するフルスクラッチという選択肢が必要になります。“自社にしかない業務”を無理なくデジタル化したい場合、システムの内製化やオーダーメイド開発が持つ意義は、今後ますます大きくなるでしょう。

こうした“自社にしかない業務”を形にするには、業務理解と柔軟な設計力を兼ね備えた開発パートナーの存在が不可欠です。フレシット株式会社では、業務の背景にある意図や現場の運用実態まで丁寧に把握し、目的に沿った予約フローや管理機能をゼロから設計します。パッケージや汎用ツールでは対応しきれない複雑な要件にも、一つひとつ寄り添いながら開発を進められるのが、私たちの強みです。完全自社仕様のシステム構築をご検討の際は、ぜひご相談ください。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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