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COLUMN コラム詳細

【保育所探しの“31時間→10時間”に学ぶ】その時間、本当に必要ですか?──業務の“ムダ時間”を見つけて削る仕組み化の視点

非効率を構造から断つ、フルスクラッチ開発の可能性

2025-07-10

東京都が進める行政DXの一環として、保育所申請に関する情報収集時間を従来の31時間から10時間以下に短縮する取り組みが進んでいます。これは単にデジタルツールを導入した結果ではなく、ユーザーの行動動線を徹底的に見直し、情報へのアクセスや選択プロセスを最適化した結果です。

本コラムでは、こうした取り組みから見える“ムダ時間”の正体と、それを削減するシステム設計のポイントを解説します。

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【記事要約】東京都、「東京アプリ」に生成AI導入を検討 行政手続きを効率化し利用促進へ

東京都はスマートフォン向け公式アプリ「東京アプリ」に生成AIを搭載し、補助金申請などの手続きを円滑化する方針を検討中。マイナンバーカードとの連携により、申請の利便性向上と人件費の削減を図る。アプリ導入で申請から給付までの期間を約半分に短縮可能と試算。さらに、生成AIにより事業者に適切な支援策を提示するなどの機能拡張も目指す。今後はAIの活用範囲と人による確認の線引きを国と連携しながら整備していく。

出典:日本経済新聞「東京アプリに生成AI 都、利用拡大へ検討 補助金申請円滑に」2025年6月6日付朝刊

ポイントをひとことで

業務のデジタル化において見落とされがちなのが、「ムダ時間の可視化と削減」という視点です。このコラムでは、東京都の保育所探しの事例を通じて、情報の構造化と導線設計が時間短縮に直結することが示されています。多くの企業でも、業務自体よりも“探す・確認する・待つ”といった間接作業に時間が取られているケースが多くあります。ユーザー起点で業務フローを再設計することが、真の効率化とDX実現への近道といえるでしょう。

時間がかかるのは、業務のせいではない

多くの業務が「時間がかかる」理由として、複雑な作業内容や人的リソースの不足が挙げられますが、根本的な要因は別のところにあります。それは、情報の所在が不明瞭であること、探し方が分かりにくいこと、比較・判断のプロセスに一貫性がないことです。

東京都の保育所探しに関する取り組みは、その代表的な例です。利用者が必要とする情報が一箇所に集約されておらず、各自治体のサイトを複数回移動しながら情報を確認しなければならなかったため、平均で31時間も要していました。作業そのものが複雑だったわけではなく、構造が整理されていなかったことが、時間の浪費につながっていたのです。

時間のロスはどこに潜んでいるのか

業務におけるムダ時間は、意識されないところに潜んでいます。たとえば次のようなポイントです。

  • 顧客や社員が情報にたどり着くまでのステップ数
  • 書類やデータの二重入力
  • 過去の履歴や選択内容が記録されていないために起こる“やり直し”
  • 決裁や承認のプロセスが属人的で不明瞭

これらは、業務フローが可視化されていない、あるいは全体設計の視点が欠けている場合に頻繁に見られる課題です。

ユーザー視点で設計すると、業務が変わる

東京都の事例で注目すべきは、「ユーザーがどう動くか」を前提に設計されていることです。利用者が一度の操作で必要な情報にたどり着けるようにし、複数の情報源を行き来しなくても済むように構造化された結果、保育所探しにかかる時間を約1/3に短縮することが可能になりました。

企業の業務システムにおいても、同様の視点が欠かせません。業務担当者が1日にどれだけの時間を「探す」「待つ」「確認する」といった非本質的な行動に使っているかを可視化し、それを削減する設計が求められます。

削るべき時間に気づくことから始まる

時間短縮を図るには、何よりも「削るべき時間」を見極めることが重要です。業務フローのどこにロスがあるのか、どこが利用者の負担になっているのかを把握し、それに対して構造的なアプローチを取る必要があります。

そしてその構造を柔軟に設計・実装できる体制を整えることが、真の意味での業務改革につながります。ツールを導入するだけではなく、その背後にある設計思想が重要になるのです。

まとめ

業務にかかる時間は、作業の量ではなく、構造の良し悪しに左右される側面があります。東京都の保育所情報提供のように、利用者の行動を可視化し、非効率を取り除いた結果として大幅な時間短縮が実現できることは、あらゆる業種の業務設計にとって示唆に富む事例といえるでしょう。時間の使われ方を見直すことが、DXの第一歩です。

時間の使われ方を見直すには、現場の動線や業務プロセスを深く理解し、それに即した仕組みを一から設計する視点が欠かせません。フレシット株式会社では、既存業務に無理なくフィットするフルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発を通じて、顧客や社員が日々費やしている“気づかれにくいムダ時間”を構造から見直し、確かな業務改善へとつなげています。時間を価値に変えるシステムづくりを、私たちは本気で追求しています。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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