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COLUMN コラム詳細

システム設計で差がつく、PDFや紙の“眠れる情報”の活かし方

「そのPDF、使えていますか?」非構造データが業務効率を下げる理由

2025-07-28

政府の統計情報がPDF中心の形式で公開され、利用者から「目的の情報にたどり着けない」「再利用ができない」といった課題が指摘されています。これは企業の業務現場でも同様に起こっている問題です。膨大な情報がPDFやバラバラな数表のまま放置され、活用されることなく“眠っている状態”になっているケースは少なくありません。

本コラムでは、非構造データがもたらす業務上の非効率と、その構造的な解決方法について解説します。

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【記事要約】政府、700統計の形式統一へ──データ利活用を促進する「ジャパンダッシュボード」公開へ

政府は教育や社会保障など約700の統計を統一形式で扱うデータベース「ジャパンダッシュボード」を月内に公開する。相関係数の自動算出や地図・グラフ表示といった分析機能も備え、都道府県別の数値比較も容易になる。操作性にも配慮し、省庁横断での政策立案や民間での利活用を促進。これまでのPDFや統一されていない形式により活用しづらかった課題に対応する。

出典:日本経済新聞「政府700統計、形式を統一 近く公開 教育や社会保障、データ比較・分析しやすく」2025年7月6日付朝刊

【記事要約】政府統計の利活用、形式統一と法整備で加速へ──「ジャパンダッシュボード」に期待

政府統計は国勢調査やGDPなど幅広いが、形式の不統一やPDF主体の公開が妨げとなり、利活用は進んでいなかった。こうした現状を踏まえ、政府は「ジャパンダッシュボード」を通じて統一的なデータ提供を開始し、分析や政策立案の効率化を図る。加えて、2026年通常国会での法改正を見据え、官民のデータ連携を支える制度整備も進める方針だ。

出典:日本経済新聞「政府統計 データ利活用は途上」2025年7月6日付朝刊

ポイントをひとことで

多くの企業が情報資産として蓄積しているPDFや帳票データは、実際には“非構造データ”であり、検索や集計といった再利用が困難な形式です。これらは視認性には優れていても、業務の意思決定や効率化にはつながりにくいという根本的な課題を抱えています。真にデータを資産化するには、単なる保存ではなく、構造化された状態で蓄積し、必要なときに“すぐ使える”仕組みを整備することが重要です。その実現には、業務フローと連動したシステム設計が不可欠です。

非構造データとは何か

非構造データとは、ExcelやCSVのようにセルで区切られた明確な構造を持たず、コンピュータによる処理や再利用が難しいデータのことを指します。代表的なものがPDF形式の帳票や報告書、紙をスキャンした画像ファイルなどです。

このような形式では、情報を目視で確認することはできても、検索・集計・再分析といった“活用”が困難になります。人手による転記や再入力が必要になるため、作業時間とミスが増加し、業務効率を大きく損なう要因となります。

情報はあるのに「使えない」という矛盾

PDFに保存された情報は、確かに存在しています。しかし、必要なときにすぐに引き出せず、横断的な比較や分析に使えないという状態は、業務上は「使えない情報」と変わりません。たとえば、毎月PDFで保存している売上報告書を後から年度単位で集計したい場合、担当者が手作業で数十ファイルを開いて転記する必要がある、といったことが現実には起こります。

これは単なる手間の問題ではなく、業務の意思決定を遅らせたり、集計ミスによる経営判断の誤りにつながるリスクもはらんでいます。

データを活かすには「構造化」が不可欠

こうした非構造データを“活用できる情報資産”に変えるには、「構造化」されたデータベースに変換することが必要です。構造化とは、データを属性ごとに整理し、検索や集計、連携がしやすいように設計することを意味します。

そのためには、現場でどういった情報がどのように使われているかを洗い出し、システム設計の段階から構造を定義しておくことが重要です。蓄積する時点から使いやすさを前提としたデータ設計を行えば、情報は“再利用できる資産”になります。

フルスクラッチ開発で実現する、業務に即した構造設計

既製のツールでは、情報の入力形式やデータ構造が限定されており、企業独自の帳票や運用ルールにフィットしないケースが多くあります。一方でフルスクラッチであれば、現場の業務内容に即した情報の構造化が可能です。

たとえば、帳票の入力項目をそのままデータベースに格納し、必要な軸での検索・抽出・集計ができるように設計することで、帳票がそのまま“活用可能な情報源”に生まれ変わります。

まとめ

非構造データは「存在していても使えない」という状態を生み、業務の非効率や判断ミスの温床になります。PDFや紙の帳票が蓄積されるだけでは、情報資産とは呼べません。業務の中で使われる情報を真に価値あるものへと変えるには、データを構造化し、システム側から活用を前提に設計する視点が不可欠です。システム設計において“データの活かし方”まで踏み込むことが、これからの業務改革の鍵となります。

こうした“使えない情報”を“活用できる資産”へと転換するには、業務の実態を深く理解したうえで、情報の流れそのものを設計し直す視点が必要です。フレシット株式会社では、業務の現場と一体となって要件を洗い出し、非構造データの構造化から検索・集計まで見据えたシステムをフルスクラッチで開発しています。蓄積してきた情報を本当の意味で“使える仕組み”に変えたいとお考えの方は、ぜひご相談ください。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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