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COLUMN コラム詳細

政府の統計DB刷新に学ぶ、“欲しいデータ”に最短でたどり着くUI/UX設計とは

「見える化」で終わらせない、意思決定まで導くUIとは?

2025-07-07

政府が公開を予定している「ジャパンダッシュボード」は、700種以上の統計を統一形式で整理し、視覚的かつ直感的にデータを比較・分析できるように設計された新しいデータベースです。この取り組みは、官公庁に限らず、企業の業務システムにおいても非常に参考になります。

本コラムでは、「必要なデータに最短でたどり着ける」ことの重要性と、それを実現するためのダッシュボード設計の視点について考察します。

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【記事要約】政府、700統計の形式統一へ──データ利活用を促進する「ジャパンダッシュボード」公開へ

政府は教育や社会保障など約700の統計を統一形式で扱うデータベース「ジャパンダッシュボード」を月内に公開する。相関係数の自動算出や地図・グラフ表示といった分析機能も備え、都道府県別の数値比較も容易になる。操作性にも配慮し、省庁横断での政策立案や民間での利活用を促進。これまでのPDFや統一されていない形式により活用しづらかった課題に対応する。

出典:日本経済新聞「政府700統計、形式を統一 近く公開 教育や社会保障、データ比較・分析しやすく」2025年7月6日付朝刊

【記事要約】政府統計の利活用、形式統一と法整備で加速へ──「ジャパンダッシュボード」に期待

政府統計は国勢調査やGDPなど幅広いが、形式の不統一やPDF主体の公開が妨げとなり、利活用は進んでいなかった。こうした現状を踏まえ、政府は「ジャパンダッシュボード」を通じて統一的なデータ提供を開始し、分析や政策立案の効率化を図る。加えて、2026年通常国会での法改正を見据え、官民のデータ連携を支える制度整備も進める方針だ。

出典:日本経済新聞「政府統計 データ利活用は途上」2025年7月6日付朝刊

ポイントをひとことで

業務ダッシュボードの本質的な価値は、見た目の美しさではなく「欲しい情報に迷わず最短でたどり着けること」にあります。その実現には、データ構造の最適化とUI/UX設計の一体化が不可欠です。多くの企業では、BIツールや既製ダッシュボードに頼りがちですが、それでは業務の粒度や判断軸に応じた設計が難しく、結果として“使われないツール”になるリスクがあります。ダッシュボードは、業務そのものを支える情報基盤であるべきです。

使いやすさは「画面」だけではない

ダッシュボードというと、グラフやチャートが並んだ“見た目の整った画面”を想像しがちですが、本質的な使いやすさはそれだけではありません。ユーザーが「いま何を知りたいのか」「次に何をしたいのか」という導線が自然に設計されていることが、操作性を大きく左右します。

どれだけ情報量が多くても、必要なデータにたどり着くまでに何ステップもかかるようでは、本来の業務効率化の目的を果たせません。

情報設計とUI/UXは一体で考える

使いやすいダッシュボードを構築するには、UI(見た目や操作性)とUX(体験全体)を別々に捉えるのではなく、データ構造から一体で設計する必要があります。ユーザーがよく使う切り口、検索軸、時系列の粒度などを洗い出し、業務に合った構造に整えることが不可欠です。

「どの部門が、どの目的で、どのデータを見ているのか」を明確にした上で設計することで、情報は“使える”形で画面に反映されます。

自社業務にフィットするUIは既製品では得られない

汎用のBIツールやダッシュボードサービスは、導入の手軽さやデザイン性はありますが、業務ごとの粒度や判断軸に完全にフィットさせることは難しい場合があります。たとえば、日報単位でデータを見たい現場と、週次で判断する経営層では、必要な視点も表示すべき情報も異なります。

こうした差異に対応するには、業務フローや社内の意思決定構造を理解したうえで、専用のUIを設計できる柔軟性が求められます。

ダッシュボードの価値は「スピード」にある

経営や現場の意思決定を支える情報の最大の価値は、スピードにあります。蓄積されたデータがあっても、そこにたどり着くまでの時間や手間が大きければ、意味のある活用はできません。ダッシュボードは“データへの近道”であるべきで、そのためには情報の流れやユーザーの行動を前提とした設計が不可欠です。

「誰が・いつ・何のために使うのか」を起点にしたダッシュボードは、単なる可視化ツールを超え、業務そのものの質を高める武器になります。

まとめ

“使いやすい”ダッシュボードは、ただグラフィカルであることではなく、「欲しい情報にすぐたどり着けること」に尽きます。そのためには、表層のデザインだけでなく、業務やユーザー行動に根ざした情報設計とUI/UXの一体化が不可欠です。既製ツールでは得られない、自社業務にフィットした“使われる”ダッシュボードを構築することが、真の業務効率化と意思決定力の強化につながります。

こうした“最短距離でデータにたどり着ける”設計を実現するには、業務フローの深い理解と、現場ごとの利用シーンに応じた柔軟なUI/UX構築が不可欠です。フレシット株式会社では、業務特性や組織構造に合わせて、情報設計と画面導線を一体で考えるフルスクラッチ開発を行っています。既製ツールでは叶わない、自社専用のダッシュボードを求める企業様に最適なご提案が可能です。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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