to TOP
無料で相談する 資料を請求する

COLUMN コラム詳細

【半導体「後工程」企業の連携加速に学ぶ】生産情報を“つなぐ”システムが共創の鍵に

“共創”できる会社は、データでつながっている。

2025-07-16

日本の半導体「後工程」企業が連携を進める中で注目されているのが、各社の生産情報を共有・可視化する仕組みです。単なるデータ管理を超えて、生産補完や共同調達といった取り組みを可能にする“つながる仕組み”が、これからの産業構造に大きな変化をもたらす可能性を秘めています。

本コラムでは、企業間連携を支える情報基盤の在り方と、それを実現するシステム開発の考え方について解説します。

>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら

【記事要約】後工程の連携強化へ、生産情報のデータベース化で協業促進狙う

日本の半導体「後工程」企業約30社が連携し、業界団体を設立。設備の自動化や人材育成と並び、各社の生産情報や調達網をデータベース化する構想も進める。これにより、生産補完や共同調達が可能となり、海外大手に対抗し得る協業体制を築く。データの可視化が、コスト削減や供給網の強化に繋がると期待されている。

出典:日本経済新聞「半導体の後工程、30社連携 供給網整え海外勢に対抗」2025年7月10日付朝刊

ポイントをひとことで

生産補完や共同調達といった企業間連携を実現するには、単に情報を集約するだけでなく、それぞれの業務ロジックやデータ構造に即した柔軟な仕組みが必要です。本コラムでは、その前提となる「見える化された情報基盤」に焦点を当て、共創を支えるシステムの在り方を丁寧に描いています。異なる企業が無理なくつながるには、共通化と個別最適のバランスが求められます。フルスクラッチによる設計は、そのギャップを埋める最も有効な手段といえるでしょう。

企業間の「見える化」が、協業を支える土台になる

企業が連携するには、相互の「見える化」が欠かせません。とくに生産品目、稼働状況、調達先、納期などの情報をリアルタイムで把握できる仕組みは、生産の補完や資材の共同調達を行う際の意思決定をスムーズにします。

これまでは企業ごとに異なるシステムや管理体制の中で、こうした情報が“ブラックボックス化”しているケースも少なくありませんでした。結果として、連携したくても正確な情報が把握できず、機会損失や調達コストの上昇につながっていたのです。

見える化システムに求められる3つの要件

生産情報を共有・可視化するには、システム側にも高度な要件が求められます。特に次の3つの観点が重要です。

1. 柔軟なデータモデル
企業ごとに管理する項目や命名規則は異なります。あらかじめ定型化されたシステムでは、業界横断の連携に対応しきれません。個別の事情に合わせて項目や連携仕様を柔軟に設計できることが必須です。

2. 権限管理とセキュリティ
生産情報は機密性が高く、連携先企業にどの情報まで開示するかを細かく制御できる仕組みが求められます。一律の情報開示ではなく、業務目的ごとのアクセスコントロールが重要です。

3. 他システムとの連携性
すでに稼働中の社内システムや外部調達管理ツールとの連携も不可欠です。APIを活用し、シームレスにデータをやりとりできる設計が、現場の負担を最小化します。

フルスクラッチ開発が「共創基盤」を可能にする理由

パッケージ型のシステムでは、上記のような柔軟な要件をすべて満たすのは困難です。とくに、業界や企業規模、取り扱う品目の種類などがバラバラな複数企業間での連携を前提とする場合、共通基盤には個別最適化された設計が必要となります。

フルスクラッチ開発であれば、各社の業務要件を丁寧に整理しながら、最初から「連携ありき」で設計を行うことができます。また、将来的に参加企業が増えた際の拡張性や、制度・商習慣の変更への柔軟な対応も可能になります。

まとめ

生産情報を“見える化”する仕組みは、単なる情報管理を超えた産業構造の変革を支える土台です。従来のように自社の効率化だけを目指すのではなく、他社とつながりながら“共創”するための仕組みをどう構築するか。その答えは、業務や業界の実情を正しく反映できる、フルスクラッチのシステム設計にあります。業務と業務、人と人、企業と企業をつなぐ「情報基盤」の重要性が、今あらためて問われています。

こうした高度な連携を前提とした情報基盤の構築には、業務や組織ごとの実情を丁寧に捉えたシステム設計が欠かせません。フレシット株式会社では、フルスクラッチによる柔軟なシステム開発を通じて、複数企業の視点を取り入れた共創型の仕組みづくりを支援しています。テンプレートでは実現できない本質的な要件整理と、将来を見据えた設計力を強みに、貴社の連携基盤構築をサポートいたします。

>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら

著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

公式Xアカウントはこちら

CONTACT お問い合わせ

フルスクラッチのシステム開発会社フレシットへのお問い合わせ

REQUEST 資料請求

フルスクラッチのシステム開発会社フレシットへの資料請求