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COLUMN コラム詳細

FigmaやAdobe XDなどのプロトタイピングツールを活用した“体験ベース”の要件定義とは?システム開発の認識ズレを防ぐ方法

認識のズレを可視化するプロトタイピングの有効性

2025-07-30

投資アプリ「iGrow」がユーザーに支持された背景には、見た目や使い勝手を繰り返し検証した上で設計された導線とUIがあります。このように、プロトタイプを活用しながら開発を進める手法は、業務システムの世界にも有効です。

開発初期の要件定義で「なんとなく伝わった気がする」といった認識のまま進行してしまうと、完成後に手戻りが発生し、現場に定着しない“使いにくいシステム”になるリスクが高まります。本コラムでは、FigmaやAdobe XDなどのプロトタイピングツールを活用しながら、要件のズレを防ぎ、合意形成と意思決定の精度を高める実践的な方法を解説します。

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【記事要約】若者向け金融アプリのDXSNS化とデザインで新規層を獲得

楽天証券などが展開する若年層向け金融アプリが、SNS風のデザインや操作性を重視することで注目を集めている。ネット通販のUIを参考にした導線や、パーソナライズされた情報提供で「使いやすさ」を追求。価格競争が限界を迎える中、金融サービスのDXは“見た目と体験”での差別化が鍵となりつつある。DXによって金融の敷居を下げ、新たなユーザー層の獲得が進んでいる。

出典:日本経済新聞「(YOUTH FINANCE)金融アプリもSNS風に 見た目・使い勝手、若者に刺さる」2025年6月19日付朝刊

ポイントをひとことで

業務システム開発における失敗の多くは、「伝わったつもり」の要件定義から始まります。FigmaやAdobe XDといったプロトタイピングツールを活用し、視覚的・操作的に仕様をすり合わせることで、認識のズレを初期段階で解消できます。特にフルスクラッチ開発では、プロトタイプで得た現場の声を即座に設計に反映できる柔軟性があり、実務に即したシステムが構築しやすくなります。抽象ではなく“体験”をもとに意思決定を行うことが、プロジェクト成功の鍵です。

要件定義が抽象的であるリスク

業務システム開発において、「現場で使いやすい画面にしてほしい」「操作を簡単にしてほしい」といった要望は多く見られます。しかし、こうした表現は抽象的であり、人によって解釈が異なるため、仕様のズレを生みやすくなります。

この“ズレ”は設計が進むほど修正が難しくなり、結果として「思っていたものと違う」「使いづらい」といった声が完成後に上がる原因となります。

ビジュアルで確認しながら進めるプロセスへ

要件の解像度を高めるためには、FigmaやAdobe XDといったツールを用いたプロトタイピングが有効です。これらのツールを使うことで、画面構成やボタン配置、入力フローなどを視覚的に確認でき、関係者間で具体的な議論がしやすくなります。

たとえば、Figmaで作成したインタラクティブな画面遷移を用いれば、「この画面からどの操作に進むか」「どのタイミングで確認が入るか」といった細かい導線まで仮体験できます。これにより、認識のズレを最小限に抑えた合意形成が可能になります。

紙芝居ではない、体験型プロトタイピングの活用

プロトタイプを単なる静的な画面の集まりにとどめず、実際の業務フローに沿った操作体験を再現することで、利用者の反応をリアルに確認できます。操作の負担感や、入力時のストレス、確認タイミングの妥当性など、テキストベースの要件定義では見えてこない課題にも事前に気づけます。

特に業務が複雑な企業ほど、こうした“操作感”の検証は重要です。導入後に「実際にはこんな使い方はされない」といった事態を防ぐためにも、仮運用に近い状態をプロトタイプで体験しておくことが求められます。

フルスクラッチ開発との親和性

プロトタイプでのフィードバックを最大限活かすには、設計の柔軟性が必要です。FigmaやAdobe XDで得られた具体的な改善案を、既存の仕様に落とし込むには限界があります。

その点、フルスクラッチ開発であれば、プロトタイプ段階で得られた現場の気づきや改善要望を、システム構造に反映することが可能です。UIだけでなく処理の流れや裏側のロジックまでも柔軟に対応できるため、プロトタイピングによる“見える化”が、開発の質を根本から高める武器となります。

まとめ

業務システム開発における失敗の多くは、“なんとなく伝わっている”という認識のズレから生まれます。FigmaやAdobe XDといったプロトタイピングツールを使い、視覚的・体験的に仕様を確認しながら要件を固めていくことで、合意形成の精度が高まり、完成後の手戻りや運用上の違和感を大幅に減らすことができます。抽象的な言葉ではなく、体験としての設計を重視する姿勢が、成功する業務システム開発のカギとなります。

こうしたプロトタイピングを通じた“体験による合意形成”を、設計から開発・改善まで一貫して取り入れられるのが、フルスクラッチ開発の強みです。フレシット株式会社では、FigmaやAdobe XDを用いたプロトタイプを起点に、現場の業務やユーザー行動を丁寧に拾い上げながら、システムのあるべき姿を共に設計していきます。机上の要件ではなく、実感を伴う検討で、確かな成果につながるシステムを形にしたい方は、ぜひご相談ください。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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