【システム開発は納品までが勝負】“納品しきる力”はQAに宿る――最後まで責任を持つ開発パートナーの見極め方
“納品しきる力”こそ、発注先選定の最重要ポイント
2025-08-03

システム開発において最も重要なのは、「無事に納品され、正常に動くこと」です。しかし、プロジェクトが完了したかのように見えても、納品直前で不具合が頻発したり、引き渡し後に障害が相次いだりするケースも少なくありません。こうした事態を防ぐための鍵が「品質保証(QA)体制」にあります。
本コラムでは、開発会社の信頼性や“納品しきる力”を見極めるうえで、なぜQA体制が欠かせないのかを解説します。
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目次
【記事要約】ソフトウェア開発における失敗率が依然高水準、品質保証が成功の鍵に
2023年の調査によると、ソフトウェア開発プロジェクトの約3割が完了前に中止され、予算超過やスケジュール遅延も頻発している。原因には要件定義の不備やコミュニケーション不足、品質保証(QA)の軽視などが挙げられる。成功率を高めるには、開発初期からのQA体制構築と継続的な改善が不可欠であり、プロジェクトの品質と信頼性を支える重要な要素とされている。
ポイントをひとことで
システム開発における「納品しきる力」とは、単なる完成ではなく、期待された品質で確実に引き渡す能力を意味します。その本質を支えるのが品質保証(QA)の設計と運用です。QAを軽視したプロジェクトは、最終局面でのトラブルやリリース後の混乱を招きやすく、結果的に発注側に大きな負担を強います。信頼できる開発会社を見極めるには、価格や実績だけでなく、QAにどれだけ本気で取り組んでいるかを見極める視点が不可欠です。
納品しきれない開発が生む“ビジネスの損失”
システム開発は、要件定義から設計、実装、テスト、そして納品・運用保守と複数の工程で構成されます。その中でも、納品直前で発生する不具合や想定外のトラブルは、開発側だけでなく発注者にとっても大きな損失となります。
たとえば、リリース日に合わせて広告出稿や業務体制の変更を行っていた場合、納品遅延によってそのすべてが無駄になる可能性があります。開発途中ではなく「最後の一手」でつまずくと、信頼の失墜と事業計画の狂いにつながるのです。
QA体制が「納品しきる力」の証明となる理由
品質保証(QA)体制とは、開発されたシステムが期待どおりに動作するか、バグや不具合がないかを検証し、品質を担保する仕組みです。
QA体制が整っているシステム開発会社は、単にテストを行うだけではなく、「何を、どこまで確認するべきか」という観点で全体を設計し、納品の品質を高めていきます。これは、開発の“終盤での責任放棄”を防ぐためにも有効であり、発注者側が安心してプロジェクトを託せる基準のひとつになります。
QAが後回しになると起こること
一方で、開発コストの圧縮を優先するあまり、QAを軽視・簡略化してしまうとどうなるでしょうか。
納品直前に発覚する不具合により、開発期間が延びたり、リリース後に利用者からのクレーム対応に追われたりと、「納品後の混乱」が常態化します。このようなケースでは、発注者側がシステム開発会社に再修正を依頼する負担が増し、場合によっては追加費用や追加契約が発生することもあります。
QAの観点から開発パートナーを見極めるには
信頼できるシステム開発会社を見極める際には、価格や開発実績だけでなく、以下のような「QAの取り組み」を確認することが有効です。
- テスト項目の策定において、業務シナリオを踏まえているか
- アドホックテストや探索的テストを通じて、実際のユーザー操作を想定しているか
- 不具合発見後の対応スピードやフィードバック体制はどうか
- テスト結果が記録として残され、誰でも追跡できるようになっているか
これらのポイントを丁寧にヒアリングし、QAが「形式的なチェック」ではなく、「納品しきるための本気の設計」として行われているかどうかが重要です。
まとめ
システム開発において、最も重要なのは「完成させること」ではなく、「確実に納品し、運用できる品質で引き渡すこと」です。その実現において、QA体制は単なるコストではなく、プロジェクトの成否を分ける本質的な要素といえます。
開発パートナーを選ぶ際には、納品しきる力の裏にある「QAへの向き合い方」にこそ、注目してみてください。
そうした視点からシステム開発会社を検討されているご担当者さまへ――フレシット株式会社では、要件定義の段階からQAを意識した設計を行い、納品までの品質と責任を徹底して追求しています。単に「作る」のではなく、「使える」までを見据えたフルスクラッチ開発を提供している私たちだからこそ、最後まで安心してお任せいただけます。確実に納品しきるパートナーをお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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著者プロフィール
フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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