【“最新技術を導入したのに成果が出ない”を防ぐには】成功するDXの条件──システムより先に業務フローを設計する
技術よりも大切なのは“業務を描く力”
2025-08-04

「最新のシステムを導入したのに、思ったような効果が出ない」と感じたことはありませんか。DXの推進においてしばしば見落とされるのが、業務フローの設計です。実は、システム開発に先立って業務全体の流れを再構成することこそが、DXを成功に導く近道です。
本コラムでは、その理由と具体的なアプローチを解説します。
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目次
【記事要約】DX推進のカギは「タテ割り打破」とヨコ展開
デジタル化や生成AIの進展により、従来のタテ割り構造からヨコ展開へと移行するDXが不可欠となっている。企業内では部門ごとの分断をなくし、業務フローを再構成する人材が求められる。一方、産業全体での横連携は、コスト共有やデータ連携による付加価値創出が期待されるが、多額の固定費負担や市場の失敗が障害となる。これを克服するには、企業間の協調と競争政策の整備が必要であり、デジタル公共財の共同提供が重要な役割を果たす。
出典:日本経済新聞「<エコノミクストレンド>縦を横にする難しさ 工夫を 柳川範之・東大教授」2025年7月16日付朝刊
ポイントをひとことで
DXを成功させるには、単に最新技術を導入するだけでは不十分です。重要なのは、現場の実態を正しく把握し、全社横断で業務フローを再設計することです。多くの企業が直面するのは、優れた技術者不足ではなく、業務全体を俯瞰し改善の見取り図を描ける人材の不在です。システム開発を進める際は、この“業務デザイン力”を持つ人材と連携することで、部分最適にとどまらない真のDXを実現できるでしょう。
技術導入だけではDXは実現しない
多くの企業がDXに取り組む際、最新技術の導入を優先してしまいます。しかし、業務の全体像が整理されていなければ、システムは部分最適にとどまり、期待した成果が得られません。DXとは単なるデジタル化ではなく、業務の再設計を伴う変革であることを理解する必要があります。
求められるのは“業務を描ける人材”
DX人材不足といわれますが、実際に欠けているのは高度なプログラミングスキルを持つ人材ではありません。重要なのは、現場の業務フローを把握し、「どこを変えれば横断的に効率化できるか」を構想できる人材です。こうした人材がいなければ、システムを導入しても改革は進みません。
事例に学ぶ──業務フロー改革が成果を生む
ある製造業では、営業・生産・経理がそれぞれ独立したシステムを使用していました。DXを機に、業務フローを横断的に再設計し、フルスクラッチで統合システムを構築した結果、データ入力の重複が解消し、全体のリードタイムが大幅に短縮。顧客対応のスピードも改善しました。業務設計を先行させたからこそ得られた成果です。
部門横断の“見取り図”を描く重要性
DXを推進するには、部門単位の改善ではなく、全社横断の見取り図を描くことが不可欠です。誰がどの情報を扱い、どこで連携が必要なのかを明確にすることで、無駄や重複が削減され、システムの効果を最大化できます。これは外部のシステム開発会社と協力する際にも極めて重要な前提となります。
まとめ
DXの成否は、システムを導入する前に業務フローをどう再設計するかで決まります。技術の新しさに目を奪われるのではなく、まずは業務全体を俯瞰し、横断的な視点で見取り図を描くことが、真に成果につながるDXの第一歩となります。
だからこそ、業務全体を丁寧に見直し、横断的な視点で最適なフローを描けるパートナー選びが重要です。フレシット株式会社は、既存の仕組みに縛られないフルスクラッチ開発を強みとし、現場を深く理解したうえで最適な業務設計から伴走します。貴社だけのオーダーメイドシステムを通じて、DXの真の成果を実感してみませんか。
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著者プロフィール
フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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