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COLUMN コラム詳細

ラボ型開発とは?メリット・デメリットやラボ型開発を選ぶべきケースを紹介

2025-08-13

システム開発の世界では、常に新しいスタイルを生み出すための模索が続けられており、時代の移り変わりとともに進化した開発手法が登場しています。そのような状況の中、昨今特に注目を集めているのが「ラボ型開発」です。

このコラムでは、ラボ型開発の概要や他の開発手法との違いに触れながら、ラボ型開発のメリット・デメリット、ラボ型開発を選ぶべきケース、ラボ型開発を行う際の注意点などについて詳しく解説します。ラボ型開発を依頼するシステム開発会社の見極め方も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

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ラボ型開発とは

ラボ型開発とは、海外のエンジニアを活用するオフショア開発において多く採用されている開発手法の1つで、一定期間、社外に自社専用のプロジェクトチームを確保しながら開発を進めるものです。

契約期間内であれば中・長期的に同じメンバーに対応してもらえるため、安定したプロジェクト進行が可能になります。また、特定の案件に限った契約ではないため、自社のあらゆる要望に対して、柔軟に応えてくれるのも特徴です。

海外に自社の開発拠点を持つような形となることから、オフショア開発センター(ODC:Offshore Development Center)とも呼ばれます。ただし、ラボ型開発はオフショア開発だけではなく、国内にある地方の企業に開発を委託するニアショア開発で採用されることも少なくありません。

ラボ型開発と他の開発手法との違い

ラボ型開発と他の開発手法には、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、システム開発の代表的な手法である「SES」および「請負型開発」との違いについて解説します。

SESとの違い

SES(System Engineering Service:システムエンジニアリングサービス)は、エンジニアを現場に派遣する形で直接クライアントを支援するものです。特定システムの納品を契約条件とするのではなく、エンジニアの専門知識や技術力をサービスとして提供するという意味では、ラボ型開発と重なる部分もあります。一方で、ラボ型開発よりもエンジニア個人のスキルやパフォーマンスが極めて重視され、そのマネジメントは派遣元企業で行うのが一般的です。

請負型開発との違い

請負型開発は、発注者が特定システムの構築を依頼し、受注者が完成したシステムの納品を約束する形で開発を進める手法です。あらかじめ成果物(=ゴール)を明確にしてからプロジェクトが進行するため、ラボ型開発よりも柔軟性が低くなります。また、ラボ型開発のように同じメンバーに対する一定期間の確保が保証されるものではなく、予算内で品質と納期さえ担保できれば、基本的には体制構築やプロジェクト進行の主体は受注者側にあります。

ラボ型開発のメリット

ラボ型開発の主なメリットは、次の通りです。

  • コストが抑えられる
  • 高い柔軟性とスピーディな開発が実現可能
  • ノウハウが蓄積できる

以下、それぞれについて解説します。

コストが抑えられる

社外に自社専用のプロジェクトチームを確保するラボ型開発では、契約期間内であれば基本的に追加費用が発生せず、継続的に安定した開発を行うことが可能です。機能追加や仕様変更が発生しても、都度費用を見積もったり要員を確保したりする必要がなく、コストを抑えられます。

高い柔軟性とスピーディな開発が実現可能

柔軟性が高く、スピーディに開発できることもラボ型開発のメリットの1つです。上述の通り、機能追加や仕様変更が発生した際にも見積もりなどの手間をかけることなく、現状を理解した既存メンバーがシームレスに対応し、迅速にプロジェクトを進められます。また、進捗状況に鑑みながら、チーム内で臨機応変にメンバーを動かすことも可能です。

ノウハウが蓄積できる

ラボ型開発では、自社専用のプロジェクトチームを一定期間確保し、基本的には同じメンバーが継続して対応することから、開発を進めるにしたがってノウハウを蓄積していくことが可能です。蓄積されたノウハウにより、開発のスピードや成果物の品質がより向上するという好循環も期待できます。

ラボ型開発のデメリット

ラボ型開発にはメリットが多い一方で、デメリットも存在します。主なデメリットは、次の通りです。

  • 費用対効果が高くならないケースがある
  • マネジメントに配慮が必要
  • チームビルディングに手間がかかる

以下、順に解説します。

費用対効果が高くならないケースがある

自社専用のプロジェクトチームを確保するラボ型開発では、作業がなくても継続的に一定額の費用がかかってしまうことに注意が必要です。つまり、依頼する仕事がなかったり、量が少なかったりするとリソースの余剰が発生し、費用対効果を高められないことになります。

マネジメントに配慮が必要

完成したシステムの納品を約束する形態の請負型開発では、プロジェクト進行の主体は受注者側にあり、基本的には発注者が逐一指示を出したり細かなマネジメントをしたりする必要がありません。一方、ラボ型開発では、プロジェクトチームに対して自社メンバーと同様の扱いを求められることも多く、発注者が進捗確認や課題管理などのあらゆる面でマネジメントに配慮する必要があります。

チームビルディングに手間がかかる

ラボ型開発では、特定のメンバーが自社専用のプロジェクトチームになることから、スムーズに開発を進めるためには手間をかけてチームビルディングを行う必要があります。特に、オフショア開発でラボ型を採用する場合、言葉や文化の違いに配慮しながら、慎重に、かつ根気強くコミュニケーションを図っていかなければなりません。

ラボ型開発を選ぶべきなのはどのようなケースか

ラボ型開発は、一定期間、特定のメンバーを自社専用のプロジェクトチームとして確保できるため、中・長期的な観点で開発を進める相応の規模を持ったプロジェクトに向いているといえます。また、そのようなプロジェクトはなくとも、何らかの開発作業が毎月安定して発生し、それが中・長期的に続くようなケースにも向いているでしょう。

さらに、ラボ型開発はアジャイル手法を採用するケースにも相性が良いとされています。アジャイル手法とは、小さな機能単位で計画・設計・実装・テストを繰り返しながら、柔軟かつ迅速に開発を進めていく方法です。仕様変更を始めとした状況の変化を前提とした手法であるため、都度見積もったり新たな人員を確保したりする必要がないラボ型開発と非常に相性がよいといえます。

ラボ型開発を行う際の注意点

ラボ型開発をスムーズに進めるには、積極的なコミュニケーションを図りながら適切なマネジメントを実施することが最も重要です。特に、オフショアでラボ型開発を採用する場合、密なコミュニケーションは欠かせません。日本の文化や仕事の進め方を理解してもらいながら、慎重にチームビルディングを行う必要があります。

また、いきなり規模の大きな契約を結び、大人数のプロジェクトチームを確保するのではなく、小さなチームでのラボ型開発から始めることも大切です。まずはスモールスタートでコストとリスクを最小限に抑えながら、慣れていくにしたがって徐々に規模を広げていくのが賢明でしょう。

ラボ型開発が得意なシステム開発会社の見極め方

ラボ型開発が得意なシステム開発会社を選定する際には、まずラボ型開発の経験や成功実績が豊富にあるかを確認することが大切です。ラボ型開発によってどのような成果があがったのか、クライアントはどの程度メリットを享受できたのかといった詳細まで質問すると良いでしょう。

その上で、コミュニケーションの経路や体制はどのようなものになるかをしっかりと確かめましょう。前述の通り、ラボ型開発では積極的なコミュニケーションによる適切なマネジメントやチームビルディングが極めて重要です。特にオフショア開発でラボ型を採用する場合、言葉や文化の壁をどのように払拭するのか、体制や仕組みにどういった工夫が施されるのかなどを確認の上、日本人と比べても違和感のないコミュニケーションが可能かどうかを見極めることが鍵となります。

ラボ型開発でよくある質問

以下、ラボ型開発でよくある質問をまとめました。なお、回答は一般的なものであり、システム開発会社や契約内容によって異なる場合があることをご理解ください。

Q.契約期間はどれくらいですか?
A.ラボ型開発の契約期間は、半年間から1年間程度が一般的です。

Q.状況に応じて人数を調整することは可能ですか?
A.追加発注をすることで増員が可能です。ただし、減員については、現契約期間の満了までできないのが普通です。

Q.費用を抑えるにはどうしたら良いですか?
A.ラボ型開発でできる限り費用を抑えるためには、綿密な開発計画を立て、正確なタスク量を見積もりながら適切な規模で発注することが重要です。

Q.納品・検収といったフェーズはありますか?
A.一般的にラボ型開発には納品や検収などのフェーズはありません。特定のプロジェクトに限らず、適切なマネジメントのもと、さまざまな開発作業に従事してもらうことが可能です。

まとめ

これまで見てきた通り、社外に自社専用のプロジェクトチームを確保するラボ型開発には、開発の柔軟性やスピード、コストなどのさまざまな面でメリットがあります。一方で、ケースによっては費用対効果が高まらなかったり、マネジメントやチームビルディングに手間をかける必要があったりするなど、いくつかのデメリットもあることに注意が必要です。

そのため、注目されているからといって安易に採用するようなことはせず、プロジェクトの内容や今後の開発状況などを鑑みながら総合的に判断の上、ラボ型開発がマッチするかどうかを慎重に見極めるようにしましょう。

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フレシット株式会社では、ラボ型開発の柔軟性やスピードといったメリットを活かしつつ、「費用対効果の低下」「マネジメント負担」「文化や言語の壁」といったデメリットを解消した、国内メンバー主体のラボ型開発を提供しています。現場に寄り添う密なコミュニケーションとフルスクラッチ開発で培った豊富な実績により、安心かつ高品質なプロジェクト推進を実現。中長期にわたる事業成長を見据えたラボ型開発なら、ぜひフレシット株式会社にご相談ください。

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監修者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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