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COLUMN コラム詳細

多機能=高性能ではない。“やらないこと”を決めるシステム設計のすすめ

その機能、本当に使われてますか?

2025-08-21

「せっかく作るなら、あれもこれも入れたい」

そんな考えから機能を詰め込んだ結果、操作が煩雑になり、現場で定着しないシステムは少なくありません。
本当に使われる業務システムを実現するには、“必要最小限で最大効果”を狙う設計が重要です。

このコラムでは、多機能化の落とし穴を避けながら、業務にフィットしたシステムを構築するための「ミニマム設計」の考え方と、それを可能にするフルスクラッチ開発の活用方法について解説します。

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【記事要約】若者向け金融アプリのDXSNS化とデザインで新規層を獲得

楽天証券などが展開する若年層向け金融アプリが、SNS風のデザインや操作性を重視することで注目を集めている。ネット通販のUIを参考にした導線や、パーソナライズされた情報提供で「使いやすさ」を追求。価格競争が限界を迎える中、金融サービスのDXは“見た目と体験”での差別化が鍵となりつつある。DXによって金融の敷居を下げ、新たなユーザー層の獲得が進んでいる。

出典:日本経済新聞「(YOUTH FINANCE)金融アプリもSNS風に 見た目・使い勝手、若者に刺さる」2025年6月19日付朝刊

ポイントをひとことで

業務システムは「多機能であること」が必ずしも高性能を意味するわけではありません。むしろ、使い手にとって不要な機能が多いことで操作は複雑化し、混乱や属人化、運用コストの増加を招くリスクがあります。本当に使われるシステムとは、必要な機能に絞り込まれ、導線が明確で、現場に定着しやすい構造を持つものです。フルスクラッチ開発であれば、業務実態に合わせた“やらない設計”を実現でき、長期的な運用に耐えるシンプルかつ柔軟なシステムを構築することが可能です。

多機能=便利、とは限らない

業務システム開発において、「あらゆるニーズに応えよう」とするあまり、必要以上の機能を盛り込んでしまうケースは珍しくありません。しかし、その結果としてよく起こるのが、以下のような事態です。

  • 教育コストが上がる(マニュアルが厚くなる)
  • 現場がどの機能を使えばいいか迷ってしまう
  • メンテナンスが複雑化し、不具合が起こりやすくなる

業務効率化のはずが、むしろ業務の足を引っ張るシステムになることすらあるのです。

やらないことを明確にする設計が鍵

本当に使われるシステムは、「やらないこと」が明確です。業務にとって必要不可欠な要素だけを見極めて残し、周辺の“あっても困らないがなくても困らない”機能は思い切って排除する。この判断力こそが、システム設計の質を大きく左右します。

たとえば、社内申請のワークフローであれば、画面上で申請・承認・却下ができれば十分な場面も多く、閲覧履歴機能やカラーカスタマイズなどは後回しでも困らないことがあります。

少ない機能で最大効果を出すには

最小限の機能で最大の効果を出すためには、以下のような観点で設計を進めることが有効です。

  • 業務プロセスを可視化し、本質的な目的を明確にする
  • 利用者(=現場)の行動とリテラシーを考慮する
  • フローに沿った自然なUI・導線を設計する
  • 後から追加できる機能は初期リリースに含めない

必要な機能を“増やす”発想から、効果の出る機能に“絞り込む”思考への転換が求められます。

フルスクラッチだからできる、柔軟な機能設計

ミニマム設計を実現するには、開発側に柔軟な設計・実装能力が求められます。
既製品やパッケージシステムでは、機能の取捨選択に限界があり、不要なものまで含まれるケースが多く見られます。一方、フルスクラッチであれば業務に必要な機能だけをゼロから構築できるため、“シンプルで使いやすい”設計が可能です。

さらに、将来的に必要な機能をあらかじめ想定し、後から段階的に追加する“拡張性のあるミニマム設計”も、フルスクラッチ開発ならではの強みです。

実際に現場で起こるシステム疲れ

多機能すぎるシステムは、操作ミスや情報迷子、習熟にかかるストレスを生み出し、業務の現場で“使われないシステム”になります。
日々の業務で数十回使うボタンが、何を意味するのか分かりにくいUIだったり、数クリック余計な工程があるだけで、従業員の集中力や効率は確実に下がっていきます。

業務で自然に“使い続けられる”システムは、設計の時点で“やらない勇気”を持って作られているのです。

まとめ

業務システムにとって「多機能=高性能」ではありません。むしろ、“やらないこと”を決めることで、業務にフィットし、誰もが使いこなせるシステムが生まれます。
シンプルな構成と導線、使い手に寄り添った設計こそが、成果を上げるシステムを支えます。機能を詰め込む前に、「この機能は本当に必要か?」と問い直す視点を持つことが、成功する業務システム開発の第一歩です。

こうした「本当に必要な機能だけを精選」するシンプルな設計は、導入現場の混乱を避け、定着率を高める鍵となります。フルスクラッチ開発の強みを最大限に活かすフレシット株式会社では、業務プロセスや利用目的に応じて不要な機能を削ぎ落とし、最適な構造でシステムを構築することを重視しています。現場に本当に求められる機能だけを盛り込み、余計な複雑さを排除したシステムをお探しの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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