〈新規事業推進の視点〉プロトタイプは「営業資料」になる──投資家・社内決裁を動かす試作品戦略
プロトタイプを活用した意思決定の加速とリスク低減
2025-08-25

DXを推進する際、新しいシステムやサービスの構想を関係者に理解してもらうのは大きな課題です。特に投資家や社内決裁者にとっては、計画書だけでは将来の姿をイメージできず、不安が残りがちです。そこで有効なのが「プロトタイプ(試作品)」です。触れて体験できる形を提示することで、プロジェクトの説得力が増し、必要なら早期に損切りの判断を下すことも可能になります。
本コラムでは、プロトタイプを営業資料として活用し、DX推進を加速させる方法を解説します。
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目次
【記事要約】スタートアップの成長を左右する「プロトタイプ開発」の進め方
スタートアップは創業後、顧客課題を深掘りし、試作品(プロトタイプ)で市場適合性を検証する段階に入る。重要なのは資金制約下でも顧客が購買を決める最小限の機能=MVPを特定すること。スマートバンクは150件のインタビューや海外調査を経て、カードとアプリ連動の家計管理サービス「B/43」を開発。半年継続率は98%に達した。シェアダインは半年間で20回以上試験利用を行い、利用者の食の悩みと料理人のスキルを可視化する機能を搭載。明確な差別化により投資家の評価も獲得した。
出典:日本経済新聞「〈The Startup Life〉ステージ(2)プロトタイプ開発 顧客射止める機能探れ インタビューで深掘り」2025年8月7日付朝刊
ポイントをひとことで
プロトタイプを「営業資料」として活用する発想は、DX推進における実務的な突破口となります。仕様書や計画書だけでは不透明な将来像を、試作品によって具体化することで、投資家や社内決裁者に実現性と納得感を与えられます。重要なのは、このアプローチが「進める理由」を補強するだけでなく、「やらない」と判断する早期の損切りにも寄与する点です。つまりプロトタイプは、成功を加速させる武器であると同時に、失敗を最小化する保険の役割も果たします。DXのスピードと精度を高めるうえで欠かせない実践的手法といえるでしょう。
プロトタイプがもたらす「体験による説得力」
仕様書や数値だけの説明では、DXの効果を直感的に伝えるのは困難です。プロトタイプを提示することで、投資家や社内関係者は実際のユーザー体験をイメージできるようになります。短時間の操作デモだけでも「この仕組みは有効だ」と理解してもらえ、システム開発の実現性と効果を同時に訴求できます。
投資家へのプレゼンと資金調達での効果
資金調達の場面で投資家が重視するのは、市場適合性と回収見込みです。プロトタイプを見せることで、ユーザー課題をどう解決するかを具体的に示し、事業計画の信頼性を高められます。また、実際に動く試作品を提示することで、システム開発の技術的な裏付けを示せるため、資金調達における安心感と信頼を強化できます。
社内決裁を加速させる試作品戦略
大規模なDXプロジェクトは複数部署の承認が必要で、調整に時間がかかることが少なくありません。プロトタイプを活用すれば、各部門は自分たちの業務フローに与える影響を直感的に理解でき、社内決裁がスムーズになります。加えて、初期段階で懸念点が可視化されるため、仕様変更や後戻りによるコスト増を防止できます。
早期の損切りを可能にする判断材料
プロトタイプのメリットは「進めるための材料」だけではありません。実際に試作を使うことで「想定した成果が出ない」「コストに見合わない」と早期に判断できる場合もあります。これにより、不確実なプロジェクトに大規模な投資をしてから失敗するリスクを回避し、早期の損切りを可能にします。これはDX投資において、成功確率を高めると同時に失敗を最小化する重要な仕組みです。
システム開発会社と連携するメリット
プロトタイプを営業資料として効果的に活用するためには、経験豊富なシステム開発会社との連携が不可欠です。利用者インタビューから得た課題を迅速に形にし、投資家・経営層・現場担当者にわかりやすく提示できる試作品を構築することで、DX推進の加速と成功確率の向上につながります。
まとめ
プロトタイプは単なる試作品ではなく、DX推進の重要な武器です。投資家には資金調達を成功させるための根拠を、社内決裁者には合意形成のスピードを、そして開発チームには早期の損切りを可能にする判断材料を提供します。成功の確度を高め、失敗のリスクを抑えるために、プロトタイプを戦略的に活用することが求められます。
フレシット株式会社では、このコラムで解説した「プロトタイプを営業資料として活用する戦略」を開発プロセスに組み込み、お客様のDX推進を力強く支援しています。企画段階で顧客インタビューや業務フローを丁寧に分析し、最小限の試作品を短期間で構築。そのプロトタイプを投資家や社内決裁の場でご活用いただくことで、プロジェクトの合意形成や資金調達を円滑に進められます。また、早期の段階で“やらない”判断を含めた損切りも可能になるため、無駄な投資リスクを抑えられます。将来的な拡張や独自要件にも柔軟に対応できるオーダーメイド開発により、フレシットは「説得力のある試作品づくり」と「成功するシステム構築」を一気通貫で実現します。
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著者プロフィール
フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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