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COLUMN コラム詳細

都立高校の学習管理に学ぶ──“見える化”が生む主体性と業務システム設計のヒント

管理ではなく、“気づき”を生むシステム設計の発想

2025-09-02

東京都が都立高校に導入を進める学習管理システム(LMS)では、生徒が自ら学習の進捗を記録し、可視化できる仕組みが試行されています。ある生徒は「勉強の記録が見えることでモチベーションになる」と話しました。この発想は教育現場だけでなく、企業の業務システム設計にも直結します。

本コラムでは、従業員の主体性を育み、組織全体の成長を後押しする“見える化”の仕組みについて、DXの観点から掘り下げます。

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【記事要約】都立高校、DXで学びを刷新──LMS導入で主体性を育む教育へ転換

東京都は都立高校の教育を「一斉指導型」から脱却し、デジタルとリアルを組み合わせた学びへ転換する。2025年度は生成AIを活用した教材開発や学習管理システム(LMS)の試行導入を進め、生徒が進度や学習履歴を自ら管理できる仕組みを整備。これにより主体性を育成し、教員も個々の学習状況に応じた指導が可能となる。LMSは通信制校で効果を確認済みだが、全日制での導入には教員の働き方への影響もあり慎重な検討が必要とされる。東京都はこうしたDXを通じ、変化の速い社会に対応できる人材育成を目指す。

出典:日本経済新聞「都立高、一斉指導を転換へ 生徒が学習管理システムで進度計画全日制でも導入視野 主体性生む環境整備」2025年8月26日付朝刊

ポイントをひとことで

業務システムにおける「見える化」は単なる管理手法ではなく、従業員の主体性を育む重要な仕組みです。数値や進捗が曖昧な環境では、個々の努力や貢献が認識されにくく、やる気の低下につながります。一方、適切に設計された可視化は従業員に達成感を与え、自ら次の行動を選び取る動機を生み出します。DXの本質は技術導入にとどまらず、こうした「人と組織の行動」を変える点にあり、フルスクラッチ開発による柔軟な設計こそ効果を最大化できる道筋といえます。

可視化が人の行動に与える影響

人は自分の努力や成果が目に見える形になると、達成感を感じやすくなります。学習記録がモチベーションを生むのと同じように、企業の現場でも進捗や成果を確認できる仕組みがあれば、従業員は「次の目標に挑戦しよう」という前向きな意欲を持ちやすくなります。
一方で、業務の進行状況が不透明だと「自分の仕事がどのくらい会社に貢献しているのか」が見えず、モチベーションは低下しがちです。可視化は単なる情報整理にとどまらず、行動そのものを前進させるエンジンになるのです。

単なるダッシュボードでは不十分

業務システムの導入でありがちなのが、数字やグラフを一画面に並べて「見える化は達成した」と考えるケースです。しかし、情報量が多すぎたり業務に直結しない指標ばかりでは、従業員にとって活用価値の低いツールになってしまいます。
教育現場で効果を発揮するのは、学習履歴をただ羅列するのではなく、「目標に対していま自分がどこにいるか」を理解できる設計です。企業システムでも同様に、各業務の特性に合わせて「この情報が行動改善に直結する」というポイントを押さえた設計が必要です。

可視化が主体性を育む理由

従業員が自分の仕事の進捗や成果を自ら把握できれば、次に取るべき行動を主体的に考えることができます。これは「指示を待つ働き方」から「自ら動く働き方」への転換を促します。
さらに、上司にとっても可視化は指導の在り方を変える契機になります。数値や履歴が明確であれば、上司は細かな指摘ではなく「今の強みを伸ばすにはどうすべきか」という伴走型のサポートにシフトできます。可視化は、組織全体に双方向のコミュニケーションを生み出す仕組みでもあるのです。

可視化とエンゲージメントの関係

従業員のエンゲージメントを高めるために、企業は給与や福利厚生だけでなく「仕事を通じて成長を実感できる環境」を提供することが求められています。可視化はまさにその実感を支える基盤です。
例えば営業部門であれば案件ごとの進捗や成約率を、製造部門であれば不良率や生産性の推移を、バックオフィスでは処理時間や業務改善の履歴を可視化することで、従業員は自分の努力が会社全体にどう貢献しているのかを実感できます。これがエンゲージメントを強化し、離職率低下や生産性向上につながります。

DXの本質としての見える化

DXというとAIやクラウドといった最新技術の導入に意識が集中しがちです。しかし本質は、技術を手段として「業務の進め方」そのものを変革することにあります。
学習記録が生徒の主体性を高めるように、業務記録や成果の可視化も従業員の行動を変える起点になります。重要なのは、監視や管理のためではなく「主体的に行動を選び取れる仕組み」としてシステムを設計することです。そのためには、既存のパッケージをそのまま導入するのではなく、自社の文化や業務フローに合わせた柔軟なシステム構築が求められます。

まとめ

学習の可視化が生徒のやる気を高めるように、業務の可視化は従業員の主体性を引き出します。単なる数値の提示ではなく、次の行動を自ら考えられる仕組みを備えることで、組織は自律的に成長していけます。DXにおける“見える化”は、管理ツールにとどまらず、働き方や組織文化を変える大きな力を持っているのです。

従業員の主体性を引き出す“見える化”を実現するには、単なるパッケージの導入ではなく、自社の業務特性や文化に合わせた柔軟な設計が不可欠です。フレシット株式会社は、フルスクラッチによるオーダーメイド開発を強みとし、現場の声を反映したシステム構築を得意としています。要件定義から設計、開発、運用保守まで伴走し、データの可視化を通じて組織の成長を後押しする仕組みを実現します。主体性を育むDXを形にしたいとお考えなら、ぜひご相談ください。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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