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COLUMN コラム詳細

アイプロの成長戦略に学ぶ──システム開発における“選択と集中”で成果を最大化する方法

自社の強みに集中するための外部パートナー活用の考え方

2025-09-12

限られた経営資源をどこに投じるかは、企業成長を左右する最重要の経営判断です。すべてを自社で抱え込む「自前主義」は一見堅実に見えても、スピードと柔軟性を求められる現代のビジネス環境では逆にリスクとなる場合があります。そこで注目されるのが「選択と集中」という考え方です。

本コラムでは、自社の強みに経営資源を集中的に投じながら、システム開発は外部パートナーと役割分担することで成果を最大化する戦略について解説します。

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【記事要約】パナ子会社から独立したアイプロ、分業とAI活用で急成長

2019年にパナソニックから独立したセキュリティーカメラメーカーのアイプロは、25年3月期に売上高が515億円となり、21年比で7割増を達成した。独立当初は不安もあったが、他社との分業を進め、AI搭載やエッジコンピューティングに注力。新製品開発もモジュール化により5倍に拡大した。経営効率を示すCCCも改善し、EBITDA率は業界トップ水準に到達。アイプロの成長は、事業売却を検討するパナソニックHDにとって参考事例となっている。

出典:日本経済新聞「アイプロ『パナから独立怖かった』 売上高、4年で7割増 他社と分業/新製品開発力5倍」2025年9月9日付朝刊

ポイントをひとことで

システム開発における「選択と集中」は、単なる経営スローガンではなく、成果を生み出すための実践的な指針です。すべてを自社で抱え込もうとすれば、限られた人材や資金は分散し、強みを磨く余力を失います。自社が価値を発揮できる領域を明確にし、それ以外は信頼できる開発会社と役割分担することで、効率と品質を両立した開発が可能となります。結果として企業はリソースを最適配分し、競争力を高めるシステム戦略を描けるのです。

自前主義がもたらす負担と限界

システムをすべて自社内で開発・運用する場合、エンジニアの採用・教育コスト、開発体制の維持、技術の陳腐化への対応など、負担は計り知れません。短期的には内製化によってコントロール性を保てるように思えても、長期的には属人化やノウハウの固定化といったリスクを抱え込みます。さらに、あらゆる領域を自前で担おうとする結果、開発の優先順位が曖昧になり、競争力を持つべき領域に十分な投資ができなくなるという弊害も生じます。

選択と集中の本質とは何か

「選択と集中」とは単にコストを削減するための手法ではなく、企業が限られた資源を最大限に活かすための戦略的意思決定です。たとえば、顧客接点を強化するUI/UX設計や自社ならではのデータ活用基盤などは、自社の強みを象徴する領域として重点的に取り組むべきです。一方で、共通化できる基盤開発やセキュリティ対策などは、専門知識を持つシステム開発会社と連携する方が効率的です。この切り分けによって、企業は「本当に磨くべき強み」にリソースを集中できます。

外部パートナーと分業するメリット

システム開発会社とパートナーシップを組むことは、単なる外注ではなく“共創”の関係を築くことに直結します。

  • スピード:外部の専門チームを活用することで、市場投入までの時間を大幅に短縮できます。
  • 柔軟性:業界標準の技術や最新のフレームワークを取り込み、変化の激しい環境にも対応できます。
  • 品質:開発やテストのプロセスを専門会社に任せることで、システムの安定性と信頼性を確保できます。
  • コスト最適化:自社に常に専門人材を抱える必要がなく、必要なタイミングで必要なリソースを確保できます。

結果として、自社は経営戦略や事業モデルに直結する領域に集中しながら、システムの完成度を高めることが可能になります。

成功事例から学ぶシステム戦略

パナソニックから独立したアイプロのケースは、まさに選択と集中の実践例といえます。知名度や資金力で劣る状況においても、自社の得意分野であるカメラのハード開発に人員を集中させ、ソフトやSIは外部と協働する戦略をとりました。その結果、開発スピードは加速し、新製品投入数も大幅に増加しました。これはシステム開発を含むあらゆる業務に通じる教訓であり、「全部を自分でやる」ことが必ずしも最適解ではないことを示しています。

成果を最大化するための考え方

重要なのは「自社にしかできない領域」と「外部に任せるべき領域」を明確に線引きすることです。基幹システムや顧客体験に直結する部分は自社で方向性を決めつつ、開発や実装の過程はシステム開発会社と役割分担する。これにより、強みを失うことなく、効率と品質を両立できます。経営資源を分散させず、最も効果を発揮する箇所に投資できる点こそ、成果を最大化する最大のポイントです。

まとめ

システム開発における「選択と集中」とは、経営資源を効果的に活用するための攻めの戦略です。自社の強みにリソースを集中的に投じながら、外部パートナーと協働して不足する部分を補完することで、スピード・柔軟性・品質を兼ね備えたシステム開発が実現できます。これからのシステム戦略において重要なのは、自前主義に固執することではなく、成果を最大化するために役割分担をどう設計するかという視点です。

フレシット株式会社では、企業ごとの事情や現場の声を丁寧に拾い上げながら、ゼロから最適な仕組みを形にしています。既存のパッケージに寄せるのではなく、事業に合わせて設計するからこそ、無理のない運用と本当に役立つシステムが実現できます。限られたリソースをどこに投じるかを考える経営にとって、私たちのフルスクラッチ開発は力強い選択肢になると考えています。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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