to TOP
無料で相談する 資料を請求する

COLUMN コラム詳細

トヨタの部品削減施策に学ぶ──見えない在庫・売れないサービスをあぶり出す俯瞰視点の全体最適化

全体を俯瞰し、商品・在庫・サービスを最適化するアプローチ

2025-09-19

自動車1台には約3万点もの部品が使われています。トヨタ自動車はその膨大な部品群を全体で俯瞰する仕組みをつくり、重複やほとんど使われない部材を整理しました。その結果、在庫やコストを大幅に削減し、生産効率を高めることに成功しています。

この取り組みは製造業に限らず、商品・在庫・サービスを扱うすべての企業に共通するヒントを与えてくれます。現場の目線だけでは見えない非効率を、全体を俯瞰するシステムによって浮き彫りにし、最適化を進める方法を考えていきましょう。

>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら

【記事要約】トヨタ、俯瞰的な視点で部品の重複を排除し生産効率を向上

トヨタ自動車は「AREA35」と呼ぶ取り組みを通じ、部品の種類を最大8割削減し、工場内に平均35%の余剰スペースを創出した。従来は車種ごとに個別の改善を進めていたが、開発・生産・販売を一体で俯瞰することで、重複や不必要な部品が浮き彫りとなり、効率化や働きやすさ向上につながった。今後は国内外18工場に展開し、電動化や自動運転で競争軸が変化する中でも、持続的なカイゼンで競争力維持を目指す。

出典:日本経済新聞「トヨタ、部品を最大8割減世界18工場で『カイゼン』 重複回避、種類絞り込み」2025年9月13日付朝刊

ポイントをひとことで

企業活動において商品や在庫、サービスを増やすことは容易でも、不要なものを削る判断は難しいものです。現場単位での改善では重複や非効率が見過ごされやすく、全体を俯瞰して初めて課題が明らかになります。本コラムは、トヨタの部品削減事例を手がかりに「部分最適から全体最適へ」という重要な視点を示しています。システムをフルスクラッチで構築することは、この俯瞰視点をシステムに組み込み、経営に直結する意思決定を可能にする具体的な手段となるでしょう。

部分最適が生む「見えない在庫」の罠

多くの企業では、部門ごとに独自の判断で商品やサービスを追加・管理していくため、全体最適から離れてしまう傾向があります。販売部門は売上拡大を目的に新しい商品を提案し、生産部門は安全マージンを確保するために在庫を厚めに持ち、開発部門は顧客要望に応じて細かい仕様を増やしていく。

こうした動き自体は正しい判断ですが、結果として「売れない商品が残り続ける」「在庫が眠り続ける」「重複するサービスが並存する」といった問題を生み出します。現場の目線だけでは、これらがどれほど全体に影響しているのかを把握するのは困難です。

俯瞰することで初めて見える非効率

トヨタの部品削減は、まさに全体を俯瞰したからこそ実現できた施策です。工場単位や部門単位では気づけない「一度も使われていない部品」や「仕様がほぼ同じ部材」が、俯瞰視点を持つことで浮き彫りになりました。

これと同じように、企業の商品ラインナップやサービス群も、一歩引いて全体像を眺めると、利用されていない仕組みや重複する商品が顕在化します。部分最適の積み重ねでは改善できない課題を解決するには、全体最適の視点が不可欠なのです。

フルスクラッチ開発で実現する全体把握

既存のパッケージシステムやクラウドサービスは、導入の手軽さが魅力ですが、往々にして「特定業務を効率化する」ことにとどまります。経営判断に必要な「全体像の把握」までは対応しきれないケースが少なくありません。

フルスクラッチ開発なら、自社の業務構造やデータフローに合わせて設計できるため、商品・在庫・サービスを一元的に統合管理できます。各部門からの情報を横断的に集め、重複やムダをシステム上で明確化することで、経営層が全体像をもとに判断できる環境が整います。

全体最適化がもたらす具体的な効果

全体を俯瞰する仕組みが整うと、以下のような効果が期待できます。

  • 在庫圧縮:売れていない商品や滞留在庫を明確にし、保管コストを削減。
  • 商品・サービスの絞り込み:重複ラインナップを統合し、利益率の高い商品にリソースを集中。
  • 意思決定の迅速化:全体像を見ながら商品企画やサービス設計を進められるため、判断が早くなる。
  • 従業員の負担軽減:管理対象が整理され、日常業務がシンプルに。結果的に現場のモチベーションも高まる。

これらは単なるコスト削減ではなく、経営全体の効率と競争力を高める施策につながります。

部門横断の「見える化」がカギ

重要なのは、単に在庫を減らすことではなく、部門横断で情報をつなぎ、全体を「見える化」することです。販売部門が抱える課題、生産現場の実情、開発部門の意図──これらを俯瞰的に把握して初めて、何を削減し、何を強化すべきかの最適解が見えてきます。トヨタの事例は、製造業に限らず、あらゆる業種に共通する示唆を与えています。

まとめ

企業が抱える商品・在庫・サービスの複雑化は、現場レベルでは気づきにくい重複やムダを生み出します。全体を俯瞰できる仕組みを持つことで、使われない在庫や売れないサービスをあぶり出し、効率的な運営へとつなげることができます。トヨタの部品削減が示すように、全体最適の視点は真の競争力を高めるための鍵となるのです。

全体最適の視点を持つには、単に既存システムを寄せ集めるのではなく、自社の業務構造や将来像に合わせた基盤が必要です。フレシット株式会社は、フルスクラッチ(オーダーメイド)の開発を通じて、商品や在庫、サービスの全体像を俯瞰できる仕組みをゼロから設計します。現場では見えにくい非効率を浮き彫りにし、経営判断を支える「使えるシステム」を形にすることで、企業が持つ潜在的な力を引き出すお手伝いをいたします。

>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら

著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

公式Xアカウントはこちら

CONTACT お問い合わせ

フルスクラッチのシステム開発会社フレシットへのお問い合わせ

REQUEST 資料請求

フルスクラッチのシステム開発会社フレシットへの資料請求