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COLUMN コラム詳細

メルカリ越境アプリに学ぶ、停滞を破る武器は“専用アプリ”──自社の成長課題を解決するフルスクラッチ開発の可能性

停滞を破るのは“自社専用アプリ”──成長を再起動する切り札

2025-10-03

フリマアプリ大手のメルカリは、国内市場の伸び悩みを背景に、海外消費者が日本の商品を購入できる「専用グローバルアプリ」を発表しました。従来の仕組みでは販路拡大やデータ活用に限界があり、独自アプリの投入で停滞打破を図ったのです。この動きは、あらゆる事業会社にとって示唆に富んでいます。汎用サービスに依存する限界を超え、自社専用のアプリやシステムを構築することで、どのように成長課題を解決できるのか。

本コラムでは、事例を交えながら専用アプリがもたらす可能性を探ります。

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【記事要約】メルカリ、専用アプリで越境取引を拡大し国内停滞を打破へ

フリマアプリ大手メルカリは、国内出品商品を海外消費者が購入できる「専用グローバルアプリ」を開始した。まず台湾・香港向けに提供し、2028年までに50カ国以上への展開を計画する。国内市場の成長鈍化を背景に、アニメグッズなど海外人気商品の販路拡大で停滞打破を狙う。AI翻訳や倉庫経由の配送、検品体制を整備し、安心・簡便な取引を実現する点が特徴。第三者依存から脱し、自社アプリを通じた直接取引により販促やデータ活用の自由度を高めることで、新たな成長軌道を描く戦略だ。

出典:日本経済新聞「〈ビジネスTODAY〉メルカリ、越境取引に活路国内出品→50カ国・地域で販売へ 専用アプリで停滞打破」2025年9月30日付朝刊

ポイントをひとことで

専用アプリを活用したメルカリの戦略は、多くの事業会社にとって示唆的です。汎用サービスではデータ取得や販促施策に制約があり、差別化が難しい状況に陥ります。専用アプリは、AI翻訳などのユーザー体験を強化すると同時に、購買履歴や利用データを自社に蓄積できる点が強みです。これにより、販促の自由度が増し、長期的な成長基盤を築くことが可能になります。成長の停滞を突破する鍵は、自社仕様に設計された仕組みにあるといえるでしょう。

国内市場の停滞と突破口としての専用アプリ

多くの企業は事業が一定の規模に達すると「成長の鈍化」に直面します。利用者数や売上は頭打ちになり、既存の施策では大きな変化が得られない状況に陥ります。メルカリも同様で、国内のフリマアプリ市場は月間利用者数が2,000万人を超えたものの成長は鈍化し、流通総額も低迷していました。

そこで投入されたのが、海外向けに最適化された「専用アプリ」です。単なる言語対応にとどまらず、商品説明文の自動翻訳や倉庫での検品・配送手配など、ユーザーが安心して購入できる仕組みを一から設計しました。これにより、国内市場の停滞を新しい販路の開拓によって打破しようとしています。

汎用サービスの限界と専用アプリの強み

多くの企業は、汎用的なサービスやプラットフォームを利用して業務や販売を拡大しようとします。確かに導入の手軽さや低コストという点ではメリットがあります。しかし一方で、以下のような限界に直面します。

  • データが自社に蓄積されにくい
  • 販促施策がプラットフォームの仕様に縛られる
  • 独自性が出しにくく、競合との差別化が難しい

メルカリの事例でも、従来の越境ECは第三者のサービスを介して行われており、顧客データや購買履歴の取得に制約がありました。結果として、自社独自のマーケティング施策を十分に打てないという課題が残っていたのです。専用アプリは、こうした制約を取り払い、自社が主導権を持って顧客理解と販促を進める強力な武器になります。

AI翻訳が生む購入のしやすさ

専用アプリが停滞打破の鍵となるのは、単なる販売チャネルの拡大にとどまらず「体験価値」を高める点にあります。特に注目すべきは、AIを用いた商品説明文の自動翻訳です。

国内の出品者は従来通りに商品を登録するだけで、海外消費者には自動翻訳された言語で商品情報が表示されます。これにより、言語の壁を意識することなく購買体験を提供できるのです。越境取引における最大のハードルは「不安」です。情報が正しく伝わらないことによる誤解やトラブルは、購入意欲を大きく削ぎます。AI翻訳機能を標準装備することで、安心感と購入のしやすさが格段に向上しました。

購入のしやすさが収益モデルを変える

購買体験の改善は、単に顧客満足度を高めるだけではありません。メルカリの場合、海外消費者が国内の商品を購入しやすくなることで取引件数が増え、その分だけ、手数料収入も拡大します。

ここから学べるのは、「使いやすさ」と「収益性」は表裏一体だということです。自社専用アプリを通じて購入フローを簡略化したり、ユーザーにとっての不安要素を解消したりすることは、結果的に企業の利益を押し上げる仕組みになります。これはECに限らず、あらゆる業種のサービス設計に応用可能な視点です。

データ活用の自由度がもたらす成長戦略

越境ECの課題として指摘されていたのが「データの制約」です。他社プラットフォームを介した取引では、顧客データや購買履歴を十分に取得できず、分析や販促の自由度が限られます。

専用アプリを持つことで、企業はユーザーの行動データを自社に蓄積できます。どの商品がどの国で人気があるのか、どのタイミングで購入が増えるのかといった情報は、次の施策を打つための重要な基盤となります。データに基づく意思決定が可能になれば、広告費や販促施策の効果も最大化でき、成長の精度が高まります。

フルスクラッチ開発が果たす役割

専用アプリの導入で学ぶべきもうひとつのポイントは「汎用サービスでは実現できない機能や仕組みを、フルスクラッチ開発で実現できる」ということです。
汎用的なサービスでは、翻訳機能や検品体制、倉庫連携といった高度な仕組みを柔軟に組み込むことは難しいケースが多いです。そこで必要になるのが、自社の業務特性や顧客の行動に合わせて一から設計するフルスクラッチ開発です。
フルスクラッチ開発は初期コストや工数がかかりますが、その分、差別化や成長課題の解決につながる「唯一無二の武器」を持つことができます。

他業種にも応用できる専用アプリの発想

今回の事例はEC業界に限った話ではありません。例えば以下のような業種でも同様の発想が活用できます。

  • 製造業:グローバルに展開する取引先向けの専用発注アプリ
  • サービス業:顧客の利用履歴を反映した予約・購買アプリ
  • 不動産業:物件情報をAI翻訳して海外投資家に提供する仕組み
  • 教育業界:受講履歴や学習データを自社で蓄積できる学習アプリ

共通するのは「既存のプラットフォームでは得られないデータや顧客接点を、自社専用アプリを通じて獲得できる」という点です。

まとめ

国内市場の成長が鈍化する中で、メルカリは専用アプリの投入により新たな販路を切り開きました。この取り組みは、汎用サービスに依存する限界を打ち破り、成長課題を解決するヒントを与えてくれます。AI翻訳による購入のしやすさ、顧客データを自社に蓄積できる自由度、そして収益モデルの再設計。これらはすべて、フルスクラッチで構築された専用アプリだからこそ実現できた強みです。
事業会社にとって「自社の成長を次のステージに押し上げる武器」が必要なとき、その答えは既存のサービスではなく、自社仕様に設計された専用アプリにあるかもしれません。

自社の課題を本質的に解決するためには、既存のサービスに合わせるのではなく、自社に最適化された仕組みを持つことが不可欠です。フレシット株式会社は、要件整理から設計・開発・運用保守まで一貫して伴走し、フルスクラッチ(オーダーメイド)での開発を得意としています。業務特性や将来の成長戦略を見据えたシステム構築により、他にはない“専用の武器”を実現します。汎用サービスでは得られない独自性と競争力をお求めの際は、ぜひ当社にご相談ください。

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監修者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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