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COLUMN コラム詳細

システム開発で後悔しないために知っておくべき失敗事例7選

2025-10-31

システム開発は多くの企業にとって重要な投資ですが、実際には「想定したシステムではなく後悔した」「バグが多すぎて後悔した」といったトラブルも少なくありません。

こうした失敗の多くは、事前に知っておけば防げるケースがほとんどです。

そこで本コラムでは、システム開発で後悔しないために知っておくべき「よくある失敗事例7選」をご紹介します。これからシステム開発を検討している方は、同じ落とし穴にハマらないよう、ぜひ参考になさってください。

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システム開発の失敗とは?

システム開発における失敗とは、「開発フローのいずれかの段階で、本来の目的を達成できないこと」を指します。

残念ながら、多くのシステム開発は計画通りに進みません。だからこそ、各フェーズで起こりやすい失敗を想定し、事前に対策を講じることが重要です。特に、基本的なミスを確実に防ぐことで、想定外のトラブルに対処できる余力を残せます。

まずはスケジュール管理を徹底し、リソースを適切に配分することが大切です。

システム開発が失敗する割合

「IPA(独立行政法人情報処理推進機構)」のシステム障害に関する調査によれば、システム開発はどのフェーズでも一定の確率で失敗していることがわかります。

この調査は、2006年12月から2008年10月に発生した「85件のシステム障害」を分析したもので、フェーズ別の障害割合は以下の通りです。

  • 開発段階:29%
  • 保守段階:31%
  • 運用段階:40%

一般的には、「開発段階での不備が失敗の原因」と思われがちですが、実際には運用保守までを含めた全フェーズでトラブルが発生しています。

本調査はやや古いものの、失敗の原因が特定の工程に限らないことを示すデータとして、今も有用です。

参考:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「Part3. – システム障害事例の分析と対策指針」

システム開発が失敗する原因

主な開発フロー主な失敗原因
要件定義計画不足・認識のズレ
設計(基本・詳細)ヒアリングの軽視・曖昧な仕様
開発・実装ルールの欠如・品質のばらつき
テスト短時間のテスト・パターン不足
リリース準備不足・環境の未整備
運用保守体制の不備・コミュニケーション不足

システム開発の主な失敗原因を、各フェーズごとに整理しました。

こうして見ると、すべての開発フローにリスクの芽が潜んでいることがわかります。
プロジェクトを成功に導くためには、各フェーズでの失敗原因を理解し、後悔しないための対策を講じることが大切です。

開発の初期段階だけではなく、運用保守まで見据えた計画を立てることで、トラブルの発生を最小限に抑えることができます。

システム開発の失敗事例7選

システム開発では、どのフェーズにも失敗のリスクが潜んでいます。

ここでは、代表的な失敗事例7選とその対策を解説していきます。事前に起こりうるリスクを把握し、後悔しないシステム開発を進めるために参考にしてください。

ケース1 要件定義

要件定義の失敗の多くは、プロジェクトの目的やゴールが明確でないことに起因します。
特に注意したいのが、発注側の曖昧な要望をそのまま受け入れてしまうことで後悔するケースです。

例えば、「使いやすいシステムにしたい」「他社のような機能が欲しい」といった抽象的な要望を具体化せずに進めると、開発側と発注側の認識にズレが生まれます。
こうした状況が続けば、結局は要件定義のやり直しとなり、コミュニケーションの問題にまで発展するかもしれません。

<対策>
要件定義では、開発側と発注側の認識のズレを抑えることが大切です。
発注側との打ち合わせ内容は必ずドキュメント化し、合意事項を書面で残すようにしましょう。また、機能要件一覧や画面イメージ、業務フロー図など、各項目ごとに明確な承認プロセスを設けることも忘れないでください。双方の共通認識を明文化することが、要件定義を成功に導く第一歩です。

ケース2 基本設計

基本設計では、「だれが、どのように使うか」を明確にすることが大切です。

開発側だけの視点で設計を進めると、リリース後に現場から「使いにくい」「流れに合わない」といった後悔の声が上がることがあります。どれだけ機能が優れていても、現場に混乱を招いてしまっては本末転倒です。

<対策>
基本設計の失敗を防ぐためには、何よりも現場の声が重要です。
業務担当者や利用者を巻き込み、実際の業務フローを丁寧にヒアリングしてください。そのうえで、プロトタイプやモックアップを活用し、利用者に触れてもらいながら、基本設計をブラッシュアップしましょう。現場の声を設計に落とし込むことで、リリース後のトラブルを格段に減らすことができます。

ケース3 詳細設計

詳細設計は、解釈のズレが起こりやすいフェーズです。

仕様が抽象的な場合、開発担当者ごとに受け取り方が変わってしまい、成果物の整合性が取れなくなることがあります。さらに、レビューを省略したり、軽視したりすると、こうした認識のズレが広がりやすいです。結果的に、スケジュールの遅延やクオリティの低下につながり、後悔する結果を招いてしまうことも少なくありません。

<対策>
詳細設計の失敗を防ぐためには、曖昧な仕様の洗い出しが必要です。
開発者が迷わず実装できるレベルにまで設計書を具体化し、必ず第三者によるレビューを行いましょう。仕様の抜け漏れや解釈の相違、設計の実現可否などを明確にしながら進めていくことが大切です
こうした工程により、手戻りを最小限に抑え、成果物の品質を安定させられます。

ケース4 開発・実装

開発・実装では、成果物の品質維持が大きな課題となります。

開発メンバーのスキルや経験が異なると、同じ仕様でもコードの書き方や実装方針に差が出てしまい、結果として品質にばらつきが生じます。特に、自社メンバーと外部パートナーが混在するプロジェクトでは注意が必要です。

<対策>
開発・実装前に、プロジェクト全体の共通ルールを明確にしましょう。
コーディング規約や命名規則の統一、コードレビューの定期的な実施はもちろん、ペアプログラミングや自動テストの導入なども有効です。こうしたルールを明確化することで、成果物の品質を維持しやすくなります。チーム全体で品質を守る意識を持ち、安定した成果物を目指してください。

ケース5 テスト

テストは、プロジェクトにおける品質保証の最終ラインです。

どれほど優れた実装を行っても、テストに十分な時間をかけなければ、成果物のクオリティを担保することはできません。それほどまでにテスト工程の余裕は、成果物の出来を左右します。
もし検証が不十分なままリリースを迎えれば、運用後にトラブルが多発し、後から後悔につながる恐れもあるでしょう。

<対策>
テストでは、「早期の計画」と「時間の確保」が大切です。
開発初期からテスト項目と範囲を明確にし、検証に必要な時間を確保してください。また、「どの状態を合格とするか」といった明確な基準を持つことで、検証における精度を上げられます。こうした工夫により、仮に問題が発生したとしても、一定の品質を担保できるでしょう。

ケース6 リリース

リリースでの失敗の多くは、計画の甘さに起因します。

新システムへ移行するとき、何らかの不備によって深刻な問題に発展するケースは少なくありません。その際、事前にトラブルを想定しておかなければ、冷静に対処することが難しくなります。

その結果、システム開発のゴール寸前で振り出しに戻る可能性も出てくるでしょう。こうなってしまうと今までの開発が水の泡となり、大きな後悔を招く結果になりかねません。

<対策>
リリース時のトラブルを防ぐには、本番環境に近い条件でのリハーサルが不可欠です。
また、万が一のトラブルを想定した計画を立てておくことも大切です。事前に関係各所と連絡をとり、トラブル後の動きを確認しておきましょう。システムのリリースは、開発側にとってはゴールのように見えますが、発注側にとってはスタートです。この違いを十分に理解し、最後まで気を抜かないように心がけてください。

ケース7 運用保守

システムは、リリースして終わりではありません。

リリース後の運用保守体制が整っていないと、特定の担当者に問い合わせが集中し、システムの属人化が発生します。その結果、対応の遅延や情報共有の不足を招き、発注側が満足にシステムを利用できなくなるかもしれません。

<対策>
運用保守では、継続的な改善サイクルを設計することが重要です。
そのためには、定期的な打ち合わせの実施や改善履歴の共有、知見のナレッジ化といった仕組みづくりが欠かせません。これらを実践することで、単なる運用保守にとどまらず、システムを継続的に成長させられます。
開発側にとって運用保守は、今後の改善点や新規プロジェクトに役立つ知見を得られる重要なフェーズです。

まとめ

システム開発の失敗例と対策について解説してきました。

すべてのフローに共通する大切な心得は、「事前準備」と「情報共有」です。
開発初期からリスクを見越した準備を行えば、想定外のトラブルにも柔軟に対処できます。また、開発に関わる全員が情報を共有することで、成果物のクオリティをさらに高めることが可能です。

ぜひ、このコラムで紹介した失敗例と対策を理解して、プロジェクトを成功へと導いてください。

さいごに

システム開発で後悔を避ける最大のポイントは、「自社に最適化された設計思想」を持つことです。
テンプレートや既製のパッケージでは、業務の実態に合わず、結果として“使われないシステム”になってしまうケースも少なくありません。

当社フレシット株式会社では、業務の現場を丁寧にヒアリングし、課題の本質を捉えたうえで、フルスクラッチ(オーダーメイド)で最適なシステムを設計・開発します。開発後も運用・改善まで伴走し、現場に根づく仕組みづくりを支援しています。

「作って終わり」ではなく「使われ続けるシステム」を実現したい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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監修者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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