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COLUMN コラム詳細

アナログ業務をデジタル化したい方へ!重要なポイントやよくある失敗についても解説

2025-11-01

アナログ業務をデジタル化したい方へ!重要なポイントやよくある失敗についても解説

生産性向上や人手不足解消のカギとして注目されているのが、「アナログ業務のデジタル化」です。

紙や手作業に依存した業務を見直し、デジタルツールやシステムを取り入れることで、作業効率の向上・ミスの削減・人件費の最適化など、多くのメリットが期待できます。

しかし、実際には「どの業務から手を付けるべきか分からない」「ツール導入だけで本当に効果が出るのか分からない」などの悩みを抱える企業も少なくありません。

そこで本コラムでは、アナログ業務をデジタル化することによるメリットや成功事例、よくある失敗まで幅広く解説します。デジタル化を検討中の方は、自社の課題発見と改善のヒントにお役立てください。

アナログ業務とは

アナログ業務とは、紙・手書き・電話・FAX・Excelなど、デジタルツールを活用せずに人の手で行われている業務を指します。

代表的なアナログ業務として、以下が挙げられます。

  • 紙の書類・伝票による申請や承認
  • FAX・電話での受発注や連絡対応
  • 手書きの日報・作業報告書の提出
  • Excelによる手動集計や管理台帳の更新
  • 顧客情報・在庫情報の紙台帳管理
  • 会議資料や報告書の印刷・配布
  • 紙のタイムカードや勤怠管理

アナログな業務は、長年の慣習や担当者に依存したオペレーションによって成り立っていることが多いです。企業成長のボトルネックになっているケースも珍しくないため、アナログ業務が多い企業は注意しましょう。

なぜ今アナログ業務のデジタル化を急ぐべきなのか?

ここからは、アナログ業務のデジタル化を急ぐべき理由を解説します。
具体例も交えてわかりやすくお伝えしますので、参考になさってください。

少子高齢化による労働人口の減少が進行しているから

少子高齢化の進行により労働人口は年々減少しており、企業の人手不足や採用難が深刻化しています。
限られた人員で効率的に業務を進めなければ、日々の業務量に対応できず、アナログ業務のままでは時間も労力もかかるとして問題視されるようになりました。

また、デジタル化で紙や手作業による作業を軽減することで、人手不足による業務過多も解消します。ルーティンワークを簡略化することでコア業務に集中したり、浮いた時間分だけ早く帰宅できるようになってワークライフバランスが改善したりするなど副次的なメリットも期待されています。

業務効率化と負荷の軽減による人手不足解消を目指している企業こそ、アナログ業務のデジタル化が欠かせません。

働き方の多様化が進んでいるから

リモートワークやフレックスタイム制度など、働き方の多様化が進んでいる昨今、デジタル化が急務とされています。

クラウド管理ツールなどを活用すれば社内外どちらからでもデータにアクセスできるため、情報格差が起こりません。オフィスワーク社員とリモートワーク社員がリアルタイムに情報交換できるなど、タイムラグもなくなります。

さらに、データが可視化されることで業務の進捗や成果を速やかに可視化できるのもポイントです。柔軟な働き方と業務効率化を両立させるためには、アナログ業務のデジタル化が必須となっているのです。

顧客ニーズが変化しているから

顧客ニーズが変化している今の時代、迅速かつ正確な対応・情報提供が欠かせません。従来の紙や手作業に依存したアナログ業務ではどうしてもタイムラグが発生し、リアルタイムで顧客情報を共有できない課題が生じていました。

アナログ業務のデジタル化が実現すれば、データの一元管理やリアルタイム更新が可能になります。顧客対応の迅速化・正確化が実現し、顧客の状況把握やパーソナライズされた提案ができるようになるでしょう。

「リアルタイムで在庫情報を把握したい」「今さっき問い合わせがあった内容を調査したい」などの課題にも対応できます。

データを活用できる体制づくりが求められているから

現代の企業経営において、データ活用は競争力を維持・強化するための必須項目です。売上データ・在庫情報・顧客情報・業務進捗などをリアルタイムで把握し、かつデータを活用していくことが生き残り戦略の1つになっています。

クラウドシステムやERPなどを活用してデジタル化することで、経営層は現場の状況を正確に把握できます。業務プロセス自体の改善点もデータに基づいて明確化できるため、効率化やコスト削減にも直結するでしょう。

戦略的な意思決定をしたいときにも、アナログ業務のデジタル化がおすすめです。

アナログ業務をデジタル化するメリット

デジタル化で実現できるメリットを解説します。
いずれも人手不足や時代に合った働き方を求める企業に必須の対策となるため、チェックしておきましょう。

業務効率化

デジタル化は、業務効率化の手段として多くの企業で導入されています。これまで紙ベースや手作業で行っていた業務をデジタルツールに置き換えることで、作業時間を短縮し、人的リソースをより戦略的に活用できるようになります。

例えば、以下のような取り組みが代表的な業務効率化の例です。

項目デジタル化の方向性期待できる効果
業務の自動化定型業務(データ入力・集計・報告など)をシステム化する作業時間の短縮・ヒューマンエラーの防止
情報の一元管理データをクラウドで共有・閲覧できるようにする情報共有のスピード向上・重複作業の削減
ペーパーレス化書類や帳票をデジタル化する印刷・保管コストの削減、検索性の向上
コミュニケーションの効率化チャット・オンライン会議ツールを活用する社内外の連携強化・意思決定の迅速化
データ活用による判断支援業務データを分析して可視化する根拠に基づく経営判断・改善提案の精度向上
リモート対応クラウドシステムや電子承認フローを導入する働く場所の自由化・業務継続性の確保

ルーティンワークをクラウドシステムやRPAで自動化することで、入力作業や転記の手間が大幅に削減され、ヒューマンエラーの発生も防げます。同じ業務を短時間で正確に処理できるようになり、業務効率化に貢献するのがポイントです。

コスト削減

紙・人・時間に依存した従来の業務プロセスを見直し、デジタル化することでコストを削減できます。デジタル化で削減できる主なコストは、以下の通りです。

コストの種類デジタル化の方向性期待できる効果
人件費手作業の棚卸・在庫確認作業を自動化する担当者の工数・残業時間の削減
保管コスト在庫の最適化により、倉庫スペースを有効活用する不要在庫・過剰在庫の減少
発注コスト自動発注・適正在庫管理により仕入れを効率化する発注ミスや二重発注の防止
機会損失コスト欠品を防ぎ、販売機会を逃さないようにする売上ロスの削減
管理コスト在庫データを一元管理することで情報共有を効率化する管理業務・帳簿作業の手間を削減
ミスによる損失入出庫や在庫数の入力ミスを減らす誤出荷・返品対応の減少

デジタル化によって削減できるコストは「経費」だけでなく、時間・人・リスクなどの経営資源を最適化することにも直結します。コスト構造の根本的な見直しを促す取り組みとして活用しましょう。

情報の可視化・共有

デジタル化によって情報をクラウド上で一元管理でき、誰もがリアルタイムで必要なデータにアクセスできるようになることもメリットです。

以下のような点で情報の可視化・共有を意識しながら進めてみましょう。

項目デジタル化の方向性期待できる効果
データの一元管理各部署や担当者が個別で管理していた情報をクラウド上に集約する情報の重複・抜け漏れを防止し、最新データを共有できる
ダッシュボードの活用業務データをリアルタイムで可視化し、グラフや数値で確認する現状把握が容易になり、迅速な意思決定が可能
アクセス権限の設定必要な人が必要な情報にアクセスできる仕組みを整備するセキュリティを保ちながら効率的に情報共有
コミュニケーションツールとの連携チャットやグループウェアとデータを連動する情報共有のスピード向上、部署間連携の強化
バージョン管理の自動化文書やデータの変更履歴を自動記録できるようにする更新ミスや古い情報の参照を防止し、トレーサビリティ確保

例えば、営業部門が入力した商談情報を経営企画部が分析に活用したり、現場担当者が最新の在庫データを確認しながら業務を進めたり、組織の部門間連携も促進されます。

情報の可視化は単なる「共有の効率化」にとどまらず、組織全体の判断スピードを高め、迅速な経営判断を支える基盤となります。

迅速な意思決定

デジタル化を進めると、現場のデータをリアルタイムに収集・分析できるようになり、スピーディーな意思決定が実現します。現場担当者から経営層までが同じ情報をもとに状況を把握でき、「どの施策をいつ実行すべきか」という判断を、迅速かつ正確に下せるようになります。

意思決定について、アナログ業務の場合とデジタル化の改善内容を比較してみましょう。

業務内容アナログ業務デジタル化後の改善内容
情報収集紙やExcelでバラバラに管理され、集約に時間がかかるデータを自動で収集・一元管理して、リアルタイムに更新できる
データ分析手作業で集計・分析するため、レポート作成に時間がかかるBIツールやERPなどで自動分析し、即座にレポート化できる
経営判断現場と経営層で情報のズレが生じやすい同じデータを共有でき、最新情報に基づく意思決定ができる
意思決定のタイミング会議や承認プロセスが長く、機会損失が起きやすいデータ可視化により、即時判断・迅速なアクションができる
組織の対応力現場レベルで判断できず、指示待ちが発生する現場担当者もデータを活用して柔軟に対応できる

また、デジタルツールを活用すれば、意思決定に必要なレポート作成や資料の集計作業も自動化できます。従来のように手作業でデータをまとめる必要がなくなるため、分析や戦略立案に時間を割けるのもメリットです。

アナログ業務のデジタル化に関する成功事例5選

ここでは、アナログ業務のデジタル化に関する成功事例を紹介します。

事例業界・業務カテゴリ導入内容効果
A社:経費精算システム導入製造業・経理紙ベースの経費精算をクラウドシステムに置換した入力ミス減少、承認フロー短縮、年間50%の工数削減
B社:勤怠管理クラウド化小売業・人事手書きタイムカードからクラウド打刻へ移行したリアルタイムで勤務状況を確認可能、残業抑制に貢献
C社:在庫管理のERP導入卸売業・物流紙在庫表・Excel管理からERPでの一元管理に変更した在庫過多・欠品を防止、発注作業の工数50%削減
D社:営業日報のデジタル化サービス業・営業紙の日報をスマホ入力+クラウド共有に変更した情報の即時共有で迅速な意思決定が可能に
E社:契約書電子化システム導入不動産・法務紙契約書を電子契約+クラウド保管に移行した契約処理スピード向上、紙管理コストとリスクを大幅削減

いずれの事例も、紙やExcelで分散して管理されていた情報をクラウド・ERP・電子化システムに集約しているのがポイントです。データが一元化されることで部署間での情報共有がスムーズになり、業務の進捗や現状をリアルタイムで把握できるように変わりました。

業種・職種問わず「アナログ業務のデジタル化」を実現できることがわかります。

同時に、各職種において発生頻度の高いルーティンワークから優先的にデジタル化していることもポイントです。

営業部門では顧客管理や営業日報作成のデジタル化を、法務部門では電子契約書システムの導入によるデジタル化を、などのように職種の特性に合わせた施策を検討してみましょう。

デジタル化が失敗する主な理由

デジタル化が失敗する主な理由として、以下が挙げられます。
それぞれの落とし穴を理解し、自社で同様のミスマッチが生じないよう意識しましょう。

目的やゴールが曖昧なままスタートする

「なぜデジタル化するのか」という目的やゴールを明確にせずにスタートすると、業務改善や効率化という本来の目標が曖昧になり、現場が混乱する要因になります。

目的やゴールが不明確だと、以下のような問題が生じやすくなります。

  • 優先順位が定まらない
    どの業務を優先してデジタル化すべきかが判断できず、効果の低い部分から手を付けてしまう。
  • 現場の理解や協力が得られない
    「何のためにやるのか」が伝わらないため、従業員は導入意義を理解できず、抵抗感や非協力的な態度が生まれる。
  • 評価指標が定まらない
    デジタル化の効果を測る基準がないため、プロジェクトの成功・失敗を判断できず改善策も打ちにくい。

まずはデジタル化の目的を具体的に定め、達成すべきゴールを明確化しましょう。「経費精算業務の処理時間を50%短縮する」「日報提出の遅延をゼロにする」など具体的な数値目標を設定すると、現場も取り組みやすくなります。

現場業務の理解が不足している

現場業務の実態や課題を十分に理解せずに導入を進めてしまうと、現場に合わないシステムになって思ったような効果が得られません。

具体的には以下のような問題が起こります。

  • 業務フローとの不整合が生じる
    既存の業務手順に沿わない設計や操作方法になり、現場の負荷が増える。
  • 属人的な作業が残る
    デジタル化対象外の作業が多く、結局従来の紙作業や手作業に依存せざるを得なくなる。
  • 従業員の不満や抵抗が起きる
    「使いにくい」「結局二度手間になっている」といった声が出やすく、定着しない。
  • 効果測定が困難になる
    デジタル化による改善効果を正確に評価できず、次の改善策が打ちにくい。

ツールを導入する前に作業内容の洗い出し・フロー図の作成・現場ヒアリングなどを行い、現場の実態と課題を可視化しましょう。また、現場担当者をプロジェクトに巻き込むことで、業務改善の視点を取り入れたツール設計が可能です。

従業員の教育不足による形骸化が起きる

デジタル化を進めても、従業員が新しいツールや業務フローの使い方を十分に理解していない場合、導入が形骸化してしまうことがあります。

具体的には、以下のような問題が起こりやすいです。

  • 操作ミスや入力漏れが発生する
    ツールの操作方法やルールを理解していないため、データの入力ミスや不備が頻発する。
  • 旧来の業務に依存してしまう
    「慣れていないから紙でやったほうが早い」と考え、デジタル化対象の業務を避ける傾向がある。
  • 定着率が低くなる
    新しい業務フローが現場に浸透せず、導入直後は使用されても徐々に使われなくなる。
  • 改善効果の実感が薄い
    正しい運用がされないため、業務効率化やコスト削減といった期待効果が現れない。

どんなに優れたシステムや自動化ツールを導入しても、現場の従業員が正しく使えなければ効果は限定的になり、結局従来の紙作業や手作業に戻ってしまうケースも出てきます。

ツールの基本操作やルールを事前に全員が理解できる研修を実施し、導入の目的も明確に伝えましょう。

デジタル化する際におすすめのツール

デジタル化で使える主なツールとして、以下が挙げられます。

ツール概要活用例
OCR紙やPDFの文字情報を自動でデジタル化する技術領収書や請求書のデータ化、手書き日報の自動入力
ERP(統合基幹業務システム)会計・在庫・販売・人事など企業内業務を統合管理するシステム在庫管理の一元化、購買・販売プロセスの効率化
RPAPC上の定型業務を自動で実行するソフトウェアデータ転記作業、定型メール送信、請求書処理の自動化
BIツール蓄積されたデータを分析・可視化し意思決定を支援するツール売上分析、経費分析、KPIのダッシュボード化
クラウド型勤怠管理システム出勤・退勤や休暇管理をクラウドで管理するシステムタイムカードの電子化、残業管理の効率化
電子契約・電子署名システム契約書をオンラインで締結・保管できるシステム契約締結のスピードアップ、紙管理コスト削減
ノーコード・ローコード開発ツールプログラミング知識がなくても業務アプリやシステムを作れるツール自社業務フローに合わせたカスタムアプリ開発、業務自動化

近年はいずれのツールにもAI機能が搭載されていることが多く、業務の自動化や意思決定の支援などができるようになっています。

例えば、OCRでは手書き文字の認識精度がAIによって向上し、従来は読み取りが難しかった帳票も自動でデータ化できるようになりました。RPAやノーコードツールでは、AIが作業パターンを学習して自動化の精度を高めたり、例外処理を提案したりする機能が搭載されています。

そのため、単なる業務の効率化だけでなく、経営判断や戦略立案の質そのものを向上させる効果も期待できます。自社の業務内容に合わせたツールを検討してみましょう。

まとめ

アナログ業務のデジタル化は、単に紙や手作業を減らすだけでなく、業務効率化・コスト削減・意思決定の迅速化など多くのメリットをもたらします。

近年はOCR・ERP・RPA・BIツールなど多彩なツールが誕生しているため、自社の業務特性に合うものを選定してみましょう。カスタマイズ性やデザイン性を重視したいときは、システム開発を外注するのもひとつの手段です。

アナログ業務のデジタル化は、一度きりの導入で終わるものではなく、改善のサイクルを回し続けることが成功の鍵です。目的を明確にし、現場と経営層が連携しながら進めることで、効率的で競争力のある組織運営を実現できます。

さいごに

アナログ業務のデジタル化を成功させるために重要なのは、「ツール選び」よりも「自社の業務構造を理解し、最適な仕組みを設計すること」です。

当社フレシット株式会社では、業務の整理・要件定義の段階から伴走し、自社の業務に合わせた完全オーダーメイドの業務システムを開発しています。

既存ツールやSaaSでは対応しきれない、「複数部署で同じデータを扱いたい」「紙とExcelの両方が混在している」「現場の業務フローを壊さずにデジタル化したい」といった課題にも、柔軟に対応可能です。

私たちは、見た目の効率化ではなく、“現場で実際に使われる”システムを設計・開発することにこだわっています。アナログ業務をただデジタル化するのではなく、業務全体を整理しながら持続的に改善できる仕組みへと導きます。
自社に最適な形でデジタル化を進めたい企業さまは、ぜひ一度ご相談ください。

監修者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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