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COLUMN コラム詳細

kintoneをやめた理由とその後の選択肢について解説

2025-11-27

近年、多くの企業が業務効率化や情報共有の手段として「kintone(キントーン)」を導入しています。しかし、「使いこなせなかった」「運用が続かなかった」と感じ、利用を見直す企業も少なくありません。

ノーコードでアプリ作成ができる利便性は魅力ですが、業務の複雑化やデータ量の増加、他システムとの連携など、実運用フェーズで課題が浮き彫りになるケースもあります。

本コラムでは、kintoneをやめた企業の主な理由から、挫折に至りやすい業種・業務例、そして解約後に選ばれる主な選択肢までを詳しく解説します。

「このままkintoneを使い続けるべきか」「別のシステムに移行したほうが良いのか」を判断したい方は、ぜひ参考になさってください。

kintone(キントーン)とは

kintone(キントーン)とは

kintone(キントーン)とは、サイボウズ社が提供するクラウド型の業務改善プラットフォームで、ノーコードでアプリを作成できる点が大きな特徴です。

顧客管理・案件管理・勤怠・問い合わせ対応など、幅広い業務に柔軟に対応でき、現場主導でカスタマイズできる拡張性が評価されています。プログラミングの知識がなくても運用できるため、中小企業から大企業まで幅広い層の導入が進んでいます。

一方で、使い方や設計の工夫が求められる場面も多く、企業によっては運用が定着しにくいケースも見られます。

kintoneが「使えない」と言われる背景

kintoneは便利な業務改善ツールとして広く利用されている一方、「使えない」と感じる企業も一定数存在します。ただ、その多くはツール自体の問題というより、業務フローとの相性や運用設計の難しさが影響しているケースがほとんどです。

例えば、データ量が多い業務では動作が重く感じられたり、複雑な承認フローを再現しづらかったりすることから「合わない」と判断されることがあります。つまり、kintoneが万能ではないからこそ、業務内容との適合度を見極めることが重要なのです。

企業がkintoneをやめた主な理由

企業がkintoneをやめた主な理由

kintoneは手軽に始められる業務改善ツールとして人気があります。しかし、実運用フェーズに入ると「自社の業務と合わない」「思ったほど効率化できない」と感じ、利用を見直す企業も一定数存在します。

ここでは、kintoneをやめた理由として、実際によく挙げられるものを6つご紹介します。

システムとのデータ連携や自動化の限界

kintoneをやめた企業の多くは、他システムとのデータ連携や自動化の難しさを理由に挙げています。

kintoneには連携機能があるものの、実際にはAPI設定や外部サービスの追加が必要となり、ノーコードで完結しないケースが少なくありません。結果として、Excel・会計ソフト・在庫管理などと双方向でつながらず、「結局手作業が残るためkintoneをやめた」という判断につながっています。

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アプリやデータ構造の整理が難しい

kintoneをやめた背景には、アプリ数の増加による“情報迷子”もあります。

本来はデータを一元管理するために導入したはずが、アプリが増えるほど「どこに情報があるのか分からない」という状態になりかねません。部署や担当者ごとに独自アプリが乱立し、結果として情報が分散してしまい、kintoneをやめたほうが管理しやすいと判断されることもあります。

処理速度・容量の制約

kintoneをやめた企業からは、処理速度や容量制限に対する不満も多く聞かれます。

データ量が増加すると画面表示や検索が遅くなり、大規模な案件管理や大量データの記録には不向きな場面も出てきます。結果として「最終的に一部の部門しか使えない」「全社利用は難しくてkintoneをやめた」という状況が発生しがちです。

見た目や操作性に不満がある

kintoneをやめた背景には、UIや操作性への不満も深く関係しています。

画面デザインの自由度が低いため、現場で「見づらい」「入力ミスが起きやすい」といった課題が浮上しがちです。特に日常的に入力・確認作業をおこなう担当者にとっては、わずかな見にくさでもストレスにつながります。

その結果、長期的に考え「操作性が合わずにkintoneをやめた」という決断が下されることがあります。

特定の計算式や関数が使えない

kintoneをやめた企業の中には、「計算処理」に関する制約を理由に挙げるところもあります。

Excelで一般的に使われる関数が一部利用できず、複雑な計算業務に対応しづらい点がしばしば課題になります。結果として、「結局スプレッドシートで再計算」「手元で二重管理」という非効率が生まれ、効率化の観点からkintoneをやめたほうが良いという結論に至るケースがあります。

サポート体制やカスタマイズ支援の不足

kintoneをやめた企業では、運用中のトラブル対応やカスタマイズの実装で苦労した例も多くあります。

kintoneユーザー向けのコミュニティは充実しているものの、実際の現場では専門知識が必要な変更が多く、外部パートナーへの依存度が高まりがちです。その結果、運用コストが当初想定より増大し、「コストに見合わないためkintoneをやめた」という判断が下されることがあります。

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kintoneを挫折しやすい業種・業務例

kintoneを挫折しやすい業種・業務例

kintoneは幅広い業務に活用できますが、システムの特性上「向き不向き」が明確に分かれる場合があります。

ここでは、実際に多くの企業がkintoneを使いこなせず挫折しやすい業務の傾向を整理し、どのような環境で課題が生じやすいかを具体的に解説します。

大量データや複雑な処理を扱う業務

数万件以上のデータを扱う会計・在庫・販売管理などでは、kintoneの容量制限や処理速度の遅さが壁となり、運用をやめた企業が多く見られます。

特に、膨大なレコードを検索・集計するたびにストレスがかかり、日常利用に支障が出るケースが顕著です。また、業務で高度な集計や分析が求められる場合、結局専門システムやSQL環境に戻らざるを得ず、「kintoneでは業務に耐えられずやめた」という判断につながりがちです。

リアルタイム性が求められる業務

物流や受注処理など、リアルタイム性が重要な業務では、反映遅延が原因でkintoneをやめたという声が少なくありません。

クラウド基盤の特性上、わずかなラグがどうしても発生するため、秒単位の更新を求める現場では致命的になることがあります。また、外部システムとの同期が追いつかず、誤差や遅延が累積してしまい、「業務スピードに合わないためやめた」という判断に至るケースもあります。

高度なカスタマイズが必要な業務

独自の業務フローや複雑な承認ルートを再現したい企業では、kintoneのカスタマイズ性に限界を感じてやめたケースが多く見られます。

標準機能では対応しきれず、細かな画面調整や自動処理をおこなうためにプラグインやJavaScript開発が必要となり、想定以上にコストと工数が増加します。結果として、「ノーコードで使えるはずだったのに、結局専門開発が必要になりやめた」という流れに陥りやすくなります。

kintoneをやめた後の選択肢

kintoneをやめた後の選択肢

kintoneをやめた企業は、その後にどのような業務システムへ移行するかを再検討する必要があります。

従来の管理方法へ戻すのか、別のクラウドサービスへ切り替えるのか、自社専用の仕組みを構築するのかなど選択肢は複数あり、企業の環境によって最適解も異なります。

ここではkintoneをやめた後の代表的な選択肢について、それぞれの特徴や注意点を解説します。

Excel・スプレッドシートに戻るケース

kintoneをやめた企業のなかには、最も身近なツールであるExcelやGoogleスプレッドシートに戻るケースがあります。

主だった理由としては、表計算ならではの自由度や、現場メンバーがすぐ使いこなせる手軽さが挙げられます。小規模なチームや単機能の業務であれば運用しやすく、追加コストもほとんど発生しません。

一方で、同時編集による競合、履歴管理の煩雑さ、属人化のリスクなど、組織規模が大きくなるほど課題が目立ちます。そのため、kintoneをやめた後に「一旦元に戻る」選択肢としては手軽ですが、中長期的には限界が生じやすい点に注意が必要です。

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他のクラウドサービスへ乗り換える

kintoneをやめた後、他のサービスに乗り換えるという選択を取る企業も多く見られます。

具体例としては、Airtable・Notion・ClickUpなど、業務管理をサポートするSaaSが挙げられます。これらのツールはテンプレートが豊富でカスタマイズ性も高く、「もっと使いやすく、見やすいシステムにしたい」というニーズに応えやすいのが特徴です。

一方で、サービスごとに操作方法や画面構成の考え方が異なるため、導入初期に現場が戸惑うケースもあります。また、データ移行の負担、日本語サポートの範囲、外部システムとの連携レベルなど、事前に確認すべき点も多いのが実情です。

そのため、乗り換えを成功させるには、単にツールを変えるだけでなく、運用ルールや業務フローの見直しも欠かせません。

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フルスクラッチ開発で自社専用システムを構築する

kintoneをやめた企業のなかでも、業務の複雑さや将来の拡張性を重視する場合、フルスクラッチ開発を選ぶケースが増えています。自社の業務フローに合わせてゼロから設計できるため、他ツールでは妥協しがちな処理速度・画面構成・データ連携などを最適な形に落とし込める点が大きな魅力です。

初期費用はSaaSより高くなりますが、必要な機能だけを実装できるため、長期的には無駄な運用コストを抑えられることも少なくありません。また、データ量や仕様変更による制約がほぼないため、成長に合わせて柔軟にアップデートできるのも強みです。

Excelや他クラウドサービスへ戻るよりも、業務改善の“根本的な解決”に直結しやすいことから、継続的に運用していきたい中堅・大規模企業を中心に選ばれています。

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kintoneをやめた後にフルスクラッチ開発を成功させるためのポイント

kintoneをやめた後にフルスクラッチ開発を成功させるためのポイント

kintoneをやめたあとにフルスクラッチ開発へ進む場合、自由度が高い分だけ準備や進め方が成果に大きく影響します。どのようなプロセスで検討し、どのようにプロジェクトを組み立てるかによって、完成後の使いやすさや運用の安定性が変わってきます。

ここでは、フルスクラッチ開発を進めるうえで意識しておきたい、基本的な3つのポイントについて確認していきましょう。

業務フローを正確に可視化する

kintoneをやめたあとにフルスクラッチ開発を成功させるうえで、最初に取り組むべきは業務フローの可視化です。現場でどの情報がどの順番で処理されているのか、どこに無理や無駄が生じているのかを洗い出すことで、実際の業務に沿ったシステム設計が可能になります。

kintoneをやめた企業の多くでは、導入時に把握しきれなかった「実際の業務の複雑さ」が課題となっていたケースが多いです。ここを丁寧に整理することで、不要な機能の削減やUIの最適化など、より無駄のない開発につなげられます。

スモールスタートで段階的に開発する

kintoneをやめたあとの選択肢として、フルスクラッチ開発は自由度が高い一方、すべての機能を一度に作ろうとすると要件のズレや運用トラブルが起きやすくなります。そのため、最初は特定部門や特定業務に絞って小さく導入し、実際の現場で使いながら改善を加える「スモールスタート」の手法が効果的です。

段階的に開発を進めることで、実運用に即した仕様調整ができ、結果として全社展開時のリスクも軽減できます。詳細は以下の記事をご確認ください。

>>MVP開発とPoCの違いとは?メリット・デメリットや注意点などを徹底解説!

信頼できる開発パートナーを選定する

kintoneをやめたあとにフルスクラッチ開発をするには、要件定義・設計・開発・テスト・運用保守まで一貫してサポートできるパートナーの存在が不可欠です。

自社業務への理解が浅いベンダーに依頼してしまうと、仕様のすれ違いや追加費用の発生につながりやすく、長期的な運用に支障をきたすこともあります。

業務理解の深さや実績、コミュニケーションのしやすさなどを総合的に見極め、継続的に伴走してくれるシステム開発会社を選ぶことが、プロジェクト成功の鍵となります。

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システム開発に最適なパートナー選びの方法を徹底解説!

まとめ

今回は、kintoneの概要や一部の企業がやめた理由、挫折しやすい業務の特徴、解約後の主な選択肢などについて、詳しく解説しました。

kintoneは手軽に始められる優れた業務改善ツールですが、データ量の増加や複雑なフロー、外部連携などの場面では「自社には合わない」と感じるケースもあります。そのため、運用が定着せずにやめた企業は、Excelへ一旦戻したり、別のクラウドへ移行したりと、さまざまな道を検討する必要が生じます。

そのなかで、長期運用や業務効率を重視する企業ほど、フルスクラッチ開発による“自社専用システム”という選択肢に魅力を感じる場合が増えています。初期コストはあるものの、業務に完全準拠した設計や自由度の高いUI、将来の拡張性など、既存ツールでは得られないメリットを得られます。

重要なのは、どの選択を取るにしても「現場で使い続けられる仕組みかどうか」を軸に判断することです。今回の内容を参考に、自社の業務に最適な形でシステムを再構築し、長期的な成果につながる運用を目指していきましょう。

監修者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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