“こういうサービスが作りたい”を実現するプラットフォームのシステム開発方法──フルスクラッチで答えを出す
企画だけでは終わらせない。事業を動かす“本気のシステム”をどう作るか
2025-12-05

EC、予約、マッチング、会員サービスなど、ユーザー同士・企業同士の価値交換を実現するプラットフォーム型サービスは、事業拡大の柱となる重要なビジネスモデルです。しかし、市販のテンプレートやパッケージサービスでは、自社特有のビジネスモデルや運営フローに十分対応できず、後から追加改修が重なりコストと時間が膨らむケースも少なくありません。だからこそ、最初の段階で「どのような機能を備えたプラットフォームを構築するのか」を見極め、必要に応じてフルスクラッチでのシステム開発を検討することが重要です。
本コラムでは、プラットフォーム開発に必須となる機能、それらをどのように設計すべきか、フルスクラッチ開発が有効な理由を詳しく解説します。
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目次
プラットフォームとは?複数の利用者をつなぐ“価値交換の基盤”をわかりやすく解説
プラットフォームとは、複数の利用者やサービス提供者をつなぎ、価値を交換できるようにする“共通の基盤”のことを指します。代表的な例として、ECサイトでの売り手と買い手、予約サービスでの利用者と店舗、マッチングサービスでの利用者同士のやり取りが挙げられます。プラットフォームは、取引機能や決済、検索、通知、評価などの仕組みをまとめて提供することで、参加者同士が安全かつ効率的にサービスを利用できる環境をつくります。企業にとっては、新たな事業モデルの構築や顧客接点の拡大につながる重要な仕組みです。
ポイントをひとことで
プラットフォーム開発は「多機能で大規模だから難しい」のではなく、「事業構造そのものをシステム化する行為」である点が本質です。テンプレートで代替できない理由は、業務フロー・審査基準・マッチングロジック・収益モデルなど、企業ごとに前提条件がまったく異なるためです。本コラムが丁寧に整理している通り、アカウント、検索、決済、予約、管理画面といった要素は相互に依存しており、部分的な改修では整合性を保てません。フルスクラッチ開発はコストに見合う価値があり、事業設計とシステム設計を一体で考えることが成功の鍵となります。
プラットフォームとは何か──価値交換の“基盤”を構築するという発想
プラットフォームとは、複数の利用者やサービス提供者をつなぎ、価値のやり取りを成立させるための“共通基盤”です。ECサイトの売り手・買い手、予約サービスの利用者・店舗、マッチングサービスの利用者同士など、立場の異なるプレイヤーが1つの場でつながることで成立します。
そのため、プラットフォーム開発では「誰が」「何を目的に」「どのようにサービスを利用するのか」という前提設計が極めて重要です。一見同じようなサービスでも、業務フロー・決済方式・審査の有無・取引ルールなどが大きく異なるため、画一的なテンプレート型システムで置き換えることが難しいケースが多くあります。
こうした背景から、プラットフォームの企画段階では、サービス構造そのものを“設計図”として整理し、実現したいユーザー体験をもとにシステム要件を定義していくことが求められます。
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プラットフォームに必要な基本機能とは
プラットフォーム型サービスには、一般的に以下のような機能が必要です。ここでは、それぞれの役割と設計時の考慮点を詳しく解説します。
1.アカウント登録・認証機能
利用者の管理はプラットフォームの基盤となる部分です。メールアドレス登録、SNSログイン、電話番号認証などを使い分け、本人確認や不正対策も含めて設計します。
例えば、
・本人確認(KYC)が必要な売買系プラットフォーム
・メールアドレスのみで登録可能なライトなサービス
など、目的によって必要な認証レベルは変動します。
また、管理者はユーザーの状態、審査状況、利用制限などを柔軟に操作できる管理画面が不可欠です。
2.プロフィール・属性管理
買い手・売り手、利用者・店舗など、ユーザー種別ごとに異なる項目を設ける必要があります。
例として、
・出店者なら「営業時間」「提供サービス」「料金」
・顧客なら「住所」「決済手段」「利用履歴」
など、種別に合わせたフィールドを設け、検索・マッチングを高精度化させます。
ユーザー属性はサービス体験の中心となるため、柔軟に拡張できるデータ設計が重要です。
3.掲載・登録機能(商品・サービス情報)
商品、案件、予約枠、スペース、スキルなど、取り扱う情報はプラットフォームごとに異なります。
これを適切に構造化するためには、以下のような視点が必要です。
・検索に対応したタグ・カテゴリ設計
・運営者の審査フローの有無
・画像・動画対応
・バリエーション(サイズ、色など)の扱い
・予約枠や提供時間の管理
テンプレート型では表現しきれない複雑な情報構造を扱う場合、フルスクラッチ開発が最適です。
4.検索・フィルタリング機能
プラットフォームの利用価値は「必要な情報を適切に見つけられるか」に大きく依存します。
そのため、検索機能は高い精度と拡張性が求められます。
必要な設計例
・キーワード検索
・タグ検索
・エリア検索
・日付・時間フィルタ
・料金フィルタ
・レビュー順・人気順の並び替え
検索機能は後からの改修が最も大変な領域のため、初期段階からデータ構造と検索インデックスを慎重に設計する必要があります。
5.マッチング機能
利用者同士の「最適な組み合わせ」を成立させる仕組みです。
例として、
・条件に合う講師を表示する教育系サービス
・空き状況に応じてスペースを提案する予約プラットフォーム
・スキルや予算に応じたフリーランスの検索
などがあります。
アルゴリズムはサービスの核心にあたるため、
・何を“最適”とするのか
・優先順位はどうするのか
・検索とどう連動させるのか
といった定義を明確にすることが重要です。
6.決済・キャンセル・手数料計算
プラットフォームの収益構造を決める最も重要な機能のひとつです。
決済機能では、
・クレジットカード
・銀行振込
・ウォレット
・事前決済・事後決済
・キャンセルポリシー
などをサービス仕様に合わせて設計します。
また、決済処理には売り手側の入金サイト、手数料計算、月次レポートなどの業務フローが密接に関わるため、運営者の実務に寄り添った仕組みが不可欠です。
7.予約・スケジュール管理(必要な場合)
予約系のプラットフォームでは、在庫(枠)管理に高度なロジックが必要になります。
例
・1枠1名か複数名か
・部屋単位か設備単位か
・複数予約の禁止/許可
・提供者側がカレンダーを手動で編集できるか
予約ロジックはサービスの肝であり、テンプレート型では柔軟性が不足しやすいため、フルスクラッチ開発が有効です。
8.通知・メッセージ機能
利用者と提供者、運営との連絡を円滑にする仕組みです。
・アプリ内メッセージ
・メール通知
・プッシュ通知
・取引ステータス通知
などがあり、重要なコミュニケーションの基盤となります。
9.レビュー・評価機能
取引の安全性と質の担保に重要な機能です。
レビューは、
・星評価
・コメント
・運営者のチェック
・不正レビュー対策
などを踏まえて設計します。
レビューは信用を形成する重要な情報源であり、検索・マッチングとも密接に連動します。
10.管理画面(運営者用ダッシュボード)
プラットフォーム運用の中枢となる機能で、以下のような項目を管理します。
・ユーザー管理
・掲載情報管理
・取引管理
・決済・手数料管理
・売上レポート
・問い合わせ対応
・審査フロー
・NGワードチェック
・アナリティクス
など、多岐にわたります。
運営者の実務フローに合わせて設計することで、業務効率とサービス品質が大きく向上します。
フルスクラッチでプラットフォームを開発するメリット
必要な機能を列挙すると、多くの企業担当者が直面するのが「テンプレートでは限界がある」という壁です。フルスクラッチ開発には以下のようなメリットがあります。
独自のビジネスモデルをそのまま実装できる
既存サービスに合わせて業務を変える必要がなく、自社の強みや独自性を損なわずにサービスを構築できます。
拡張性が高く、後からの機能追加も無理なく行える
初期設計を自社仕様で行うため、事業フェーズに合わせて柔軟に拡張できます。
データ構造を最適化できる
検索やマッチングなど、パフォーマンスが重要な領域を最適化できます。
運営フローに合わせた管理画面を構築できる
実務に寄り添った“使いやすい”運用が可能になり、カスタマーサポート・審査業務・請求処理などが効率化されます。
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プラットフォーム開発では「要件定義」が最重要
フルスクラッチ開発を成功させるには、企画段階での要件定義が最も重要です。
・誰に使ってもらうのか
・何を提供したいのか
・運営者の実務はどうなるか
・どのような収益モデルにするのか
・どの機能を最優先するのか
・障害時やトラブル時の運用はどうするか
これらを整理し、画面遷移図・データモデル・運営フローを可視化したうえで開発に進むことで、後戻りの少ないプラットフォーム開発が実現します。
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まとめ
プラットフォーム開発は多機能かつ複雑であり、テンプレート型サービスでは対応しきれない要件が発生しがちです。アカウント、掲載情報、検索、マッチング、決済、コミュニケーション、レビュー、管理画面といった基盤機能を、自社のビジネスモデルや運営フローに合わせて設計することで、ユーザーにとっても運営者にとっても使いやすいサービスが実現します。プラットフォームの核となる構造を丁寧に設計し、必要に応じてフルスクラッチで柔軟に構築することが、事業成長に直結するサービスの実現につながります。
プラットフォームは、事業モデル・運営フロー・ユーザー体験が複雑に絡み合うため、「ありものを当てはめる」だけでは本質的な価値が実現できません。自社仕様に最適化された基盤を整えることが、スケールし続けるサービスづくりの前提となります。
フレシット株式会社では、要件定義からUI/UX設計、バックエンド開発、運用保守フェーズまで一貫して伴走し、事業会社様それぞれの構造に合わせたプラットフォームをゼロから設計・構築しています。テンプレートでは表現できない独自ロジックや複雑な業務要件にも対応し、運営者・利用者双方にとって“本当に使いやすいサービス”を形にすることを得意としています。
もし、「自社ならではの強みを活かしたプラットフォームを立ち上げたい」「既存のシステムでは限界を感じている」というお悩みがありましたら、どうぞご相談ください。事業の意図を理解したうえで、最適なシステム像を共に描き、実装まで確かな品質でお届けいたします。
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著者プロフィール
フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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