Figmaプロトタイピングとは?フルスクラッチ開発で失敗しない体験ベース設計のすすめ
体験として仕様を可視化し、課題やズレを早期に発見する
2025-12-18

システム構築を検討するとき、「仕様書だけでは伝わりづらい」「完成後の使い勝手にズレが出る」といった課題に悩まれたことはありませんか。事業会社が求める最適解を形にするには、抽象的な要件や言葉だけで進めるのではなく、体験としての設計が不可欠です。そこで役立つのが、画面や操作を実際に試せるプロトタイピングです。
本コラムでは、プロトタイピングの本質から、特にFigmaというツールを使った設計の優位性、そしてフルスクラッチ開発でどのように活用すべきかをわかりやすく解説します。
>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら
【関連記事】
ECサイトのフルスクラッチ開発を成功に導くポイントを解説
目次
プロトタイピングとは何か――理解を深めるための実践的アプローチ
プロトタイピングとは、完成品を目指す開発行為ではなく、課題や仮説への理解を深めるために、試作品を素早く作り検証する取り組みです。簡易なツールや身近な素材を用い、短いサイクルで作っては試し、得られた気づきを次に活かします。重要なのは完成度の高さではなく、使う中で生じる違和感や誤解、失敗から学ぶことです。一つの形に固執せず、部分的な試作を重ねることで、問題の本質や有効な方向性が徐々に明らかになります。プロトタイピングは「正解を証明する」手段ではなく、「学習を加速させる」ための手段と言えるでしょう。
ポイントをひとことで
本コラムは、Figmaを用いたプロトタイピングを単なるUI制作の工程としてではなく、事業理解を深め、要件定義の精度を高めるための思考プロセスとして捉えている点が特徴です。体験ベースで設計を共有することで、文章だけでは曖昧になりがちな業務判断や操作意図を具体的に可視化でき、結果としてフルスクラッチ開発の自由度を適切に活かすことができます。プロトタイピングはコスト削減の手段ではなく、失敗のリスクを抑えるための戦略的な投資と捉えるべきでしょう。
プロトタイピングの本質とは
プロトタイピングとは、完成形を目指した開発行為ではなく、体験として仕様を可視化し、課題やズレを早期に発見するプロセスです。要件を文章や図面で定義しただけでは、それぞれの関係者が異なる解釈をしてしまい、後工程での手戻りや仕様変更が発生しがちです。実際に触って試せるプロトタイプなら、現場のユーザーや関係者が「どの画面で何を感じるか」を共通認識として確認しながら進められます。
この体験ベースのプロトタイピングは、特に複雑な業務プロセスを扱うシステム開発で効果を発揮します。実際に操作を体験することで、「このボタンはここにない方が使いやすい」「この遷移は直感的ではない」といった、文章では捉えきれない視点が浮かび上がります。こうした気づきを設計段階で拾うことが、後工程の手戻りを大きく減らす鍵となります。
従来の要件定義の限界
従来のシステム開発は、最初にヒアリングを行い、要件定義書や仕様書を作成し、その内容に基づいて設計・実装を進める流れが一般的でした。しかし、画面レイアウトや操作感といったユーザー体験は文字情報だけでは正確に伝わりません。その結果、開発後に「思っていたのと違う」といった違和感が生まれ、修正工数や追加要望が増え、スケジュール・予算への影響が避けられないケースが散見されます。
こうしたリスクは、仕様の解釈が人に依存していることに起因します。各担当者が同じ言葉でも異なるイメージを持っていると、合意形成が曖昧になり、実装段階での齟齬が大きくなります。プロトタイピングは、こうした認識のズレを減らし、設計の精度を高めるための必須工程になりつつあります。
【関連記事】
要件定義が失敗する原因は?6つの失敗事例から学ぶ対策を解説
Figmaとはどんなツールか?
Figmaは、Webブラウザ上で使えるクラウドベースのUIデザイン・プロトタイピングツールです。PC・モバイル問わずアクセスでき、チーム全員が同じ画面上で編集やコメントができるため、リアルタイムの共同設計が可能です。
参考:Figmaヘルプセンター
画面デザイン・プロトタイピング・フィードバック・コラボレーションが一つのプラットフォームで完結するため、従来のようにデザインデータを別ツールに渡すといった手間が不要になります。チーム間で認識が分断されるリスクが減り、意思決定もスピードアップします。
Figmaを使ったプロトタイピングの優位性(1):インタラクティブな体験設計
Figmaのプロトタイピング機能は、単なる静止画の並びではありません。画面同士をリンクしてクリックやホバー、アニメーションなどのインタラクションを設定できるため、本番に近い体験として試すことができます。
参考:Figma
これは、事業の関係者が実際の操作感や遷移フローを体験しながら議論できるという点で非常に効果的です。単純なUIの表示位置だけでなく、ユーザーの行動や思考の動きをシミュレーションできるため、「どこで迷うのか」「どの導線が直感的に感じられるか」といった体験設計の課題が早期に見つかります。
Figmaを使ったプロトタイピングの優位性(2):リアルタイムコラボレーションとフィードバック
FigmaはWebベースであるため、どこからでもアクセス可能であり、複数人が同じデザイン上で同時編集やコメントができることが大きな特徴です。
参考:Moretag
プロジェクト参加者全員が同じ「ライブなデザイン」を見ながら議論できるため、関係者間の合意形成がスムーズになります。関係者ごとにデザインデータの最新版を管理する負担がなくなり、フィードバックが設計の現場に即時反映されるため、設計の精度と効率性が飛躍的に高まります。
Figmaを使ったプロトタイピングの優位性(3):開発初期段階のリスク低減
インタラクティブなプロトタイプを使って早期の検証を行うことは、開発の後工程で発生しがちな大きな手戻りを防ぐという観点で非常に有効です。Figmaを使ってユーザー視点の体験を早くから確認し、関係者からのフィードバックを受けて改善を重ねることで、本来の意図とズレのない設計が実現できます。
参考:GeeksforGeeks
体験ベースの設計がもたらす成功への道筋
Figmaによるプロトタイピングは、抽象的な言葉だけでは伝わらない体験価値を「目に見える形」にしてくれます。要件の解像度が上がるため、関係者間の合意形成が精度を増し、現場のユーザー感覚が反映された設計が可能になります。
また、視覚的・体験的に検証した内容は、仕様として明確に共有できるため、後の開発フェーズでの誤解や手戻りリスクを大幅に低減します。
フルスクラッチ開発との親和性
フルスクラッチ開発では、システム構造や業務ロジックまで柔軟に調整できます。そのため、プロトタイピングで得られた具体的な気づきを単なるUI修正だけで終わらせるのではなく、業務処理やシステム内部ロジックにまで反映できる強みがあります。
プロトタイプで得られた改善ポイントを設計段階からシステム構造に落とし込み、開発全体に反映できるのは、フルスクラッチ開発ならではの特徴です。要件定義から設計、実装、リリース後の改善まで一貫して体験を起点にした設計思想に立てるため、現場要望に寄り添った最適なシステムが形になります。
【参考記事】
フルスクラッチのシステム開発は時代遅れではない!その理由と向いている企業の特徴について解説
まとめ
現代のシステム開発では、単に仕様書を作成するだけでなく、体験として設計を共有し、認識ズレを最小化するプロトタイピングの活用が重要です。Figmaは、インタラクティブな体験設計、リアルタイムコラボレーション、フィードバックの効率化といった点で優れた機能を提供します。これにより、事業会社の多様な要望を正確にシステムに反映し、手戻りの少ない高品質な開発プロセスを実現できます。
プロトタイピングは単なるツールではなく、体験ベースの設計という考え方そのものです。そのため、Figmaのような強力なプロトタイピングツールとフルスクラッチ開発の柔軟性を組み合わせることで、より確かな成果につながるシステム構築が可能になります。
ここまでお読みいただき、Figmaを用いたプロトタイピングが、単なる画面デザインの確認ではなく、事業や業務への理解を深めるための重要な設計プロセスであることを感じていただけたのではないでしょうか。体験としてシステムを捉え、早い段階で違和感やズレを洗い出すことで、開発後の手戻りや「思っていたものと違う」といったリスクを抑えることができます。
フレシット株式会社では、Figmaによるプロトタイピングを起点に、業務フローや意思決定の流れまで踏み込んだ設計を行っています。画面単位で考えるのではなく、「なぜその操作が必要なのか」「どの判断を支える仕組みなのか」を整理したうえで、フルスクラッチならではの柔軟な構成に落とし込みます。
関係者全員が同じプロトタイプを触りながら議論できるため、要件の解像度が高まり、開発途中での認識ズレを最小限に抑えられる点も強みです。 構想段階にあり、まだ最適な形が見えきっていないシステムでも、体験ベースで検証を重ねながら具体化していくことができます。業務に本当にフィットするシステムを、無理なく・確実に形にしていきたいとお考えでしたら、フレシット株式会社とともにフルスクラッチ開発を進めるという選択肢を、ぜひ検討してみてください。
>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら
著者プロフィール
フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

公式Xアカウントはこちら