【新規事業】マッチングシステム開発の成功ガイド|パッケージの限界とフルスクラッチを選ぶべき「決定的な理由」
事業として成立させるためのマッチングシステム設計の考え方
2025-12-22

マッチングビジネス(人材、M&A、ビジネスマッチング、CtoCサービス等)の立ち上げにおいて、既存のパッケージや汎用CMSでは「課金モデルが柔軟に設定できない」「検索精度が悪くユーザーが定着しない」といった、事業の根幹に関わる壁に直面していませんか?
マッチングサービスの真の価値は、単に人と人、あるいは企業と企業を「繋ぐ」ことではなく、「最適な出会いを生み出し、その取引から収益を最大化させる」ことにあります。そのため、システムの肝は、コアとなる「アルゴリズム設計」と、柔軟な「収益化フロー」に集約されます。
本コラムは、パッケージソフトで「できないこと」に直面し、いよいよ本格的な開発を検討されている事業企画者・担当者様に向けて、私どもITエンジニアと事業企画者の視点から、ビジネスを確実にスケールさせるための「フルスクラッチ開発の必要性」と「成功へのロードマップ」を解説します。
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目次
マッチングシステムとは?
マッチングシステムとは、利用者や企業が登録した条件・属性・行動データをもとに、最適な相手・商品・サービスを自動的に結びつける仕組みです。求人と求職者、企業と顧客、スキルと案件、ユーザー同士など、さまざまな組み合わせを効率的に実現できます。単純な条件一致だけでなく、優先順位付け、スコアリング、過去の利用履歴を活用した推薦ロジックを組み込むことで、精度の高いマッチングが可能です。業務効率化や機会損失の削減、ユーザー体験の向上を目的に、多くのWebサービスや業務システムで活用されています。
ポイントをひとことで
マッチングシステムの成否は、技術選定以前に「事業モデルをどこまでシステムに落とし込めているか」で決まります。本コラムが示している通り、課金構造・検索ロジック・信頼性設計は後付けできる要素ではなく、初期設計の質がそのまま事業の伸び代になります。特にパッケージ前提での立ち上げは、早期には有効でも成長フェーズで必ず制約が顕在化します。MVP開発で仮説検証を回しながら、将来の拡張を前提にフルスクラッチで設計する視点こそ、事業リスクを抑え成功確率を高める現実的な選択肢だと言えるでしょう。
マッチングビジネスで「フルスクラッチ開発」が選ばれる3つの理由
成功しているプラットフォーム(例:特定の業界特化型マッチング)が、なぜあえて高コストに見える独自開発(フルスクラッチ)を選ぶのでしょうか。それは、「ビジネスモデルの独自性」こそが競合優位性の源泉だからです。
独自の「マネタイズ(課金)ポイント」を設計できる
パッケージ製品の決済機能は、「月額固定」「一律の成果報酬」といったシンプルな構造に限定されています。しかし、特にBtoBや高単価なマッチング事業では、以下のような複雑な収益モデルが必要です。
- ハイブリッド課金:月額の固定料金に加え、取引金額に応じた従量課金を組み合わせる。
- エスクロー決済(仮払い):取引完了までプラットフォーム側で代金を預かることで、安心安全を担保し、手数料を確実に徴収する。
- 複雑な手数料率:会員ランクや取引量に応じて手数料率を動的に変動させるロジック。
これらの「柔軟な収益モデル」を外部API(Stripe、PayPal 等)と連動させて完全に自動化できるのは、御社の事業モデルに合わせて設計するフルスクラッチ開発だけです。
質の高いマッチングを生む「検索アルゴリズム」の実装
ユーザーが目的の相手を見つけられないプラットフォームは、すぐに離脱されます。単なる「キーワード」や「地域」での絞り込みは、もはや基本機能にすぎません。
フルスクラッチであれば、以下のような「事業成長に直結するロジック」を自由に組み込めます。
- 行動履歴に基づくレコメンド:閲覧履歴、保存リスト、過去の取引データから「次に探しているであろう相手」をAIで推奨する機能。
- 相性スコアリング:登録プロフィールやスキルシートを多角的に評価し、客観的な「相性度」を数値化して提示するロジック。
- SEOエンジニア視点:サイト内検索の精度と使いやすさは、ユーザー体験(UX)の最重要要素であり、ここに投資することで自然とユーザーの定着率が向上します。
将来の「スケール(事業拡大)」に耐えうる拡張性
新規事業を立ち上げる際、将来的に利用者数が10倍、100倍になることを想定した設計が必要です。パッケージソフトでは、利用者が急増した場合にサーバー負荷への対応が困難になったり、外部連携に大きな制限が生じたりします。
フルスクラッチであれば、AWSやGoogle Cloudといったクラウドサービスの技術を活用し、初期はスモールに、利用者増加に応じてサーバーリソースを自動で拡張できる「スケーラビリティの高い」設計が可能です。将来的なスマートフォンアプリへの展開もスムーズに行えます。
コンバージョンを高める「必須機能」と「技術要件」
良質なマッチングシステムは、ユーザーを「登録」から「取引完了」までストレスなく導く設計がなされています。特に成約率を高めるために重要な3つのポイントを解説します。
リアルタイム・コミュニケーション機能(チャット・ビデオ)
マッチング後のやり取りの煩雑さは、取引の離脱に直結します。
- サイト内チャット機能:メール通知だけでなく、プラットフォーム内で完結するリアルタイム性の高いチャット環境を提供することで、取引のスピードを向上させます。
- Web会議連携:サービス内の予約機能と連動したWeb会議(Zoom APIやTwilio Videoなど)の自動生成機能は、特にBtoBでの商談セッティングにおいて絶大な効果を発揮します。
信頼性を担保する「本人確認(eKYC)」と「評価システム」
信頼性なくして、マッチングプラットフォームの成長はありません。
- 本人確認・審査機能:犯罪収益移転防止法に対応した本人確認(eKYC)の組み込みや、事業者登録における審査フローをシステムで自動化・半自動化します。個人情報を扱うため、堅牢なセキュリティ設計が必須です。
- 相互評価・レビュー機能:透明性の高い評価システムは、プラットフォーム全体の質を維持し、利用継続を促す重要な要素です。
マイページ・ダッシュボードの使いやすさ
特にBtoBマッチングの場合、利用者はシステムにSaaSのような機能性を求めます。
- 進捗管理機能:案件のステータス(商談中、契約済み、完了)を一目で把握できるダッシュボード。
- 請求・支払い管理:収益モデルと連動した請求書発行や支払い管理機能をマイページに実装することで、事業者のバックオフィス業務を効率化します。
失敗しないための開発手法「MVP開発」のススメ
新規事業において、初期フェーズで全機能の完成を目指すのはリスクが高すぎます。私たちは、お客様の予算を抑え、市場での成功確率を高めるために「MVP(Minimum Viable Product:実用最小限の製品)開発」を推奨しています。
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全機能を作らず「コア機能」に絞ってリリースする
MVP開発では、まず「マッチングして、収益が発生する」というコアバリューのみに絞ったシステムを、短期間(通常3〜4ヶ月)で構築・リリースします。
- 効果測定:市場のユーザーが「どの機能に価値を感じるのか」「どこで離脱するのか」といった生きたデータを収集します。
- 機能の優先順位付け:そのデータに基づき、次に開発すべき機能を決定する「アジャイル開発」のサイクルを採用します。
これにより、初期費用を抑えながら、ユーザーの声に即座に対応できる柔軟な事業運営が可能になります。
開発スケジュールの目安(要件定義~リリースまで)
| フェーズ | 期間目安 | 主な作業内容 |
| 要件定義・設計 | 1〜1.5ヶ月 | ビジネスモデルのヒアリング、機能一覧と画面設計(ワイヤーフレーム)の作成、技術選定。 |
| MVP開発(実装) | 3〜4ヶ月 | コア機能(ユーザー登録、検索、コミュニケーション、決済)のプログラミング。 |
| テスト・リリース | 0.5ヶ月 | セキュリティテスト、ユーザーテスト(UAT)、本番環境へのデプロイ。 |
| グロース(機能追加) | リリース後 | ユーザーのフィードバックに基づき、レコメンド機能や管理機能を順次追加。 |
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パートナー選定の基準|「作るだけ」の会社を選んではいけない
フルスクラッチ開発の成否は、パートナー選定にかかっています。「言われた通りに作る」受託会社ではなく、「ビジネスを共に成功させる」提案力を持つ会社を選びましょう。
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「ビジネスモデル」への理解と提案力があるか
御社の事業の収益構造、競合優位性を深く理解しようと努めるかを確認してください。
- 「この課金フローだと手数料倒れしませんか?」「このUIでは、ターゲット層にとって使いにくいのでは?」など、事業企画者目線での意見や代替案を出せるシステム開発会社こそ、共に走るべきパートナーです。
運用保守とグロースハックの体制
システムはリリース後が本番です。
- データ分析:ユーザーの行動データを分析し、改善案を提案できる「グロースハック」の知見があるか。
- 保守・セキュリティ:最大24時間365日の監視体制、障害発生時の復旧体制、最新のセキュリティ対策を講じる能力があるか。
あなたの「アイデア」を「収益を生むプラットフォーム」に変えませんか?
マッチングシステムの開発は、単なるコーディングではなく、ビジネスモデルの設計とセットで行う必要があります。当社フレシット株式会社では、まず詳細なヒアリングを通じて御社の事業の根幹を理解し、技術的なお見積もりだけでなく、市場での成功可能性を高めるための機能提案から行います。
まずは御社のビジネスビジョンをお聞かせください。
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著者プロフィール
フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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