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COLUMN コラム詳細

システム開発における初期流動期間の考え方|完成ではなく定着をゴールにする

本番稼働後に起きる“想定外”を、失敗にしないために

2025-12-31

システム開発は、本番稼働した瞬間に完成するものではありません。むしろ、稼働してからが本当のスタートです。現場で実際に使われることで初めて見えてくる課題や改善点に向き合う期間、それが「初期流動期間」です。この期間をどう捉え、どう設計するかによって、システムが現場に定着するか、形骸化するかが大きく分かれます。

本コラムでは、初期流動期間の本質と、事業会社が押さえるべき実務的なポイントを解説します。

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システム開発における「初期流動期間」とは何か

初期流動期間とは、システムの本番稼働直後から一定期間を指し、実運用の中で発生する不具合や業務とのズレを洗い出し、安定稼働へと調整していく重要なフェーズです。テストでは想定できなかった操作やデータ、業務フローが表面化しやすく、軽微な改修や設定変更、運用ルールの見直しが集中的に行われます。この期間を前提に計画を立てておくことで、「稼働=完成」と誤解せず、現場に定着するシステムへと仕上げることができます。初期流動期間は、システム品質と業務適合性を高めるための“仕上げの工程”といえます。

ポイントをひとことで

このコラムでは、「初期流動期間」を単なるトラブル対応の工程ではなく、業務とシステムを最終的にすり合わせるための重要な設計プロセスとして位置づけています。実際の運用を通じて初めて明らかになる業務の例外や暗黙知は、事前の要件定義だけでは完全に捉えきれません。そのため、稼働後の調整を前提とした構造設計と、改善を前向きに受け止める開発体制が不可欠です。システム開発の成果は完成時ではなく、初期流動期間への向き合い方によって左右されることを実務視点で示しています。

初期流動期間とは何か

初期流動期間とは、システムの本番稼働後から一定期間、実運用を通じて不具合修正や調整を行うフェーズを指します。テスト工程では問題がなかった機能でも、実際の業務データや利用頻度、現場特有の運用ルールが加わることで、想定外の挙動が表面化します。この期間は「不具合対応の期間」ではなく、「業務にシステムを馴染ませる期間」と捉えることが重要です。

なぜ初期流動期間が必要なのか

業務は常に例外を含みます。紙やExcelで行われていた運用がシステム化されることで、暗黙知だった判断や人の裁量が可視化され、はじめて矛盾や抜け漏れが明らかになります。初期流動期間を前提にしない計画では、こうしたズレが「失敗」や「使いにくいシステム」という評価につながりやすくなります。稼働直後に課題が出ること自体は、決して異常ではありません。

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初期流動期間でよく起きる課題

初期流動期間では、入力項目の不足、権限設定の過不足、業務フローとの不整合などが頻発します。また、現場の利用方法が想定と異なり、処理負荷や運用コストが増えるケースもあります。これらは要件定義の失敗というより、机上では見えない実務のリアルが表出した結果です。重要なのは、これを想定内の出来事として受け止め、素早く改善できる体制があるかどうかです。

初期流動期間の目安はどれくらいか

初期流動期間の長さは、システムの規模や業務の複雑さによって異なりますが、一般的には1〜3か月程度を目安とするケースが多く見られます。小規模な業務システムであれば数週間で落ち着くこともありますが、複数部門が関与する基幹系システムや業務フローが複雑なシステムでは、段階的な調整を前提に数か月を見込むのが現実的です。重要なのは期間の長さそのものではなく、初期流動期間を「想定された工程」として計画に組み込み、改善対応の優先順位や判断プロセスをあらかじめ決めておくことです。

初期流動期間を軽視した場合のリスク

初期流動期間を「想定外のトラブル対応」として後付けで扱うと、追加費用や責任の押し付け合いが発生しやすくなります。その結果、改善が先送りされ、現場はシステムを使わなくなり、Excelや手作業に逆戻りすることもあります。システム自体は完成しているのに、業務改善につながらないという最も避けたい状態です。

フルスクラッチ開発と初期流動期間の相性

フルスクラッチのシステム開発は、業務に合わせて柔軟に設計できる反面、初期段階ですべてを完璧に定義することは現実的ではありません。だからこそ、初期流動期間を含めた全体設計が重要になります。業務理解を前提に、小さな改善を積み重ねられる構造であれば、初期流動期間はリスクではなく価値創出の期間になります。

初期流動期間を前提にした発注時の考え方

事業会社のご担当者さまは、開発スコープや費用だけでなく、稼働後の向き合い方まで含めてシステム開発会社と認識を揃える必要があります。初期流動期間中の対応範囲、意思決定のスピード、改善提案の姿勢などは、見積金額以上に重要な判断材料です。この視点を持つことで、システム開発の成功確率は大きく高まります。

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まとめ

初期流動期間は、システム開発の「後処理」ではなく、業務とシステムを最適化するための不可欠な工程です。この期間を前提に計画し、改善を繰り返すことで、システムは単なるツールから事業を支える基盤へと進化します。システム開発を検討する際は、完成形だけでなく、稼働後の成長プロセスまで含めて設計する視点を持つことが重要です。

初期流動期間を前提にしたシステム開発では、「稼働後に何が起きるか」を見据えた設計力と、現場に寄り添いながら改善を積み重ねる姿勢が欠かせません。フレシット株式会社は、業務理解から設計、開発、そして本番稼働後の調整までを一続きのプロセスとして捉え、事業に本当にフィットするシステムをフルスクラッチで提供しています。決まった型にはめるのではなく、御社の業務や成長に合わせて進化できるシステムを構築したいとお考えであれば、ぜひ一度ご相談ください。業務に根付くシステムづくりを、同じ目線で伴走いたします。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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