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COLUMN コラム詳細

【LINEヤフーの基盤統合構想に学ぶ】フルスクラッチでしか実現できない全社共通基盤の考え方

連携できない理由は、機能不足ではありません

2026-01-29

事業が拡大するにつれて、システムは増え続けます。部門ごと、サービスごとに最適化された仕組みは、短期的には成果を出しやすい一方で、全社的な連携やデータ活用を難しくする要因にもなります。LINEヤフーが進める基盤統合の取り組みは、この課題に真正面から向き合うものです。

本コラムでは、なぜパッケージでは全社共通基盤を実現しきれないのか、そしてフルスクラッチだからこそ可能になる考え方について整理します。

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【記事要約】LINEヤフー、システム基盤統合で全社データ活用とサービス連携を加速

LINEヤフーは、LINEとヤフーで分断されていたシステム基盤を段階的に統合し、全社横断でデータと技術資産を活用できる体制を構築する。共通クラウド基盤の整備により、サーバー運用やデータ管理を集約し、コスト削減と運用効率の向上を両立させる狙いだ。基盤統合を前提に、データ定義の統一や共通プラットフォーム化を進めることで、サービス間の連携やAI活用を容易にし、将来的な機能拡張や新サービス創出に耐えうる柔軟なIT基盤を確立する。

出典:日本経済新聞「LINEヤフー基盤統合 サービス間でデータ連携 コスト削減、数百億円」2026年1月24日付朝刊

ポイントをひとことで

全社共通基盤の議論で重要なのは、何を作るかではなく、何を将来に委ねる余地として残すかという判断です。個別最適を積み重ねたシステムは短期成果を出しやすい一方、事業が変化した瞬間に調整コストが跳ね上がります。初期段階で共通化の単位や前提を整理しておくことは、開発効率ではなく意思決定の自由度への投資と言えます。システム投資は完成時点ではなく、変更が必要になった時に真価が問われます。

システムが増えるほど連携が難しくなる理由

多くの企業では、業務効率化や新規施策の立ち上げを目的に、必要なシステムをその都度導入してきました。その結果、販売、顧客管理、マーケティング、サポートなど、それぞれに最適化された仕組みが並立します。
この状態では、部門内では問題なく使えていても、他部門と情報を共有しようとした瞬間に壁が現れます。データの持ち方が違う、更新タイミングが合わない、連携のたびに個別開発が必要になる、といった事態が起きやすくなります。

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パッケージが抱えやすい根本的な制約

パッケージやSaaSは、あらかじめ用意された仕様に沿って利用することで、短期間で導入できる点が魅力です。しかし、複数のパッケージを組み合わせて全社利用を前提にすると、それぞれの前提条件の違いが問題になります。
たとえば、顧客の扱い方ひとつをとっても、システムごとに定義や粒度が異なります。後から統一しようとすると、想定外の調整や追加コストが発生しやすく、結果として全社共通で使える基盤にはなりにくくなります。

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パッケージ開発とスクラッチ開発の違いとは?それぞれの特徴と適切な選び方について解説

全社共通基盤とは何を共通にするものか

全社共通基盤とは、特定の業務機能をそろえることではありません。重要なのは、複数のサービスや部門で繰り返し使われる要素を、最初から共通化の前提で考えることです。
具体的には、利用者を識別するためのID管理、権限の考え方、データの参照ルール、ログの取得方法などが該当します。これらを統一した考え方で整えておくことで、サービス間の連携や新規開発が格段に進めやすくなります。

フルスクラッチで設計する意義

フルスクラッチ開発では、自社の事業内容や将来像を踏まえて、基盤の考え方から設計できます。既存製品の仕様に合わせる必要がないため、どこを共通にし、どこを個別対応にするのかを柔軟に判断できます。
また、事業の成長に伴って組織やサービスが変わることを前提に、拡張しやすい形で基盤を整えられる点も大きな利点です。初期段階では使わない要素であっても、将来必要になることを想定した設計が可能になります。

データ活用を前提にした基盤づくり

近年、多くの企業がデータ活用に取り組んでいますが、実際には十分に生かし切れていないケースも少なくありません。その原因の多くは、データが分散し、横断的に扱えない点にあります。
全社共通基盤を前提にすれば、どのシステムで生まれた情報であっても、一定のルールのもとで参照できます。これにより、分析や施策検討のスピードが向上し、意思決定の質も高まります。

利便性と安全性を両立する考え方

全社で情報を扱う以上、セキュリティへの配慮は欠かせません。重要度に応じてアクセス範囲を分けたり、操作履歴を追跡できる仕組みを備えたりすることが求められます。
これらを後付けで対応すると、運用が複雑になりがちです。基盤の段階から情報管理を考慮しておくことで、利便性を損なわずに安全性を確保できます。

大規模統合事例から得られる示唆

大規模なサービスを抱える企業ほど、基盤を段階的に統合し直す動きが見られます。一度ばらばらに発展した仕組みを、再び全社視点で整理するのは簡単ではありません。しかし、その過程で得られる共通化の効果は大きく、長期的な競争力につながります。
重要なのは、一度で完成を目指すのではなく、将来の変化を見据えながら段階的に整えていく姿勢です。

まとめ

全社共通基盤は、業務効率化のためだけのものではありません。事業の成長や変化に対応し続けるための土台です。パッケージでは対応しきれない要件が見え始めたときこそ、フルスクラッチという選択肢を検討する意味があります。自社にとって何を共通にすべきかを見極めることが、将来の選択肢を広げる第一歩になります。

全社共通基盤を前提としたシステムづくりは、単に機能をそろえることではなく、事業の進め方そのものを整理し直す取り組みでもあります。だからこそ、業務内容や将来の展開を十分に理解したうえで、どこを共通にし、どこに個性を残すのかを丁寧に設計できるパートナーが欠かせません。

当社フレシット株式会社は、フルスクラッチに特化したシステム開発会社として、要件整理の段階からご担当者さまと並走しながら、無理のない形で全体を組み立てていくことを強みとしています。既存の枠に当てはめるのではなく、現場で実際に使われ続けること、将来の変化に対応しやすいことを前提に、一社一社に合わせた設計を行います。

システムが事業成長の足かせになるのではなく、次の展開を後押しする基盤になること。そのためのフルスクラッチ開発を検討する際には、構想段階から相談できる体制が重要です。自社にとって本当に意味のある共通基盤を形にしたいとお考えであれば、当社フレシット株式会社のフルスクラッチ開発が、その選択肢の一つになります。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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