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COLUMN コラム詳細

システム開発をフルスクラッチで成功させるために──優れた要件定義書がプロジェクトの成否を分ける理由

意思決定を支え続ける要件定義書の役割とは

2026-02-02

システム開発を検討する際、「要件定義書はとりあえず必要だから作るもの」と捉えられてしまうことは少なくありません。しかし実際には、要件定義書の質が、その後の設計・開発・運用保守、さらにはシステム投資全体の成否を左右します。

特にフルスクラッチ開発では、既製品の制約がない分、要件定義書がそのままシステムの設計図となります。本コラムでは、IT化の原理原則[11]「優れた要件定義書とはシステム開発を精緻にあらわしたもの」を軸に、要件定義の本質について整理します。

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【要約】IT化の原理原則[11]優れた要件定義書とはシステム開発を精緻にあらわしたもの

要件定義書は、単に必要な機能を列挙する資料ではなく、業務要件を起点に、機能要件・非機能要件・既存システムとの接続条件・制約事項・運用や移行の考え方までを一体として整理した設計の基盤です。将来の方針や利用環境を見据え、場当たり的な判断を排し、守るべきルールを明確に定めることが重要です。業務部門とIT部門が協力して決定事項を詰め切ることで、後工程での手戻りやコスト超過を抑え、品質とスケジュールの安定につながります。要件定義段階で全体像を精緻に描くことが、システム総費用の把握と適切な投資判断を可能にします。

出典:独立行政法人情報処理推進機構
『超上流から攻める IT化の原理原則 17ヶ条』原理原則[1]
『実務に活かす IT化の原理原則 17ヶ条』原理原則[1]

IT化の原理原則17ヶ条」が教える、IT導入を成功へ導くための基礎知識

IPAが公開する「IT化の原理原則17ヶ条」は、企業がIT導入やシステム開発を円滑に進めるための基本的な考え方を整理した指針です。ユーザー企業とシステム開発会社の視点の違い、要件定義の重要性、コミュニケーション不足が招く問題など、実務で起こりやすい課題を原理的に示している点が特長です。また、開発プロセスにおける責任や役割の明確化、投資判断の妥当性、品質確保への姿勢など、プロジェクト成功に必要な視点を包括的に提示しています。これらの原理原則を理解することで、組織が主体的にIT化を推進し、失敗しにくい体制を整えることができるようになります。

出典:独立行政法人情報処理推進機構
『超上流から攻める IT化の原理原則 17ヶ条』原理原則[1]
『実務に活かす IT化の原理原則 17ヶ条』原理原則[1]

ポイントをひとことで

要件定義書の質は、完成物の正しさを保証するものではなく、意思決定の再現性を担保する点に価値があります。途中で迷いが生じた際、過去の合意や判断理由に立ち戻れる状態を作れているかが、手戻りや対立の発生頻度を左右します。システム投資において重要なのは、将来の変更を前提に、判断の根拠を言語として残すことです。初期段階での言語化への投資は、開発コスト削減ではなく、判断の迷走を防ぐ保険として捉えるべきです。

要件定義書は単なる機能一覧ではない

要件定義書というと、画面や機能の一覧表を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、それだけではシステム全体を正しく表現したことにはなりません。
本来の要件定義書は、業務要件を起点に、機能要件・非機能要件・制約条件・既存システムとの関係・運用や移行の考え方までを含めて整理したものです。これらが揃って初めて、システム開発を「精緻にあらわした資料」になります。

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業務理解の浅さは後工程で必ず露呈する

要件定義工程で業務理解が不十分なまま進むと、その影響は設計や開発の段階で必ず表面化します。
仕様の曖昧さは解釈のばらつきを生み、結果として手戻りや追加開発を招きます。これは開発コストの増大だけでなく、スケジュール遅延や品質低下にも直結します。
優れた要件定義書は、業務の流れや判断ルールを明確にし、「何をどう作るのか」だけでなく「なぜそうするのか」まで説明できる状態を目指します。

非機能要件こそ精緻さが問われる領域

性能、可用性、セキュリティ、運用負荷といった非機能要件は、後回しにされがちです。しかし、これらはシステムの使い勝手や安定稼働を左右する重要な要素です。
非機能要件が曖昧なまま開発が進むと、完成後に「想定していた使い方ができない」「運用が回らない」といった問題が発生します。
優れた要件定義書では、こうした非機能要件も具体的に言語化され、設計・実装に反映できるレベルまで落とし込まれています。

将来を見据えた前提条件を明示する重要性

システムは一度作って終わりではありません。事業の変化に応じて、拡張や改修が繰り返されます。
そのため要件定義書には、現時点の要件だけでなく、将来的に想定される業務変化や制約条件も整理しておく必要があります。
流行や一時的な要望に流されず、守るべきルールや設計方針を定めることが、長期的に見て無駄なコストを抑えることにつながります。

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要件定義の精度が総コストを左右する

要件定義は開発工程の一部に過ぎないと思われがちですが、実際にはシステム全体のコスト構造を決定づける工程です。
要件定義で漏れや曖昧さがあれば、その修正は必ず高コストな後工程で発生します。逆に、初期段階で精緻に整理されていれば、開発後の変更や追加対応は最小限に抑えられます。
優れた要件定義書は、開発費用だけでなく、運用保守を含めたシステム全体の費用を見通すための基盤となります。

まとめ

優れた要件定義書とは、単なる要望の集約ではなく、業務・技術・運用を含めたシステム開発全体を精緻にあらわしたものです。
要件定義の段階でどこまで考え抜けるかが、設計品質、開発効率、さらには運用後の安定性やコスト構造を大きく左右します。
フルスクラッチ開発だからこそ、要件定義書はシステムの設計図であり、判断の拠り所となる存在です。初期段階で時間と労力をかけて要件定義を磨き込むことが、結果として最も合理的な投資判断につながります。

フルスクラッチ開発において、要件定義書の完成度がその後のすべてを左右する以上、重要なのは「誰と一緒にその要件定義を作るか」です。業務を深く理解し、言葉になっていない前提や判断基準まで丁寧に整理できなければ、精緻な要件定義書にはたどり着きません。当社フレシット株式会社では、仕様や機能の話から入るのではなく、事業背景や業務の実態、将来の運用まで見据えた対話を重ねながら要件を言語化していきます。その積み重ねによって、開発フェーズだけでなく、運用・改善まで見通したフルスクラッチのシステム開発を実現しています。要件定義に不安がある段階こそ、早期から専門家と向き合うことで、システム投資の確度は大きく高まります。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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