フルスクラッチ開発で失敗しないための「一人からのユーザーテスト」──業務に本当に使われるシステムをつくる考え方
要件定義では拾いきれない利用実態をどう捉えるか
2026-02-04

システム開発を検討する会社さまの多くが、「要件は固めたはずなのに、完成後に使われない」「現場から不満が出る」といった課題に直面します。その原因は、設計や技術力不足ではなく、利用者の実際の行動を十分に確かめないまま開発が進んでしまう点にあります。そこで重要になるのが「一人からのユーザーテスト」という考え方です。少人数、極端には一人から始めるテストが、なぜシステム開発の成否を分けるのかを解説します。
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目次
一人から始めるユーザーテストの考え方
一人からのユーザーテストとは、多数の利用者を集めて検証する前に、まず一人のユーザーの行動や反応を丁寧に観察するテスト手法です。少人数であっても、操作に迷う箇所や理解されにくい表現、想定と異なる使われ方は高い確率で表面化します。特に初期段階では、完璧さよりも早く気づきを得て改善につなげることが重要です。一人分のフィードバックを軽視せず、仮説検証を高速で回すことで、手戻りや無駄な機能追加を抑え、利用実態に沿ったプロダクトへと近づけることができます。
ポイントをひとことで
一人からのユーザーテストが示唆しているのは、システム投資における不確実性は、仕様の精緻化ではなく検証の粒度で下げられるという点です。設計段階で重要なのは、多数の合意よりも、実際の利用行動から得られる違和感を早期に拾い上げることです。少人数での検証は判断を速め、過剰な作り込みを防ぎます。システムは完成度を競う対象ではなく、事業の前提が変わっても修正可能であることが価値になります。初期から検証を前提にした設計判断こそが、投資対効果を安定させる鍵です。
要件定義だけでは利用実態は見えない
要件定義では、業務フローや必要機能を言語化します。しかし、言葉で整理された要件と、実際の操作行動の間には必ずズレが生じます。担当者自身も、画面を触るまで気づかない前提や思い込みを抱えています。特にフルスクラッチ開発では自由度が高い分、初期の判断がそのまま使い勝手に影響します。ここで実利用を確かめずに進むと、完成後の修正コストは一気に膨らみます。
一人の行動は多くの課題を含んでいる
一人からのユーザーテストとは、代表的な利用者一人に実際の画面や試作版を操作してもらい、その様子を細かく観察する方法です。一人だけでは意味がないと思われがちですが、実際には多くの問題点が浮かび上がります。操作に迷う瞬間、説明を読み飛ばす癖、想定外の手順で処理を進める行動などは、複数人に共通する可能性が高いものです。数を集める前に質の高い気づきを得られる点が、この手法の強みです。
早い段階での検証が手戻りを防ぐ
開発が進んでからの修正は、工数もコストも大きくなります。一方、設計や画面設計の段階で一人からのユーザーテストを行えば、修正は比較的容易です。事業会社にとって重要なのは、完璧な仕様書を作ることではなく、事業に合った形へ早く近づけることです。小さな検証を繰り返すことで、不要な機能追加や過剰な複雑化を防ぐことができます。
フルスクラッチ開発との相性
一人からのユーザーテストは、既製ツールの導入よりもフルスクラッチ開発と相性が良い考え方です。業務や事業モデルに合わせて柔軟に作れるからこそ、仮説と検証を短いサイクルで回せます。システム開発会社が単に要望を形にするだけでなく、利用者の反応を踏まえて改善提案を行うことで、システムは業務に自然に溶け込むものになります。
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事業視点での価値
一人からのユーザーテストを取り入れることは、単なる使いやすさの向上にとどまりません。業務の無駄や判断の遅れを発見するきっかけになり、結果として事業全体の進め方を見直す材料にもなります。システムは業務を写すものではなく、業務を前に進めるための手段であることを再認識させてくれます。
まとめ
一人からのユーザーテストは、システム開発におけるリスクを早い段階で小さくし、事業に合った形へ導くための実践的な方法です。多くの意見を集める前に、まず一人の行動を深く理解することで、後戻りの少ない開発が可能になります。システムを事業の足かせにしないためには、この小さな検証を軽視しない姿勢が欠かせません。
この考え方を実践するうえで重要なのは、作る前提に立つのではなく、試しながら一緒に考える姿勢を持ったシステム開発会社を選ぶことです。フレシット株式会社は、要件をそのまま形にするのではなく、初期段階から仮説と検証を重ね、実際の利用者の行動を踏まえて設計を磨き込んでいきます。フルスクラッチだからこそ可能な柔軟な調整と、事業理解を前提にした対話を重ねることで、使われ続けるシステムを実現します。業務や事業の変化に耐え、長く価値を生み出す仕組みを本気で作りたいと考える会社さまにとって、当社フレシット株式会社は心強いパートナーとなるはずです。
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著者プロフィール
フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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