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COLUMN コラム詳細

【食品表示のデジタル化から考える】QRコードはなぜ業務システムの入口になり得るのか

業務とデータをつなぐインターフェース設計という視点

2026-02-07

食品パッケージの表示をQRコードで確認できる仕組みの検討が進んでいます。背景にあるのは、表示項目の増加と「見やすさ」「伝えきれなさ」という課題です。しかし、この動きが示している本質は、単なる情報量の問題ではありません。QRコードが、業務とデータを結びつける“入口”として再定義されつつある点にあります。QRコードを単なるURL誘導として扱うのか、それとも業務フローの起点として設計するのか。この違いは、システム全体の使われ方を大きく左右します。

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【記事要約】食品表示のQR化で進む情報の見やすさ向上と信頼確保の課題

消費者庁は、食品パッケージに記載される原材料や栄養成分などの情報をQRコードで確認できる仕組みの導入を検討している。表示項目は安全配慮やアレルギー対応の拡充で増え続け、文字が小さく読みにくいとの課題があった。QRを活用すれば、スマートフォン上で詳細情報を一覧でき、文字拡大や外国語表示も可能になる。制度は加工食品を中心に、義務表示の一部をパッケージに残しつつ、全情報をデジタルで提供する想定で、事業者の任意参加とされる。事業者側には、原材料変更時の包装修正が不要になる利点がある一方、情報改変の防止や広告との区別、スマホを持たない消費者や通信環境への配慮が課題となる。海外ではQR表示の義務化や実証実験が進んでおり、日本でも信頼性を担保するルール整備が今後の焦点となる。

出典:日本経済新聞「食品表示、QRで確認 原材料や栄養 項目増でも見やすく」2026年2月5日付朝刊

ポイントをひとことで

QRコードは、Webページへ誘導するための便利な仕組みとして使われがちですが、本来の価値はそこにはありません。重要なのは、読み取った瞬間に「誰が」「何を」「どの状態で」扱っているのかが明確になり、そのまま業務を進められる点にあります。これが設計されていないと、結局は人が内容を確認し、手入力で補う工程が残り、デジタル化の効果は限定的になります。
システム投資で考えるべきなのは、新しい機能を増やすことではなく、業務が始まる入口をどこに置くかという判断です。QRコードを起点として情報を引き継げる設計ができれば、作業の抜け漏れや判断のばらつきを抑えられ、業務全体の安定性と再現性が高まります。技術選定よりも先に、業務の流れとデータの扱い方を整理することが、投資の成否を分けます。

QRコードはなぜ「貼るだけ」で終わってしまうのか

多くの現場でQRコードは、Webページへの導線として使われています。マニュアルへのリンク、問い合わせフォームへの誘導、商品説明ページへの接続など、用途自体は間違っていません。しかし、この使い方ではQRコードは「便利な近道」にとどまります。
問題は、QRコードを読み取った瞬間に、業務上の文脈が何も引き継がれていない点です。誰が、どの商品を、どのタイミングで読み取ったのか。その情報が業務データとして扱われない限り、QRコードは単なる入り口以上の役割を果たしません。

業務フローの起点としてのQRコード

QRコードを業務設計の視点で捉え直すと、その位置づけは大きく変わります。QRコードは、作業開始、確認、申請、報告といった一連の流れの「最初の動作」になり得ます。
例えば、現場で製品ラベルのQRコードを読み取る行為は、在庫確認や検品記録の開始と直結できます。読み取りと同時に対象物が特定され、担当者、時刻、工程が自動的に紐づく状態を作れれば、後工程での入力作業は不要になります。QRコードは、業務を始める合図として機能するのです。

ID・履歴・状態を引き継ぐ入口として考える

QRコードの本質的な価値は、読み取った先で「何を表示するか」ではなく、「何を引き継ぐか」にあります。対象となるID、過去の履歴、現在の進捗や状態を前提とした画面遷移ができて初めて、業務は途切れません。
汎用的なQR生成ツールでは、こうした前提条件を柔軟に扱うことが難しくなります。URLは同じでも、利用者や状況によって表示内容や処理を変えたい場合、既存ツールでは設計の自由度に限界が出てきます。

汎用ツールで直面しやすい限界

QRコード活用を進める中で、多くの会社さまが「想定外の使われ方」に直面します。運用が始まると、対象が増え、例外が生まれ、管理項目が膨らみます。そのたびに手作業や別管理が発生し、現場の負担が増えていきます。
これはQRコードそのものの問題ではなく、最初に業務とデータの関係を十分に考慮しないまま導入したことによるものです。QRコードをどこで使い、どのデータと結びつけ、どこまでを自動化するのか。この整理が不十分だと、後からの調整が難しくなります。

フルスクラッチ設計で見えてくる可能性

業務とデータの接点としてQRコードを扱う場合、画一的な仕組みでは対応しきれません。業務内容や組織の運用に合わせて、読み取り後の処理や管理方法を細かく設計する必要があります。
フルスクラッチでのシステム設計では、QRコードを起点とした一連の流れを、最初から業務全体の中で位置づけることができます。管理画面、権限、ログ、例外処理まで含めて設計することで、QRコードは単発の施策ではなく、業務基盤の一部として機能します。

まとめ

QRコードは、情報にアクセスするための単なる手段ではありません。業務フローを開始し、IDや履歴、状態を引き継ぐための重要な入口です。
表面的な便利さだけで導入すると、運用が複雑化し、かえって負担を増やす結果になりがちです。一方で、業務とデータの関係を整理した上で設計すれば、QRコードは現場とシステムを自然につなぐ役割を果たします。
QRコードをどう使うかではなく、どこに組み込むか。この視点こそが、これからのシステム設計に求められています。

QRコードを業務の入口として活かせるかどうかは、ツール選び以前に「どの業務を、どのデータと結び、どう運用していくか」をどれだけ具体的に描けているかで決まります。現場の動き、将来の変更、例外対応まで含めて設計しなければ、QRコードは一時的な施策で終わってしまいます。当社フレシット株式会社は、業務整理から入り、使われ方や運用の変化を前提にシステムを組み立てていくフルスクラッチ開発を得意としています。既存ツールでは対応しきれない要件や、事業に合わせて育てていくシステムを求める場合こそ、オーダーメイドという選択が力を発揮します。QRコードを含め、業務とデータを自然につなぐ仕組みを本気で考えたい方にとって、有力なパートナーとなれるはずです。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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