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COLUMN コラム詳細

システム開発における「一人からのユーザーインタビュー」とは?フルスクラッチ開発で失敗しないための実践アプローチ

失敗しないシステム開発は、たった一人への深掘りから始まる。

2026-02-15

システム開発を成功させるために、最も重要な工程は何かと問われれば、多くの現場で「要件定義」と答えるでしょう。しかし実際には、その要件定義の前段階で勝負が決まっていることが少なくありません。それが「一人からのユーザーインタビュー」です。

本コラムでは、システム開発における「一人からのユーザーインタビュー」の意義と具体的な進め方、そしてフルスクラッチ開発との相性について、ご担当者さま向けに解説します。表面的なヒアリングに終わらない、本質的なユーザー理解の方法を整理します。

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一人から始めるユーザーインタビューとは何か

「一人からのユーザーインタビュー」とは、完成前のシステムや構想段階の機能について、まずは実際の利用者一人に深く話を聞くことから始めるアプローチです。多数の意見を集める前に、現場で本当に困っていること、日々の業務フロー、無意識の工夫や不満を具体的に把握します。重要なのは平均的な意見ではなく、具体的な行動や感情の背景を掘り下げることです。早い段階で仮説を検証できるため、的外れな要件定義や大規模な手戻りを防ぎ、実際に使われるシステム設計につなげやすくなります。

ポイントをひとことで

システム投資の成否を分けるのは、機能の網羅性ではなく、最初にどの解像度で現場を捉えられるかです。一人の具体的な業務に深く入り込む行為は、単なるヒアリングではなく、仮説検証の起点づくりにほかなりません。抽象的な要望を積み上げる前に、実際の行動と感情を起点に設計判断を行うことで、手戻りや過剰投資を抑えられます。少人数から始める姿勢は、投資リスクを段階的に下げるための合理的な意思決定でもあります。

なぜシステム開発は使われないのか

システム開発プロジェクトが失敗する理由の多くは、技術力の不足ではありません。問題は「想定していた利用シーンと、実際の業務が一致していない」ことにあります。

「会議室で議論された業務フロー」「Excelにまとめられた要望一覧」「管理職の視点から見た理想像」

それらは確かに重要です。しかし、実際に日々システムを操作する現場担当者の行動や感情、ちょっとした工夫や不満まで踏み込めているケースは多くありません。

結果として、
・機能は揃っているのに使いづらい
・入力が面倒で結局Excelに戻る
・想定外の例外処理に対応できない

といった事態が発生します。

このズレを最小化するための出発点が、「一人からのユーザーインタビュー」です。

「一人からのユーザーインタビュー」とは何か

「一人からのユーザーインタビュー」とは、多数のアンケートや広範囲な意見収集の前に、まず現場のユーザー一人に徹底的に向き合うアプローチです。

重要なのは、人数ではなく“深さ”です。

そのユーザーが、
・1日の中でどのような順番で業務を行っているか
・どこで迷い、どこで止まり、どこで工夫しているか
・どの瞬間にストレスを感じているか
・何を「面倒だ」と感じているか

といった具体的な行動レベルまで掘り下げます。

表面的な「この機能がほしい」という要望の奥にある、本当の課題を明らかにすることが目的です。

なぜ最初は一人でよいのか

事業会社のご担当者さまからよくある質問は、「一人の意見だけで判断してよいのか」というものです。結論から言えば、「最初は一人で十分」です。

理由は三つあります。

業務の本質は共通している

同じ部署・同じ役割の担当者であれば、業務の流れや困りごとは大きくは変わりません。一人を深く理解することで、多くの共通項が見えてきます。

仮説検証のスピードが上がる

最初から大人数にヒアリングを行うと、意見が分散し、意思決定が遅くなります。一人に集中することで、仮説→検証→修正のサイクルを高速で回せます。

抽象論ではなく具体論になる

大人数の会議では、どうしても抽象的な話に流れがちです。一人の実際の業務を追体験することで、リアルな改善ポイントが浮き彫りになります。

その後、必要に応じて二人目、三人目と広げていけばよいのです。

良いユーザーインタビューの進め方

システム開発におけるユーザーインタビューは、単なるヒアリングとは異なります。以下の観点が重要です。

業務を再現してもらう

「どういう業務をしていますか?」と聞くだけでは不十分です。
実際の画面を見せてもらい、実際のExcelを開いてもらい、可能であれば実際の操作を再現してもらう。

その中で、「なぜここでコピーしているのですか?」「なぜこの順番で処理していますか?」といった問いを重ねます。
無意識の工夫こそ、改善のヒントです。

感情に着目する

「困っていることは何ですか?」ではなく、「どの瞬間が一番ストレスですか?」「どの作業が一番嫌ですか?」と聞くことで、本質的な痛点が見えてきます。

システムは機能の集合体ではなく、体験の連続です。

要望をそのまま採用しない

ユーザーの「こうしてほしい」は、そのまま実装すべき仕様とは限りません。

その背景にある目的を掘り下げ、「本当に解決すべき課題は何か」を再定義することが、システム開発会社の役割です。

フルスクラッチ開発と相性が良い理由

パッケージ導入の場合、機能の枠が先に決まっています。そのため、ユーザーインタビューで見えた課題があっても、「標準機能では難しい」という壁にぶつかることがあります。

一方、フルスクラッチ開発では、業務に合わせて画面設計を行い、データ設計を考え、操作フローを最適化できます。一人のユーザーから得た深い洞察を、そのまま設計に反映できる柔軟性があります。

これは、業務特化型システムを構築したい事業会社さまにとって大きなメリットです。

ありがちな失敗パターン

ユーザーインタビューを実施しても、次のような失敗が起こりがちです。

形式的な実施で終わる

議事録を残すことが目的になり、本質的な洞察が得られていないケースです。

管理職のみを対象にする

現場を知らない立場の意見だけで設計すると、実運用との乖離が生じます。

要件定義後に行う

設計が固まった後にインタビューを行うと、修正コストが高くなります。構想段階で実施することが重要です。

システム開発会社に求められる視点

「一人からのユーザーインタビュー」は、単なる手法ではありません。事業理解の姿勢そのものです。

・業務を理解する力
・課題を再定義する力
・技術に落とし込む力

この三つが揃って初めて、インタビューは価値を持ちます。

単に要望を受け取るのではなく、事業の目的に照らして取捨選択し、優先順位をつけ、実装可能な形に落とし込む。そのプロセスを伴走できるシステム開発会社であるかどうかが、成果を分けます。

まとめ

システム開発における「一人からのユーザーインタビュー」は、プロジェクトの初期段階で行うべき重要なアプローチです。一人の現場ユーザーを深く理解することで、表面的な要望の背後にある本質的な課題が見えてきます。

多数決ではなく、具体的な業務のリアリティに向き合うこと。
抽象論ではなく、実際の操作や感情に踏み込むこと。
その洞察を設計に反映できる柔軟性を持つこと。

これらが揃ったとき、初めて「使われ続けるシステム」が実現します。

システム開発を検討されているご担当者さまは、機能一覧を作る前に、まずは一人のユーザーと向き合う時間を設けてみてください。その一歩が、プロジェクト全体の方向性を大きく変える可能性があります。

もし、今回ご紹介した「一人からのユーザーインタビュー」を単なる理想論ではなく、実際のシステム設計にまで落とし込みたいとお考えであれば、パートナー選びは極めて重要です。

当社フレシット株式会社は、要望をそのまま受け取るのではなく、事業の目的・現場の実態・将来の拡張性まで踏まえたうえで、ゼロから設計するフルスクラッチ開発を強みとしています。現場ユーザーへのヒアリング段階から伴走し、業務の流れやボトルネックを整理しながら、本当に必要な機能を定義していきます。

パッケージに業務を合わせるのではなく、業務に最適化されたシステムをつくる。そのために、表面的な機能追加ではなく、「なぜそれが必要なのか」から共に考えます。

既存システムの改修、複雑な業務フローの整理、将来の事業展開を見据えた設計まで、オーダーメイドだからこそ実現できる柔軟性があります。

「現場に本当に使われるシステムをつくりたい」「長期的に事業の武器になる基盤を持ちたい」とお考えでしたら、一度、当社フレシット株式会社にご相談ください。最初の一人のユーザー理解から、事業にフィットしたシステムづくりをご一緒します。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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