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COLUMN コラム詳細

システム開発で失敗しないために──「システムは機能の集合体ではなく、体験の連続である」という考え方

機能を足しても、成果は足せない。

2026-02-24

「必要な機能はすべて揃えたはずなのに、現場で使われない」
「要望どおりに開発したのに、業務効率が上がらない」

このような課題は、多くのシステム開発プロジェクトで起こります。その背景には、“システムを機能の集合体として捉えてしまう”発想があります。

本コラムでは、「システムは機能の集合体ではなく、体験の連続である」という視点から、事業会社がシステム開発を成功させるために押さえるべき考え方を解説します。特にフルスクラッチ開発を前提とした場合に、どのような設計思想が成果を左右するのかを整理していきます。

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システムは機能の集合体ではなく、体験の連続であるとは何か

システムは個々の機能を積み上げたものではなく、利用者が目的を達成するまでの一連の流れ全体で評価されます。ログイン、検索、入力、承認、出力といった機能は点ですが、ユーザーにとっては業務が滞りなく進むという“線”の体験が本質です。どこか一つでも迷い・待ち・手戻りがあれば、全体の価値は下がります。重要なのは機能数ではなく、前後のつながりや操作の一貫性、心理的負荷まで設計することです。業務成果を生むのは、断片的な機能ではなく、途切れない体験の設計です。

ポイントをひとことで

システム投資で問われるのは、機能の多さではなく、業務がどれだけ自然に前へ進むかという設計の質です。個別最適な機能を積み上げても、流れが分断されれば手戻りや属人化が残ります。重要なのは、ユーザーが迷わず判断できる一連の体験を描き切ることです。体験を基準に設計判断を行うことが、結果として投資対効果を高め、組織の意思決定速度を引き上げます。

機能を足しても、成果は保証されない

システム開発の初期段階では、「どんな機能が必要か」という議論が中心になります。

・顧客検索機能
・CSV出力機能
・承認ワークフロー
・ダッシュボード表示
・通知メール機能

こうした機能を一覧化し、漏れなく実装することは重要です。しかし、機能を揃えることと、業務がスムーズに回ることはイコールではありません。

たとえば、受注処理の流れを考えてみます。

営業が入力し、上長が承認し、経理が請求処理を行い、倉庫が出荷指示を確認する。この一連の流れの中で、

・入力画面が分かりづらい
・承認通知が埋もれて気づかない
・請求データの修正に二度手間が発生する
・出荷指示が一覧で把握できない

といった小さなストレスが積み重なると、全体の生産性は大きく下がります。

ユーザーにとっては「機能の有無」よりも、「業務が止まらないこと」「迷わず進めること」の方が価値なのです。ここに、体験という視点の重要性があります。

体験とは、業務が完了するまでの流れである

体験とは、ログインからログアウトまでの時間ではありません。ユーザーが目的を達成するまでの一連の流れそのものです。

・問い合わせに回答する
・見積を作成して送付する
・月次レポートを提出する
・在庫を確認して発注する

これらの業務は、複数の画面や機能をまたいで進行します。ユーザーの頭の中には「業務の流れ」があり、システムはそれを自然に支える存在であるべきです。

しかし、機能単位で設計すると、

「この画面は完成しているが、次の画面とのつながりが悪い」
「データはあるが、欲しいタイミングで見られない」
「例外対応だけはExcelに戻る」

といった分断が生まれます。結果として、ユーザーはシステムの都合に合わせて業務を修正することになります。

本来あるべき姿は逆です。業務の流れを中心に据え、その流れを自然に進められるようにシステムを設計することが重要です。

なぜパッケージでは限界が生じやすいのか

パッケージ製品は、多くの企業で使えるように汎用的に設計されています。そのため、特定企業の細かな業務特性まで最適化することは難しい場合があります。

たとえば、

・独自の承認ルール
・商材ごとの価格計算ロジック
・拠点ごとの在庫管理方法
・例外処理の頻度が高い業務

これらを無理にパッケージに合わせると、体験が分断される可能性があります。

「この工程だけは別システム」
「この処理だけは手作業」
「このデータは後から手入力」

といった状態は、機能は揃っていても、体験としては不完全です。

フルスクラッチ開発の価値は、業務の流れそのものに合わせて設計できる点にあります。画面の並び、入力項目の順序、通知のタイミング、権限の切り分け方まで、体験全体を前提に最適化できます。

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体験設計を行うためのシステム開発の進め方

体験を軸にしたシステム開発では、最初に機能一覧を作るのではなく、業務の流れを可視化することから始めます。

まずは、以下の問いを整理します。

・誰が最初に触るのか
・どの情報を入力するのか
・どこで判断が発生するのか
・どのタイミングで次工程へ渡るのか
・例外はどこで発生するのか

その上で、「業務が滞りなく進むか」という観点で設計を行います。

さらに重要なのは、現場の担当者の視点です。実際に操作するユーザーが感じる負荷や迷いを想定し、画面遷移や入力方法を設計します。

フルスクラッチ開発では、プロトタイプを用いた確認や、小さな単位での検証を繰り返すことが可能です。体験を確認しながら改善していくことで、完成後の「思っていたのと違う」を減らせます。

経営視点で考える「体験」の意味

体験は、現場の使いやすさだけの問題ではありません。経営に直結します。

・入力ミスが減れば、手戻りコストが下がる
・承認がスムーズになれば、意思決定が早まる
・データが一貫して蓄積されれば、分析精度が上がる
・業務が止まらなければ、機会損失が減る

これらはすべて、体験の質に左右されます。

システム投資を検討する際、「どの機能があるか」ではなく、「業務がどう変わるか」「ユーザーの動きがどう変わるか」という視点で考えることが重要です。

そのためには、単なる実装作業ではなく、業務理解を前提とした設計ができるシステム開発会社との協働が欠かせません。

まとめ

システムは、画面や機能の集合ではありません。ユーザーが目的を達成するまでの連続した体験です。

機能を積み上げる発想だけでは、業務は変わりません。業務の流れを起点に設計し、前後のつながりや心理的負荷まで含めて最適化することが、成果を生むシステム開発につながります。

これからシステム開発を検討されるご担当者さまは、ぜひ「どんな機能が必要か」だけでなく、「どんな体験を実現したいか」という問いからスタートしてみてください。その視点こそが、投資対効果を左右する重要な分岐点になります。

業務の流れを起点に体験を設計するためには、単に機能を実装するだけでは不十分です。現場のオペレーションを深く理解し、経営視点と利用者視点の両方から設計できるパートナーが必要です。

当社フレシット株式会社は、フルスクラッチ(オーダーメイド)開発に特化し、要件整理の段階から伴走するシステム開発会社です。単なるヒアリングにとどまらず、「なぜその業務が存在するのか」「本当にその機能が最適解なのか」まで踏み込み、業務全体を見渡した上で設計を行います。そのため、機能を並べるのではなく、業務が自然に前へ進む体験を形にすることが可能です。

既存システムの引き継ぎや炎上案件の立て直しなど、複雑なプロジェクトに対応してきた経験も、体験を分断させない設計力の裏付けです。現場で本当に使われ、経営判断に活きるデータが蓄積されるシステムを実現したいのであれば、業務理解から設計・開発・改善まで一貫して担えるパートナー選びが重要です。

「機能を作る」のではなく、「体験を設計する」。その視点でシステム開発をご検討の際は、フレシット株式会社のフルスクラッチ開発という選択肢を、ぜひ具体的にご検討ください。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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