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【三越伊勢丹の識別顧客戦略から読み解く】売上の半分は“識別顧客”で決まる──顧客ID基盤が競争力になる理由

顧客IDの一元管理が、売上の安定と再現性を高める

2026-03-27

【三越伊勢丹の識別顧客戦略から読み解く】売上の半分は“識別顧客”で決まる──顧客ID基盤が競争力になる理由

三越伊勢丹が掲げる「識別顧客」戦略は、単なるCRM強化ではありません。アプリやクレジットカードを通じて顧客をID単位で把握し、継続的に接点を持つことで、来店頻度と購買単価を高め、売上の大半を安定的に生み出すという発想です。

この動きは、小売業に限らずあらゆる事業会社に共通する示唆を含んでいます。それは「誰が買っているのかを把握できていない状態では、売上は安定しない」という現実です。本コラムでは、顧客IDを軸とした考え方がなぜ売上を変えるのか、そしてそれを実現するためのシステム設計の要点について解説します。

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【記事要約】三越伊勢丹の顧客ID戦略、優良顧客比率を高め収益基盤を強化

三越伊勢丹は、アプリやクレジットカードで来店者をID単位で把握する「識別顧客」戦略を強化している。識別顧客は外部環境の影響を受けにくく、継続的な接点により来店頻度と購買単価が向上し、アプリ会員の年間購買額は非会員の約2倍に達する。販促費の抑制にも寄与する。無料クレカや海外向けアプリ、上位カードの導入により顧客基盤を拡大し、識別顧客売上比率は将来的に連結売上の過半を占める可能性がある。

出典:日本経済新聞「CFO戦略を聞く 三越伊勢丹、優良顧客向け比率拡大 IDで識別、売上高の過半に 訪日客に頼らず」2026年3月10日付朝刊

ポイントをひとことで

顧客IDの整備は単なるデータ管理ではなく、売上の再現性を高めるための投資判断です。誰が、どのタイミングで、どのように購入しているかを一貫して把握できなければ、施策は属人的になり、成果も安定しません。重要なのは、顧客の行動と接点が自然につながる状態を前提にシステムを設計することです。部分最適なツールの積み重ねではなく、業務とデータ活用を一体で捉える視点が、結果として収益の質を引き上げます。

顧客を“識別できていない”企業が抱える課題

多くの企業では、売上データは存在していても、それが「誰の購買なのか」まで一貫して把握できていないケースが少なくありません。

例えば、店舗での購入、ECサイトでの注文、問い合わせ履歴などがそれぞれ別々に管理されている状態です。この場合、同一人物の行動であっても分断された情報として扱われてしまい、顧客単位での理解が難しくなります。

このような状態では、販促はどうしても不特定多数に向けたものになりやすく、広告費に依存した集客から抜け出せません。結果として、外部環境の変化に売上が左右されやすくなります。

なぜ顧客IDが売上を変えるのか

顧客をIDで一元的に把握できるようになると、企業は初めて「個客単位」で意思決定ができるようになります。

具体的には、以下のような変化が起きます。

  • 購買履歴に基づいた提案ができる
  • 来店やアクセスのタイミングに合わせた接触が可能になる
  • 優良顧客の傾向を分析し、再現性のある施策が打てる

これにより、顧客は「目的を持って来店する状態」へと変わります。単発の購買ではなく、継続的な関係性の中で売上が積み上がるため、1人当たりの購買額も自然と高まります。

さらに重要なのは、既存顧客へのアプローチが中心になることで、新規獲得に過度に依存しなくて済む点です。広告費の抑制と売上の安定化が同時に実現できるようになります。

「接点を持ち続ける仕組み」が差を生む

顧客IDを整備するだけでは十分ではありません。重要なのは、そのIDを活用して「継続的に接点を持つこと」です。アプリの通知、メール、会員向け特典などを通じて、顧客と定期的に関係を維持することが求められます。

ここでポイントとなるのは、接触のタイミングと内容です。
誰に、いつ、どのような情報を届けるのかが設計されていなければ、単なる情報配信にとどまり、購買にはつながりません。

つまり、顧客IDの活用とは、単なるデータ管理ではなく、「顧客との関係性を設計すること」に他なりません。この設計ができている企業ほど、来店頻度と購買単価を高めることができます。

パッケージでは対応しきれない理由

ここまでの内容を実現しようとしたとき、多くの企業が直面するのが既存ツールの限界です。

CRM、MA、ポイントシステムなどを組み合わせても、次のような課題が残ります。

  • システムごとに顧客情報が分断される
  • IDの統合が不完全で重複や不整合が発生する
  • 自社の業務や顧客導線に合わせた柔軟な対応ができない

特に、店舗とEC、アプリ、決済手段が絡み合う場合、標準的な機能では吸収しきれない要件が必ず出てきます。

結果として、現場運用で補うことになり、本来目指していた顧客体験やデータ活用が実現できなくなります。

フルスクラッチで実現する顧客ID基盤

こうした課題を解決するためには、自社のビジネスモデルに合わせて一から設計された顧客ID基盤が必要になります。

フルスクラッチ開発の価値は、まさにこの点にあります。

  • 複数の接点(店舗、EC、アプリ、決済)を一つのIDで紐づける
  • 顧客の行動履歴を時系列で管理できるようにする
  • マーケティング施策と連動したデータ活用を前提に設計する

このように、業務とデータ活用を切り離さずに設計することで、はじめて「識別顧客」を軸とした売上の積み上げが可能になります。

また、将来的なサービス追加やチャネル拡張にも対応しやすくなるため、中長期的な競争力の確保にもつながります。

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売上の安定化は“誰が買っているか”から始まる

売上を伸ばすための施策として、新規顧客の獲得に注目が集まりがちですが、実際には既存顧客の理解と関係維持のほうが、再現性の高い成果につながります。

そのためには、「誰が、どのように購入しているのか」を正確に把握できる状態が不可欠です。

顧客IDを軸にした取り組みは、一見するとITの話に見えますが、本質的には経営の意思決定の質を高めるための基盤づくりです。ここが整っているかどうかで、売上の安定性と成長のスピードは大きく変わります。

まとめ

顧客をIDで識別し、継続的に関係を築くことで売上を積み上げていく考え方は、多くの事業会社にとって避けて通れないテーマです。

その実現には、単なるツール導入ではなく、自社のビジネスに適した顧客ID基盤の設計が求められます。

売上の質を高め、外部環境に左右されにくい事業運営を実現するためにも、「誰が買っているのか」を正しく捉える仕組みづくりが重要です。

顧客をIDで把握し、継続的な関係の中で売上を積み上げていくためには、単なるツールの導入ではなく、自社のビジネスに合わせた設計が欠かせません。店舗、EC、アプリ、決済など複数の接点を横断して顧客を捉え、施策とデータ活用が一体となって機能する状態を実現するには、既存のパッケージでは対応しきれないケースも多く見られます。

当社フレシット株式会社では、こうした複雑な要件に対して、業務理解から入り、プロトタイピングを通じて具体的なイメージをすり合わせながら、最適な形でシステムを設計・開発しています。特に、既存システムの分断や運用で補っている状態を整理し、無理なく統合していくアプローチに強みがあります。

「顧客IDを軸に売上を伸ばしたいが、何から着手すべきか分からない」「既存の仕組みでは限界を感じている」といった課題をお持ちの場合は、一度現状を整理するところからご相談ください。ビジネスに適したかたちで、実現可能な道筋をご提案いたします。

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著者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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