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COLUMN コラム詳細

システム開発を発注する際の流れと注意点などを解説

2025-05-30

近年、業務効率化やコスト削減、サービスの品質向上を目的として、システムの導入を検討する企業が増えています。
しかし、いざ「システム開発を発注したい」と思っても、どのような手順を踏めばよいのか、何に注意すべきか分からないという方も多いのではないでしょうか。実際に、そうしたご相談をいただくことは多々あります。

本コラムでは、システム開発を発注する際の基本的な流れや注意点などについて、わかりやすく解説しますのでこれからシステム開発の発注を検討している方は、ぜひ参考になさってください。

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システム開発・システム発注とは?

システム開発・システム発注とは?

「システム開発」とは、業務を効率化したり新しいサービスを提供したりするために、情報処理を行うプログラムやアプリケーションを設計・構築するプロセスです。代表的な例として、顧客管理システムや予約システム、在庫管理システムなどが挙げられます。

そして「システム発注」とは、これらの開発を自社でおこなうのではなく、システム開発会社に依頼することを指します。多くの企業では、社内に専門のエンジニアがいないため、必要なシステムを効率よく導入するために「システム開発の外注(アウトソーシング)」を選択しています。

以下では、よく混同されがちな言葉との違いについても簡単に整理しておきましょう。

システム開発とソフトウェア開発の違い

「ソフトウェア開発」は、アプリケーションやプログラムなどの「ソフトそのもの」の設計・実装を指します。一方、システム開発はそのソフトを含めたハードウェア、ネットワーク、業務プロセスの設計や運用までを包括的に扱います。

つまり、ソフトウェア開発はシステム開発の一部であり、システム開発のほうがより広範な意味を持っています。

システム開発とプログラミングの違い

「プログラミング」とは、システムやソフトウェアを動かすためのコードを実際に記述する作業を意味します。一方、システム開発は要件定義・設計・テスト・運用保守といった工程全体を含みます。

プログラミングは、あくまでシステム開発の一部に過ぎず、全体の設計や品質管理、スケジュール調整などもシステム開発の重要な要素です。

そのため、システム開発を成功させるためには、単にコードを書く技術だけでなく、プロジェクトマネジメントや業務理解のスキルも不可欠だといえます。

システム開発とシステムエンジニアの違い

「システムエンジニア(SE)」とは、システム開発プロジェクトにおいて、主に要件定義や設計、進行管理などを担当する技術者です。クライアントの要望をヒアリングし、最適なシステムの仕様に落とし込む役割を担います。

一方でシステム開発は、こうしたシステムエンジニアを含むさまざまな技術者が連携して進める、一連の開発プロセス全体を指します。

つまり、システムエンジニアは「人」、システム開発は「仕事やプロジェクト全体」という関係にあります。

システム開発が難しいのはなぜか?

システム開発が難しいのはなぜか?

システム開発が難しいとされる理由の1つに、必要とされる知識領域の広さがあります。

システム開発をするには、プログラミング言語だけでなく、アルゴリズムやデータ構造、ネットワーク、セキュリティなど、多岐にわたる分野の理解が求められます。

これらを体系的に身につけるには、時間と経験が必要であり、初心者が途中で挫折してしまう原因にもなっています。さらに、システム開発の初期段階では、エラーやバグへの対応力も問われるため、知識だけでなく実践的なスキルも重要です。

このように、システム開発には専門的かつ実践的なスキルが求められます。そのため、多くの企業では社内で完結させるのではなく、経験豊富なシステム開発会社に発注することで、スムーズな開発と品質の担保を図っています。

システム開発における発注者の義務は?

システム開発を外部に発注する場合でも、発注者側にはプロジェクトの進行状況を把握し、適切に管理することが求められます。

具体的には、開発中の定期的な進捗確認や成果物のレビューをおこない、問題が発生した際には迅速に対処する体制を整えておくことが大切です。また、社内関係者やシステム開発会社とのコミュニケーションを円滑に保ち、プロジェクトに影響を与える要因を早期に発見・調整することも、発注者の責務といえます。

システム開発会社に任せきりにせず、発注者自身もプロジェクトメンバーの一員として主体的に関わる姿勢が、システム開発を成功へ導くポイントとなります。

システム開発を発注する際の基本的な流れ

システム開発を発注する際の基本的な流れ

システム開発の発注をスムーズに進めるには、あらかじめ全体の流れを理解しておくことが重要です。

ここでは、発注から運用開始までの一般的なプロセスを、7つのステップに分けて確認していきましょう。

① 提案依頼書(RFP)の作成・依頼先の選定

システム開発を発注する際、まずは自社がどのようなシステムを必要としているのかを明確にすることから始めます。

その内容を文書化したものが「提案依頼書(RFP)」です。 RFPには、開発の目的や背景、求める機能や要件、予算、スケジュールなどを具体的に記載します。

RFPをもとに複数のシステム開発会社へ提案を依頼し、実績や対応力、見積もり内容などを比較検討しながら、最適な発注先を選定します。

② 要件定義

発注先のシステム開発会社の決定後、次におこなうのは「要件定義」です。発注するシステムでどのような機能を実現したいのか、どのような業務フローを想定しているのかを整理し、仕様として確定させます。

この段階で認識のズレがあると、後に控えている設計や開発の工程でトラブルにつながる可能性があります。そのため、発注者自身も積極的に打ち合わせに参加し、業務の現場感や実務的な要望を正確に伝えることが重要です。

③ 設計(外部設計・内部設計)

要件定義が完了したら、具体的なシステムの設計に移ります。

設計は「外部設計」と「内部設計」の2段階に分かれており、外部設計では画面レイアウトやユーザー操作の流れなど、見た目や使い勝手の部分を定義します。そして内部設計では、データベース構造や処理ロジック、セキュリティ要件など、システム内部の詳細を設計します。

設計書のレビューには発注者も積極的に関わり、完成後のイメージとズレがないかを確認することが大切です。

④ プログラミング(コーディング)

発注したシステムの設計内容が確定すると、エンジニアが実際にコードを書いてシステムを構築する「プログラミング(コーディング)」の工程に入ります。

この段階では、設計通りに動作するよう機能を組み込んでいきますが、開発中も進捗報告や課題共有の必要性があるため、発注者は定期的に状況を確認しましょう。

その際、中間レビューなどを実施することで、仕様の誤解や認識のズレを早期に発見できます。

⑤ テスト(単体テスト・結合テスト・受け入れテスト)

発注したシステムの開発が完了したら、正しく動作するかどうかを検証するテスト工程に移ります。

システム開発会社はまず、各機能単位での「単体テスト」、機能を組み合わせて動かす「結合テスト」を実施します。その後、発注者自身が操作を行う「受け入れテスト」を行い、業務要件を満たしているか、実用上問題がないかを確認します。

この時点でのバグや仕様漏れであれば、修正コストや工数を最小限に抑えられるため、念入りにチェックしておくと良いでしょう。

⑥ 納品・稼働

すべてのテストをクリアしたら、いよいよ発注したシステムの納品、および本番環境への導入がおこなわれます。

納品時には、マニュアルやソースコード、操作説明会などが提供される場合もあります。 ただし、実運用が始まってから、システムの細かな調整や不具合対応が必要になることもあります。

そのため稼働初期に備えて、あらかじめ発注先のシステム開発会社とのトラブル時の連絡・対応体制を確認しておくことで安心につながります。

⑦ 運用保守

システムは納品されて終わりではなく、実際の運用が始まってからが本当のスタートです。

定期的なメンテナンスや機能のアップデート、セキュリティ対策、不具合発生時の対応など、運用保守は長期間にわたる継続的なサポートが必要となります。そのため、発注前に「どこまでが保守対象か」「対応範囲や頻度はどうか」といった契約内容を明確にしておくことが重要です。

保守契約の内容次第で、将来的なトラブル対応のスムーズさやシステムの安定性が大きく変わるため、事前に十分な確認と合意形成をしておきましょう。

システム開発における発注書のテンプレート

システム開発における発注書のテンプレート

システム開発を外部のシステム開発会社に依頼する際、「発注書」を発行するのが一般的です。取引内容や契約条件を明文化することで、後々のトラブルを防止するための重要な書類となります。

発注書は定型の書式が決まっているわけではありませんが、必要な情報を漏れなく記載することが重要です。以下に、システム開発における発注書のテンプレートとして、主に記載すべき項目を一覧でご紹介します。

  • 文書のタイトル(例:「システム開発業務 発注書」)
  • 開発を依頼する企業(受注先)の社名・担当者宛ての記載
  • 発注番号と発注日(管理用のIDと発行日)
  • 発注する業務の名称(例:「WEB予約システム開発」)
  • 発注者側の情報(会社名・住所・担当者名など)
  • 支払い対象となる金額(税抜・税込それぞれ)
  • 納品物の内容と形式(例:ソースコード、操作マニュアルなど)
  • 納期、支払い期限、発注書の有効期限といった契約条件
  • 作業範囲や仕様など、業務内容の具体的な記載
  • 金額内訳(小計、消費税、合計金額)
  • 特記事項や留意点(必要に応じて)

システム開発を発注する際の注意点

システム開発を発注する際の注意点

システム開発を成功させるためには、単に優れたシステム開発会社に依頼するだけでなく、発注者側の姿勢や準備も非常に重要です。ここでは、発注前やプロジェクト進行中に注意すべきポイントを整理してご紹介します。

システム開発の目的を明確にする

システムを発注する前に、まず「何のために開発するのか」という目的を明確にしておくことが重要です。

目的が曖昧なまま発注すると、要件定義や仕様設計の段階でブレが生じ、プロジェクト全体に悪影響を及ぼしかねません。

例えば、「業務のどの部分を改善したいのか」「誰が使うのか」「どんな課題を解決したいのか」などを整理しておくと良いでしょう。そうすれば、発注時点で必要な機能や優先順位が明確になり、システム開発会社との認識共有もスムーズになります。

システム開発会社に任せきりにしない

開発業務のすべてを外部に発注するとしても、完全に任せきりにしないように注意しましょう。

特に要件定義フェーズでは、自社の業務に精通した担当者がしっかりと関与することで、実際の運用に即したシステムが構築されやすくなります。

また、開発途中で中間レビューや進捗確認の場に参加することで、早期に課題を発見・修正でき、完成後のトラブル発生を防ぐことにつながります。

開発パートナーとの連携体制を重視する

システム開発の成功は、発注先であるシステム開発会社との連携体制にも大きく左右されます。そのため、担当者と直接やり取りができるか、質問や依頼に対して迅速なフィードバックが得られるかなど、コミュニケーションのしやすさは非常に重要です。

連携が不十分の場合、仕様の伝達ミスや認識のズレが発生しやすくなり、品質や納期に悪影響を及ぼすリスクもあります。そのため、発注を決める前に、打ち合わせの頻度や対応体制について確認しておくようにしましょう。

開発実績や担当エンジニアのスキルを確認する

システム開発の発注先を選ぶ際は、見積金額や会社の規模だけで判断するのではなく、これまでの開発実績や担当エンジニアのスキルにも注目することが大切です。

特に、自社と同じ業界・業種での開発経験があるかどうかは、業務理解のスピードや提案力に直結します。加えて、実際にプロジェクトを担当するエンジニアの経歴や技術分野も確認しておくと安心でしょう。

複数社から見積もりを取り、比較検討する

システム開発を発注する際は、なるべく複数のシステム開発会社から見積もりを取り、内容を比較検討するようにしましょう。1社だけでは相場感がつかめず、価格や対応内容が適切かどうかの判断が難しいため、少なくとも3社程度を比較するのがおすすめです。

見積もりを比較する際は、金額だけでなく、提案内容の具体性や工数の根拠、サポート体制などもあわせて確認しましょう。また、見積もり時点での対応の丁寧さやヒアリングの姿勢も、信頼できるパートナーを見極めるうえで有効な判断材料になります。

まとめ

今回は、システム開発を外部に発注する際の基本的な流れや注意点などについて、詳しくご紹介しました。

システム開発を成功させるためには、まず「何のために」「誰のために」開発するのかといった目的を明確にし、必要な機能や予算を整理することが出発点となります。そのうえで、発注先として信頼できるシステム開発会社を見極め、要件定義や設計、進捗管理においても発注者として主体的に関与することが重要です。

今回の内容を参考にして、長期的に活用できるシステムの構築に向けて、着実に準備を進めていきましょう。

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監修者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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