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COLUMN コラム詳細

情シスがいない会社は危険?ゼロ情シスのリスクと今すぐできる解決策

2026-05-03

近年「ゼロ情シス」の企業が増加しています。ゼロ情シスとは、情報システム部門が存在せず、担当者もいない状態のことです。

通常の企業運営に問題がないとしても、ゼロ情シスはIT関連のトラブル対応の遅れや情報漏洩など、大きな経営リスクを抱えています。

本コラムでは、

  • 情シスがいない企業が増えている背景
  • ゼロ情シスが抱える5つのリスク
  • 情シスがいない企業が今すぐ取るべき対策5選
  • ゼロ情シス解決策の比較

について詳しく解説します。情シスがいない企業は、まず何から始めるべきか。ゼロ情シス対策のために、ぜひお役立てください。

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情シスがいない「ゼロ情シス」とは

情報システム部門や情報システム担当者のことを略して「情シス」と呼びます。「ゼロ情シス」とは、情シス担当者がいない状態のことです。2010年頃から近年まで、「ひとり情シス」が問題視されてきました。しかし、現在は情シス担当者がひとりもいない「ゼロ情シス」が増加しているのです。

情報処理推進機構(IPA)の『デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2024年度)全体報告書』によると、8割以上の企業がDXを推進するIT人材の量不足、質の不足を感じています。

情シスがいない企業が増えている背景

情シスがいない企業が増えているのか、背景を整理します。

人件費・採用費の削減

企業からすると、情シス部門は、総務部や人事部と同様、直接売上を生まないコスト部門です。結果として優先順位が低く見られやすく、人件費や採用費を削られやすくなる傾向にあります。

また、情シス部門に必要とされる人材はITの知見があることが前提です。ある程度知見がある人材を企業で採用しようとすれば、市場価値が高い人材を取ることになり、採用費も高くなる傾向にあります。

IT投資の軽視

情報処理推進機構(IPA)が中小企業向けに行った「2024年度中小企業等実態調査結果」によると、過去3期における情報セキュリティ対策投資を行っていない企業は約6割にも上ります。

同調査によると、IT投資をしていないと回答した中小企業のうち、45%近くの企業が「必要性を感じていない」と回答しています。セキュリティ投資は、問題が起こるまで必要性を感じづらい傾向が強いです。結果、専任の情報システム担当者を配置する判断も先送りされやすく、ゼロ情シスの状態が生まれやすくなります。

情シスがいない企業が抱える5つのリスク

情シスがいない企業には、どのようなリスクがあるのでしょうか。具体的に解説します。

セキュリティの脆弱性

情シスの業務は、社内のIT資源やサービスを安全かつ効率的に活用できるよう、整備・運用・改善を行うことです。

情シス業務の中でも、セキュリティ関連の業務は大きく分けて以下の通りです。

・アカウント・アクセス権の管理
誰がどの情報にアクセスできるかを制御

・端末・ソフトウェアの管理
パソコンやOS、アプリの更新・設定を管理

・ネットワーク・不正アクセス対策
外部からの侵入や不審な通信の防御

・データ保護・バックアップ
重要データの保全と復旧体制の確保

・インシデント対応・再発防止
トラブル発生時の対応と原因分析

これらの業務を行う担当者がいなくとも、平時の企業運営には問題ないかもしれません。しかし、緊急時に対応ができなければ、業務が停止してしまうような大きな影響が出てしまう可能性があるのです。

トラブル対応の遅れ

情シスの業務には、社内のIT資源やサービスにまつわるトラブル対応もあります。「ネットワークが繋がらなくなった」「怪しいメールを開いてしまった」のようなトラブルにはITの知見に基づいた迅速な対応が必要です。

トラブルが発生すると情シス担当者はまず、被害の拡大抑止と原因究明にあたります。IT人材が社内に全くいない状態では、初動時点で時間がかかってしまいます。初動が遅れれば、当然復旧にも時間がかかってしまい、その分企業運営に与える影響も大きくなります。

シャドーITの蔓延

近年ではシャドーITの蔓延も問題となっています。シャドーITとは会社が把握していないITツールを、社員が勝手に使っている状態を指します。便利だからといって無料のコミュニケーションツールを勝手に会社のパソコンにインストールしてしまうことも、シャドーITのよくある例です。

シャドーITの問題は、会社側が資源の管理ができなくなる点にあります。例えば、何らかの原因で会社の資料が流出したとします。シャドーITが存在しない前提であれば、会社が許可しているツールだけを調査すれば原因を突き止められるでしょう。しかし、勝手に導入したコミュニケーションツールが原因だったとしたら、緊急時にすぐさま調査に入れないのです。

情シスは、パソコンのような端末だけでなく、ソフトウェアやツールの管理も行います。そういった管理体制がない状態では、シャドーITが蔓延しやすくなり、結果として企業の経営が危険にさらされるのです。

ナレッジの共有不足

ナレッジの共有不足も、情シスがいない企業が抱える大きな問題となります。

体制として情シスがいない企業の場合、多くの場合、総務部のごく一部の人や別部門の個人が、最低限の対応をしていることが多いです。

その担当者が、例えば病気や退職で離脱してしまうと、企業運営に必要なIT関連の知識やノウハウが何も残らない状態になります。情シス業務に属人化がかかった状態で放置するのは危険です。

IT投資の停滞

情シスがいない企業では、ITへの投資も停滞しがちになります。特に停滞してしまうのは、「攻めのIT」です。IT投資には「攻めのIT」と「守りのIT」というふたつの側面があります。「守りのIT」は今までに解説した通り、セキュリティ面やトラブル対応などです。

「攻めのIT」とは、より戦略的に企業の利益や顧客の満足度を向上させるためにIT技術やサービスの利用を検討することです。DX(デジタルトランスフォーメーション)も「攻めのIT」にあたります。

IT技術の進歩が続くと、既存の技術は常に古いものへと置き換わっていきます。他社が新しい技術を取り入れようとしている中で、自社だけが古い技術で取り残される状況は避けるべきです。しかし、情シスがいない企業では、IT投資が停滞してしまい、ビジネス競争に負ける結果に繋がりかねません。

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情シス体制の不備が招いた実際のトラブル事例

ここでは、実際に情シスがいない、情シス体制が不十分だったことで被害が拡大したと考えられる、トラブル事例をご紹介します。

Case1.マルウェア攻撃による業務停止

マルウェア攻撃とは、システムに不正侵入して盗んだデータを勝手に暗号化し、復元する代わりに身代金を要求するサイバー攻撃です。情シスの体制不足によって被害が拡大されたと考えられる事例をご紹介します。

つるぎ町立半田病院は、徳島県美馬郡つるぎ町にある、病床数100ほどの中規模病院です。2021年にランサムウェア攻撃により、電子カルテが停止、約2ヵ月にわたって通常診療ができなくなる事態に陥りました。

半田病院が公表した有識者会議調査報告書によると、半田病院の情シス担当者はひとりでした。

「病院側のセキュリティに対する意識が低かったというのは事実であるが、地域医療の拠点である半田病院であっても、事実上、情報システム担当者は1名の状態で運用していた。このような状態でサイバーセキュリティの知識を深めることや設定の見直しなどを行える状況になく、日々の機器やシステム、ネットワーク運用で手一杯の状況であった。」(『有識者会議調査報告書』「6.まとめ」より引用)

システム担当者がひとりでもいる状態にもかかわらず、体制不備が指摘されているのです。ゼロ情シスがいかに危険な状態か、よくわかる事例といえます。

Case2.メール誤送信による情報漏洩

情シスの体制不備によって起こるトラブルは、外部からの攻撃だけに留まりません。内部からの情報流出もまた、情シス体制が整っていない場合により、起こりやすくなるのです。

メールの誤送信を例にします。社内の人間に顧客情報を添付したメールを送ろうとしたのに、宛先を間違えて外部にメールを送信してしまう。ありがちなトラブルだと思われるかもしれません。しかし、情報システム部門がきちんと整っていれば、防げる可能性が高い事例です。

例えば、内部への情報連携に添付は使用せず、情報が配置されている場所のみを送るというルールを制定したり、外部に添付メールを送信しようとすると警告が表示されるツールを導入したり。こういった対応案はITに知見のある人材ならすぐに思いつきます。情シスがいるだけで、防げるトラブルはたくさんあるのです。

情シスがいない企業が今すぐ取るべき対策5選

情シスがいない状況がいかに危険なものか理解したとしても、今すぐ情シス担当を確保できるわけではありません。情シスがいない企業に必要なのは、「今、どうなっているのか」を把握することです。ここでは、情シスがいない企業がまず取るべき対策について、優先度が高い順に紹介します。

緊急時の相談先確認

なによりも重要なのは「今、トラブルが起こったらどうするか」を明確にすることです。社内に情シスがいない以上、緊急時に相談できる先を把握しておかなければなりません。

例えば、ネットワークならネット回線を設定した業者、クラウドサービスならサービスを導入・設定した企業など、連絡先を整理しておきましょう。

最低限のバックアップ取得

マルウェア攻撃や、ハードディスクの故障など、あらゆるトラブル対応においてバックアップは強い味方になります。バックアップからのシステム復元方法が自分たちではわからないとしても、バックアップの取得だけは、実施しておきましょう。トラブルが発生してから、外部に復元を依頼する場合でも、バックアップがなければ手が打てない可能性もあります。

アカウント・権限の整理

不要なアカウントを放置していたり、正しい権限がつけられていない場合、セキュリティ面で大きなリスクを伴うことになります。

どのシステム・ツールに、どれほどのアカウントがいて、どのような権限が割り当てられているのか。今後、正しくアカウントを管理するためにも、まずは情報を集め、整理することが必要です。

IT資産の棚卸

抜け漏れがちなのが、IT資産の棚卸です。実際のパソコンや端末だけでなく、クラウドサービスやツールに至るまで、どのようなIT資産を自社が保有しているのか、まずは棚卸をしましょう。最終的には、IT資産の棚卸結果にライセンスの更新時期などを紐づけ管理することを目指します。IT資産が一覧化されると、どのタイミングで更新や買い替えなどの費用が発生するか、事前に把握することも可能です。そのための準備として、自社が保有するIT資産はすべて棚卸が必要です。

マニュアル作成

情シスがいない企業であっても、専任ではないが担当している人材が社内にいるはずです。その人材がひとりで抱えている情シス業務を、マニュアルに落とし込みましょう。情シス体制を整えるためには、属人化を脱しなければなりません。そのために重要になってくるのがマニュアルです。

ゼロ情シス解決策を比較

今すぐ取るべき対策の中にも、既にゼロ情シス化してしまっている企業では、対応が難しいものもあったでしょう。

どこから手を着けたら良いかわからないという場合はアウトソーシングやコンサル委託も選択肢のひとつです。長期的には情シス人材の採用も視野に入れてもよいでしょう。

ここではアウトソーシング、採用、コンサル委託という、ゼロ情シス解決策を比較します。

評価項目アウトソーシング採用コンサル委託
即時性×
課題整理力
継続性
コントロール性
トラブル対応力

アウトソーシング

情シス業務を外部に委託する方法です。

外部の専門チームを活用するため、社内のリソースを比較的足さず、すぐに情シス部門を用意できます。また、ITの知見をもって体制的に取り組むため、トラブル対応力に優れているのも特徴です。契約ベースで継続的に運用できる点も強みですが、一方で、対応範囲は契約内容に依存するため、コントロール性には一定の制約があります。

【関連記事】
情シスを業務委託する際のポイントを徹底解説

採用

情シス担当者を採用し、情シス部門を自社で用意する方法です。

自社に人材を抱えることで、業務のコントロール性と継続性は最も高くなります。ただし、即戦力となるIT人材の採用にも、新卒社員を情シス担当として育成する場合も、時間やコストが大きくかかります。即時的な解決策にはなりにくい点が課題です。また、トラブル対応力は採用した人材のスキルに大きく依存します。

コンサル委託

情シスの実務的な部分ではなく、IT戦略や体制設計の助言を受ける方法です。

課題整理力は最も高く、今後の方向性を整理するには効果的な解決策です。ただし、実務対応は基本的に自社で行うか、アウトソーシングする必要があります。トラブル対応力や継続性は限定的です。コンサル委託は伴走支援であり、運用そのものを任せる手段ではないことを理解しておきましょう。

今すぐ改善したいなら、まずはアウトソーシングがおすすめ

今すぐゼロ情シスの状態から脱却するには、まずはアウトソーシングによって情シス業務を安定させることが現実的です。

情シス業務を安定させつつ、並行して人材採用・育成や、コンサルの導入を検討することで、無理のない体制構築が可能になるでしょう。

アウトソースならお任せください

ゼロ情シスの課題は、「担当者がいないこと」そのものではなく、現状の把握ができていないまま、運用が続いてしまっていることにあります。
トラブル対応、セキュリティ、IT資産管理、そして今後のIT活用まで、すべてが場当たり的になりやすい状態では、企業の成長にブレーキがかかってしまいます。

当社フレシット株式会社では、単に情シス業務を代行するのではなく、現状の整理から入り、優先順位をつけて段階的に整備していくことを重視しています。
「何がどこまで管理できているのか」「どこにリスクが潜んでいるのか」を可視化し、無理のない形で運用を安定させていきます。

また、将来的に自社で内製化していくのか、継続的に外部活用するのかといった方針も含め、企業ごとの状況に合わせて柔軟にご提案が可能です。
一時的な対応にとどまらず、事業の成長に合わせてITをどう活用していくかまで見据えて伴走します。

「何から手をつければよいかわからない」
その状態こそが、最初に向き合うべきテーマです。

ゼロ情シスからの立て直しや、情シス業務のアウトソースをご検討の際は、ぜひ当社フレシット株式会社にご相談ください。

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監修者プロフィール

フレシット株式会社 代表取締役 増田 順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

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