【薬局DX企業の成長から見える成功要因】システム開発会社は技術力だけで選んではいけない理由
システム開発会社の比較で重視すべき業務理解力という視点
2026-06-15

システム開発会社を選定する際、多くの企業は技術力や開発実績、費用などを重視します。もちろん、それらは重要な判断材料です。しかし、実際にシステム導入が成功するかどうかを左右する要因は、必ずしも技術力だけではありません。
どれほど優れた技術で開発されたシステムであっても、現場の業務に合わなければ活用されず、期待した成果も得られません。
近年、業務システムの導入によって成果を上げている企業を見ると、共通しているのは「現場業務への深い理解」です。システムを作ることではなく、業務改善を実現することに重点を置いているのです。
本コラムでは、システム開発会社の比較や選び方を検討しているご担当者さまに向けて、見落とされがちな評価ポイントである「業務理解力」について解説します。
>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら
目次
【記事要約】カケハシ、顧客伴走型の開発で薬局DXを推進し医療プラットフォーム構築へ
カケハシは、薬局向けSaaSの提供だけでなく、顧客の業務課題を深く理解しながら機能改善や運用支援を行う体制を強みとしている。従業員約420人のうち60人以上がカスタマーサクセスを担い、現場の要望を開発へ反映している。
創業初期には、開発リスクが高い中で約200人の薬剤師に試作品を利用してもらい、現場からの意見を取り入れながら改良を重ねた。その結果、複数のベンチャーキャピタルから資金調達に成功し、事業拡大の基盤を築いた。
今後は薬局向けサービスにとどまらず、卸売業者や製薬企業を含めた医療データ活用の基盤づくりを目指す。薬局の購買データなどを関係者間で共有することで、医薬品の安定供給や医療全体の効率化への貢献を視野に入れている。
出典:日本経済新聞「〈STARTUP X〉薬局の働き方改革の黒子に カケハシ、SaaSで作業時間半減」2026年5月20日付朝刊
ポイントをひとことで
システム投資の成否を分けるのは、システム開発会社がどれだけ優れた技術を持っているかよりも、現場で起きている業務をどれだけ正しく理解できるかです。多くの企業は機能や画面、開発言語に目を向けがちですが、本来重要なのは「なぜその業務が存在するのか」「何に時間がかかっているのか」を見極めることです。現場理解が浅いまま開発を進めると、要望どおりに作られていても使われないシステムになりかねません。一方で、業務の目的や運用まで踏み込んで考えられれば、不要な機能を減らし、よりシンプルで効果の高い仕組みを実現できます。システム開発会社を選ぶ際は、技術力だけでなく、業務改善のパートナーとして向き合えるかという視点も重要です。
技術力が高いだけではシステム導入は成功しない
システム開発において技術力は欠かせません。
しかし、技術力が高いことと、業務改善に成功することは別の話です。
例えば、要件定義で聞いた内容を忠実にシステム化したとしても、現場で実際に行われている業務との間にずれがあれば、利用率は低下します。現場担当者は日々の業務を当たり前に行っているため、自分たちでも気付いていない作業や判断が存在します。
会議室でのヒアリングだけでは把握できない内容も少なくありません。
その結果、
- 想定していた業務フローと実態が異なる
- 入力項目が多すぎて運用負荷が高い
- 現場独自の例外処理に対応できない
- システムを使うより手作業の方が早い
といった問題が発生します。
これらは技術的な問題ではなく、業務理解の不足によって起こる問題です。
本当に重要なのは「何を作るか」を見極める力
システム開発会社の役割は、依頼された内容をそのまま作ることだけではありません。
本来は、「なぜその機能が必要なのか」「本当にその業務は残すべきなのか」「別の方法で解決できないか」を一緒に考えることが重要です。
例えば、ある企業が承認機能を追加したいと相談したとします。
技術力だけを重視する場合は、そのまま承認機能を実装するでしょう。
一方で業務理解が深いシステム開発会社であれば、
- なぜ承認が必要なのか
- 誰がどの情報を確認しているのか
- 承認にかかる時間はどれくらいか
- そもそも承認を不要にできないか
といった点まで踏み込みます。
その結果、承認機能を作るのではなく、入力内容を自動チェックする仕組みを導入した方が効果的という結論になることもあります。重要なのは機能を増やすことではなく、業務を改善することです。
現場理解が深いシステム開発会社は何が違うのか
業務理解に優れたシステム開発会社にはいくつかの共通点があります。
現場を見ることを重視している
優れたシステム開発会社は、担当者へのヒアリングだけで判断しません。
実際の業務現場を見学したり、担当者がどのように作業しているかを確認したりします。
現場を見ることで、
- 二重入力
- 紙運用
- Excel管理
- 属人化した作業
などが見えてきます。
これらは担当者自身が課題として認識していない場合もあります。現場観察によって初めて改善ポイントが見つかることも珍しくありません。
導入後も継続して利用状況を確認する
システムは導入して終わりではありません。
実際に運用が始まると、
- 想定外の使われ方
- 新たな課題
- 改善要望
が出てきます。
業務理解が深いシステム開発会社は、導入後も利用状況を確認しながら改善を続けます。この積み重ねによって、システムはより現場に適したものになっていきます。
業務の目的を理解している
優れたシステム開発会社は、作業内容だけではなく目的を理解しようとします
例えば、「データを入力する業務」があったとしても、その目的は
- 売上分析
- 在庫管理
- 顧客対応
などさまざまです。目的を理解していれば、入力方法や管理方法そのものを見直せる可能性があります。
システム開発会社の比較で確認したいポイント
システム開発会社を比較する際は、技術面だけでなく次のような観点も確認するとよいでしょう。
業界知識を持っているか
同じ業界の経験がある場合、業務への理解が早くなります。ただし、業界経験がなくても、業務を理解する姿勢があるかどうかは重要です。
現場ヒアリングの進め方
提案前にどの程度業務を確認しているかを確認しましょう。ヒアリング項目が浅い場合は注意が必要です。
導入後の支援体制
システム導入後の改善提案や運用支援があるかどうかも重要です。長期的な活用を考えると、開発だけでなく運用まで伴走できる体制が望ましいでしょう。
提案内容に業務改善の視点があるか
単なる機能一覧ではなく、
- どの業務を改善するのか
- どの課題を解決するのか
- どのような効果を期待しているのか
まで説明されているかを確認しましょう。
フルスクラッチ開発だからこそ業務理解が重要になる
パッケージ製品の場合は、製品仕様に業務を合わせる場面もあります。一方、フルスクラッチ開発では自由度が高い分、何を作るかが成果を左右します。
業務理解が不足した状態で開発を進めると、
- 不要な機能が増える
- 開発費が膨らむ
- 運用が複雑になる
- 利用されないシステムになる
といった問題が発生しやすくなります。
逆に、業務を深く理解した上で設計されたシステムは、必要な機能だけで構成されるため、使いやすく、運用負荷も抑えられます。
フルスクラッチ開発においては、プログラミング技術だけでなく、業務を理解する力そのものが成果を左右するといえるでしょう。
まとめ
システム開発会社を選ぶ際、技術力や実績、費用だけで判断してしまうケースは少なくありません。しかし、システム導入の目的はシステムを作ることではなく、業務改善を実現することです。
そのためには、現場の業務を理解し、本質的な課題を見つけ出し、改善につながる提案ができるシステム開発会社を選ぶことが重要です。特にフルスクラッチ開発では、自由度が高い分、業務理解の深さが成果に直結します。
システム開発会社を比較する際は、技術力だけでなく、「どれだけ自社の業務を理解しようとしてくれるか」という視点も持つことをおすすめします。
さいごに
システム開発を成功させるためには、優れた技術力だけでなく、現場の業務を深く理解し、本当に必要な仕組みを見極めることが欠かせません。
当社フレシットでは、単にご要望をシステム化するのではなく、お客様の業務内容や運用方法、将来的な事業展開まで理解した上で、最適なシステムをご提案しています。現場で実際にどのような業務が行われているのか、どこに非効率や改善余地があるのかを丁寧に整理しながら、業務に合ったオーダーメイドのシステムを設計・開発しています。
また、パッケージ製品では対応が難しい独自業務や複雑な運用にも対応できることが、フルスクラッチ開発の大きな強みです。業務にシステムを合わせるのではなく、業務に合わせてシステムを作ることで、より高い業務効率化や競争力向上につなげることができます。 「自社の業務に本当に合ったシステムを作りたい」「現場で定着し、長く活用できるシステムを導入したい」とお考えでしたら、ぜひ当社フレシット株式会社へご相談ください。業務理解を大切にしながら、お客様の事業成長を支えるシステムづくりをご支援いたします。
>>フルスクラッチ(オーダーメイド)のシステム開発について詳細はこちら
著者プロフィール
フレシット株式会社 代表取締役 増田順一
柔軟な発想でシステム開発を通して、お客さまのビジネスを大きく前進させていくパートナー。さまざまな業界・業種・企業規模のお客さまの業務システムからWEBサービスまで、多岐にわたるシステムの開発を手がける。一からのシステム開発だけでは無く、炎上案件や引継ぎ案件の経験も豊富。システム開発の最後の砦、殿(しんがり)。システム開発の敗戦処理のエキスパート。

公式Xアカウントはこちら